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12月15日 湊谷渚

 今日は、朝からバイトのことを考えていた。昨日、バイトの面接を受けた後、店長から連絡が来ていた。まだ、行くと決めたわけではなかったが、採用してくれた店長に申し訳なかった。

 13時ぐらいまで、行くか迷ったが、とりあえず今日行ってみてから考えようと思った。

 バイト初日ということもあり、髪の毛をセットし、程よく化粧をした。いつもはしない香水をつけ、準備が完了した。

 この香水をつけるのは、久しぶりだった。前回、使ったのはGWだったから、半年ほどつけていないことになる。確か、GWは、匡と遊んでいた。

 匡とは、堂上匡のこと。3年前から付き合っていたが、今年の6月に別れた。匡とは、あれから連絡をとっていない。匡は、何をしているのだろう?匡のことを思い出しながら、カバンの中にスマホ、財布、メモ帳を入れた。

 私は、準備したカバンを持ち、17時20分頃に、自転車で家をでた。そして、10分ほど自転車をこぐと、バイト先に到着した。バイト先の名前は、『料理屋けんしん』だった。昨日は、きちんと見ていなかったこともあり、少し新鮮だった。「今日から、ここで働くのか」と思いながら看板を見ていた。店長は、佐藤だったから、名前が「けんしん」なのか?と考えていた。

 自転車を停めて、昨日のように入口の扉を開けた。昨日とは、異なり、程よく電気が消されており、大人のお店の雰囲気がただよっていた。

 

 私 「お疲れ様です」

 店長「おぉー」

 私 「‥‥」

 店長「服は、そこにかけてあるやつ使っていいから」

 私 「はい」


 私は、カーテンの中にある、茶色の服をとって着替えた。


 店長「渚ちゃん」


 すると、厨房の奥から声が聞こえてきた。私は、少し小さめの制服に腕を通していた。すると、可愛らしいショートカットの女の子が私の目の前に現れた。


 女の子「はじめまして、湊谷です。よろしくお願いします」

 私  「はじめまして、土屋です。こちらこそ、お願いします」

 

 私も湊谷と同じくらいのボリュームで挨拶をした。

 

 店長「渚ちゃん、今日から入る子やから、教えてあげて」

 湊谷「はーい」


 湊谷は、元気よく返事をした。


 湊谷「じゃあ、土屋さん、行きましょうか」

 私 「はい」

 湊谷「基本、バイト来たら、制服着替えて開店準備です」


 私は、湊谷から聞いたことをメモ帳に記した。


 私 「‥‥。はい」

 

 そう言って、湊谷は、飲み物、お箸、フォーク、スプーンなどの準備をはじめた。


 湊谷「土屋さんって、何歳ですか?」

 私 「19歳です」

 湊谷「えぇー、そうなんですね。てっきり高校生かと思いました」


 湊谷は、少し驚いた顔をしていた。


 私 「何歳ですか?」

 湊谷「18歳。高校3年生です」

 私 「どこの高校ですか?」

 湊谷「聖徳高校です」

 私 「そうなんだ」


 聖徳高校は、私の母校であった。おそらく、1学年下にこの子もいたんだろうなと考えていた。


 湊谷「もしかして、妹おられます?」

 私 「いますよ」

 湊谷「陽菜乃さんですか?」

 私 「そうです。妹の知り合いですか?」

 湊谷「知り合いというか、知っているというか。確か、海美に行かれたんですよね?」

 私 「そうです」

 湊谷「私、中学校の時、同じクラスだったんすよ」

 私 「そうだったんですね」


 彼女は、妹と同じクラスだったが、あまり話していなかった様だ。


 湊谷「敬語、やめてくださいよー」

 私 「いえいえ、先入ってるんで」

 湊谷「いやいやいや、大丈夫です。タメ口でお願いします」

 私 「慣れてきたらそうします」

 湊谷「ぜひ」

 私 「何て呼んだらいいですか?」

 湊谷「店長が渚ちゃんって呼んでるで、渚とかでいいですよ」

 私 「じゃあ、私も渚ちゃんて呼びますね」

 湊谷「ぜひ、私は何で呼んだらいいですか?」

 私 「私も下の名前で呼んでくれたら。美優っていいます」

 湊谷「美優さんって呼びます」


 そんなやりとりをしていると、お客さんがやってきた。その後は、オーダーの取り方や飲み物の作り方について教えてもらった。

 今日は、お客さんが少なかったこともあり、21時頃に終わった。明日もバイトということもあり、いつまでバイトが続くか内心ビクビクしていた。

 

 

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