1月5日 カラオケ
新年が明けてから5日目。母と父は、今日から仕事に出かけていた。陽菜乃は、塾に。私は、昨日に続き図書館に来ていた。いろいろ調べた結果、一番受かりそうにない大学を第一志望に決めたのだった。
ー1月3日ー
私たちは、神社に参拝した後、カラオケに来ていた。沙蘭、遥と一曲ずつ歌ってきて私の番になっていた。
遥 「やっぱ、カラオケいいね」
沙蘭「だね、そろそろバラードでしょ」
遥 「美優、次歌う?」
そう言って、カラオケの曲を入れるためのタッチパネルを私に渡してきた。
私 「そうだね」
沙蘭「美優って、新しい大学行くの?それとも働くの?」
私 「うーん、迷ってるかな」
暗い光の中で、顔を見られないようにした。私は、タッチパネルを操作していた。
沙蘭「今年は、試験受けるの?」
私 「試験は、受ける。でも、行きたいかどうかはわからないけど」
素直な気持ちを伝えた。
遥 「どこに行きたいとかあるの?」
私 「レベルの高いところに行きたいかな」
遥 「学力の高いところ?」
私の返信にすぐさま被せてきた。
私 「というより、やりたいことが高いところかな」
遥 「やりたいことかぁ、、、」
私 「そうなの」
やりたいこと、、。そんなもんあるもんか。心の中でつぶやいた。
沙蘭「やりたいことって決まってるの?」
私 「それが決まってないのよ。だから、とりあえず行動してみてやりたいことを探してみることにした」
沙蘭「それ、めちゃくちゃ大事だね」
私の発言に共感してくれたようだ。
私 「そうなの?」
沙蘭「うん。私もさ、今のサークル入るまでに、5つくらい入ってたんだけど、どれもだめでさ」
彼女は、何がいいたいのだろう?
遥 「今、どんなサークル入ってたっけ?」
沙蘭「今はね、旅行サークルに入ってる。フフ」
沙蘭と遥は、笑っていた。
遥 「何、そのサークル?」
私 「旅行するんでしょ、そんなの。ねぇ?」
勢いよく沙蘭の方を見つめた。
沙蘭「そう。いろんなところ旅行するの。最近は、北海道行ってたの」
遥 「めっちゃ楽しそう」
羨ましそうにカラオケ画面に入れた次の曲を眺めた。
沙蘭「まぁね。でも、ここまで来るのには時間かかるよ。大学とかなるといろんな人もいるし」
沙蘭の発言は、どこか力がこもっている様子だった。




