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12月29日 安堵

 今年も残すところ後3日となった。私は、朝から部屋の片づけをしていた。押し入れにしまっていた参考書をとったり、いらなくなった雑誌を処分することになった。

 昨日は、図書館に行ったもののほとんど、勉強していなかった。単語帳を開いてから20分ほどで帰ってしまっていた。

 結局、大学試験をもう一度受けるかはわからないが、とりあえず勉強してみることにした。ただ、どういう風に勉強するかは迷っていた。受けるとしても、今から国公立は厳しい。私学の英語、国語、社会で受験できるところにしようかと考えている。

 大学に行くにしてもいろいろと課題はある。その一つ一つと向き合いながら前に進めたらいいのかな。昨日、自転車置き場にいたら、一人の女の子が声をかけてきた。前にもう似たような場面があったことを思い出した。

 私は、いらない雑誌を玄関まで運んだ。すると、母が近くにやって声をかけてきた。


 母 「掃除してるの?」

 私 「うん。いらないやつ、ここ置いとくよ」


 手に持っていた雑誌を机の上に置いた。


 母 「わかった」

 私 「廃品回収いつある?」

 母 「もう1月かな」


 母は、玄関に置いてあるカレンダーを見て答えた。


 私 「それまで、ここ置いといて大丈夫?」

 母 「いいけど、アンタ、早く出ていきや」


 嫌味っぽくもあったが、母なりのエールにも感じた。


 私 「出て行けたら、出て行ってますけど」

 母 「また、受験するの?」

 私 「陽菜乃から聞いた?」

 母 「少しだけね。何しても楽な道はないよ」


 厳しい口調で私に伝えた。


 私 「知ってるよ」

 母 「本気で受けるんやったらお父さんにもちゃんと言うときや」


 父は、私が大学を辞めた後も何も言わなかった。


 私 「‥‥」

 母 「結構、心配してるから」

 私 「うん」

 母 「お母さんも、もうちょっとだけ働くから、お金は気にせんとき」


 母は、私に大学に行ってほしいのだろうか?それとも、就職してほしいのだろうか?

 

 私 「‥‥」

 母 「今日は、何するの?」

 私 「今日は、夜バイト行く」

 母 「そうなんだ。バイトには慣れたの?」


 言葉を発するとともに、今日のバイトが神城であることに気づいた。


 私 「うーん。普通かな」

 母 「そっか」


 母は、少し安堵した様子を見せ、台所へと戻っていった。


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