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12月28日 図書館

 昨日、柚月に連絡してから、少しだけ前に進めた気がした。忙しいはずなのに、昨日の午後には返信がきていた。年始に2人で会うことも決まった。25日までは、こっちに帰ってきていたみたいだが、31日までは、大学でバスケの練習をするらしい。柚月ですら試合に出られないなんて、大学の部活はとても大変なんだろうと考えていた。

 私は、柚月のことを考えながら、着替えをしていた。今日は、図書館に行く予定だった。昨日、考えていた一つの選択肢、大学にもう一度行くこと。とりあえず、受けるかわからないが勉強を少しやってみようと思っていた。

 陽菜乃から借りた英語と数学の問題集などを鞄に入れて、準備をした。両親は、仕事。陽菜乃は、塾。家で勉強をしてもよかったが誘惑が多すぎて勉強が続かないと思っていた。家の鍵を閉めて、自転車で図書館へと向かった。

 高校時代、通っていた通学路をすすんでいた。私も、地元を出て一人暮らしをした方がいいのかと思っていた。実家だと甘えが出てしまう。自転車に乗っていた社会人らしき人を見て思った。見慣れたこの街では、物足りないのかもしれない。赤信号が見え、勢いよくこいでいた自転車のスピードを落とした。

 図書館までは、もう少し。そう言えば、昨年も図書館でよく勉強をしていた。当時は、彼氏の匠や沙蘭、柚月たちと閉館になるまでいたのを覚えている。沙蘭は、英語が得意でいつも長文読解の訳し方を教えてくれた。柚月は、社会を1問1答形式てお互いに問題を出し合った。匠に関しては、頭が悪く、勉強を教えても全然理解してくれなかった。そのため、図書館にある休憩スペースでいつもお菓子を食べながらどうでもいい話をしていた。同じ聖徳高校の友だちやサッカーの話。ふざけながら話してくれていた。

 みんなのことを思い出していると、頬に雫が落ちてきた。懐かしいのか?寂しいのか?悲しいのか?なぜ、泣いているのだろう。自分の感情がよくわからなくなっていた。年始には柚月にも会うから懐かしくなんてない。みんなと連絡も取り始めたし寂しくなんかもない。バイトもして、新しい選択肢も探し始めているので悲しくもない。

 ただ、涙は止まらなかった。今まで、こんな感情になったことがなかっただけに、戸惑いを隠せなかった。私は、図書館の自転車置き場に自転車を止め、ハンカチで目を覆った。涙は出なくなった。私は、少し遠くを見つめていると、後ろから歩いてくる音がした。そして、私の近くで足音が止まった。

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