12月25日 クリスマス
今日は、クリスマス。病院もクリスマスツリーやリースなどいたるところに飾り付けがされていた。
一昨日に、陽菜乃が倒れたため、今日も病院に来ていた。陽菜乃が、なぜ、倒れたのかは、お医者さんもわからなかった。そのため、明日まで、入院することになっていた。
私は、陽菜乃の勉強道具を取りに一度帰って、また、持ってきてあげていた。両親は、ともに働いており、今の時間帯に病院に行くことはできなかった。
私は、陽菜乃が勉強する横でスマートフォンをいじっていた。陽菜乃は、単語帳を見ながらペンを握っていた。
陽菜乃「今日は、バイトないの?」
私 「あるよ」
陽菜乃「クリスマスなのにあるんだね」
英単語を見つめながら、私に話しかけてきた。
私 「そうそう。他の子入らないからね」
陽菜乃「他の子って、高校生?」
私 「んーっとね。高校生2人と大学生1人かな」
陽菜乃「大学生もいるんだ。よかったじゃん」
私 「何がいいのよ」
陽菜乃「女の人?」
私は、首をふった。
陽菜乃「えっ、男の人?」
私 「そうだよ」
陽菜乃「チャンスじゃん。付き合ったら?」
私 「なんで、そうなるのよ。向こうも付き合ってるし」
あの大学生は、神城祐也。確か指輪のようなものもしていた気がする。おそらく、彼女もいるのだろう。
陽菜乃「えっー。なんだ、面白くないじゃん」
私 「何もないよ」
陽菜乃「じゃあ、匠さんは?」
堂上匠。そういえば、昨日連絡がきていたことを思い出した。昨日は、遥たちの集まりがあった次の日。おそらく、私が匠と別れたこともみんなにバレたのだろうと考えていた。
私 「アイツは、別れたし関係ないよ」
陽菜乃「だって、今日クリスマスだよ。なんかあるかもじゃん」
私 「何もないって、この前も言ったでしょ」
陽菜乃「そう?でも、一人は、寂しいでしょ?」
私 「でも、案外慣れるもんだよ。陽菜乃こそ、寂しくないの?」
陽菜乃「私は、全然だよ。みんないてくれるし、付き合ってなくても大丈夫だよ」
私 「それは、いいね」
陽菜乃「もう少しで退院できるし、勉強も頑張らないとね」
倒れた原因もわからずに不安が募っているかと思っていたが、そうでもなかった。陽菜乃が楽しそうに自分の生活を話してくれたのは、何だか嬉しかった。




