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12月24日 瀬戸明日花

 日付が変わった12月24日は、病院で迎えていた。昨日、陽菜乃が救急車に倒れてから約20時間が経過しようとしていた。陽菜乃は、私のすぐ近くのベットで寝ていた。個室を用意してもらえたので、私も安心して陽菜乃を見守っていた。

 私は、喉が渇いたので、鞄から財布をとって、自動販売機の方に向かった。ちょうど喉に刺激が欲しかったこともあり、炭酸飲料を買った。陽菜乃が起きた時も考えて、お茶も買うことにした。自動販売機から、2本のペットボトルを取り出して、部屋に戻ろうとした。

 すると、後ろから「土屋さんですか?」という声が聞こえた。後ろを振り向くと、160cmほどの女性が立っていた。誰だかわからなかった。髪は、ショートカットでメガネもかけていた。パーカーにロングスカートという服装だった。手には、ファイルらしき物を持っていた。


 私 「すいません、どちらさんですか?」

 女性「私、瀬戸と申します」

 

 私は、聞き覚えがない名前だった。


 私 「ごめんなさい、私、存じあげなくて」

 瀬戸「ですよね。陽菜乃さんのお友だちです」


 瀬戸は、軽く会釈をしてきた。


 私 「そうなんですね。私のこと知ってるんですか?」

 瀬戸「中学生の頃、何度かお見かけして」

 私 「もしかして、八代南の子ですか?」

 瀬戸「そうです」


 もしかして、陽菜乃が昔ずっと話していた、5人のメンバーのことだろうか?


 私 「いつも5人ぐらいでいた子の中の一人?」

 瀬戸「はい!今日は、お姉さんだけですか?」

 私 「‥‥。ううん。実は、昨日、陽菜乃が救急車で運ばれて」

 瀬戸「そうだったんですねぇ」


 瀬戸は、驚いた表情をしていた。陽菜乃がよく話していたグループは、BIG3の高田、同じ中学校の五十嵐がいる。残りの2人のうちの1人。そして、その内の1人は、病気だったことを聞いていた。その人かぁ。なんとなく、辻褄があった。


 私 「うん。また、起きたら伝えとくね」

 瀬戸「はい。また、私も連絡いれときます」

 私 「じゃあ、いくね」

 

 瀬戸に挨拶をして、私は、病室へと向かった。私の中では、少し疑問があった。陽菜乃の話では、退院したということを聞いていたからだ。たまたま、今日だけいたのかもしれないが、それだったら、この部屋の近くは通らないはず。ここは、入院する病棟だし、見舞いに来るとしても早すぎる。詳しいことは、わからないが瀬戸にも何かあったのかもしれない。

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