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12月22日 コーヒー

 今日は、バイト以外で、久しぶりに外出をしていた。陽菜乃から、買い物に誘われて、多田市の近くにあるショッピングセンターに来ていた。私たちは、買い物を終えて、近くのコーヒー屋さんで休憩をしていた。


 私  「勉強どうなの?」

 陽菜乃「うーん。微妙だな」


 私は、コーヒーを全て飲み干した。


 私  「どこ、受けるの?」

 陽菜乃「試験結果によるけど、東京の大学は受けるかな」

 私  「東京行くんだぁ」

 陽菜乃「うん。心配?」

 私  「別にー」

 陽菜乃「心配してよー」


 私は、笑ってしまった。陽菜乃には、いつも笑わせてもらっている。学力は、とてもあるのに、どこか頼りなさが滲み出ている。


 私  「東京行ったら、頻繁には会えなくなるね」

 陽菜乃「うん。寂しいよ」

 私  「もう、高校生でしょ。男の一人でも作って、私から離れなさい」

 陽菜乃「そんなのできないよ」


 不安そうに私を見つめてきた。


 私  「海美高校って、男子微妙なの?」

 陽菜乃「そんなことないと思うけど。勉強できるみたいなイメージしかないからね」


 海美高校は、私の家から40分ほど離れたところにある。聖徳や淮南よりも賢い。しかし、私立ということもあり、学力があっても、海美高校に進学する生徒は少ない。


 私  「確かに、そのイメージ強いなぁ」

 陽菜乃「でも、スポーツ強い部活もあるし、意外とやんちゃな子も多いけどね」

 私  「そうなんだぁ」

 陽菜乃「そうそう。意外とみんな楽しんでるよ」

 

 楽しそうに陽菜乃は、話してくれた。


 私  「それよりさぁ、陽菜乃って、中学3年の時の陸上競技大会のこと覚えてる?」

 陽菜乃「ん?」


 陽菜乃は、びっくりして、私の方に注意を向けた。


 私  「驚いてるの?」

 陽菜乃「うん。なんで、その話したの?」

 私  「ちょっと、小耳に挟んだから」

 陽菜乃「そっかぁ。意外と有名なんだね。ハハ」

 私  「私は、詳しい話は知らないから、わかんないけどね」

 陽菜乃「全部、知らないの?」

 私  「うん。ホントに噂程度だから」

 

 陽菜乃は、私の方を見ながら頷いた。渡邉の話によると、あの時モメたのは、八代南と八代北。陽菜乃は、八代東だから、あんまり関係ないのだろうと勝手に思っていた。しかし、この後、陽菜乃から衝撃の事実を聞かされたのだった。

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