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団栗の背比べ

 まさかの援軍が敵となり、一気に劣勢になる。


「ぐぁぁぁぁあ。」

「くっ。」


 レティシアもふってわいた闇落ちに襲いかかられ、凜から離れる。


「ふふふ。ほら、ほら、私たちも殺りましょうよ。」


 爪をシャキン、とならしながら、近づいてくる。


 さすがに丸腰で戦うのはヤバイな。

 カッターはもうポケットにはいっていないので、どうにか武器を調達しなければ。


「ちょっと。そこのガッツリ文官班!!剣貸して!!」


 指名されたお兄さんは、「剣使えるの?」って顔をしているが、決断は早く、剣をうまいこと投げて寄越す。

 剣を握り構える。

 さすが、文官班の支給品。思った通り、軽量化されたものだった。

 だからといって嗜みがあるわけではない。あるのは体育の授業でやった数回の剣道だけ。


「あはっ。やれんの?」

「やるしかないでしょ。」

「ふーん。あいつらより度胸があるわね。」


 ちらりと見た視線を辿ると一緒に召喚された二人。

 相変わらず二人は、つばぜり合いはすれど、踏み込めず逃げ回っている。


「それっ。」


 振り下ろされた爪を避け、そのまま踏み込み切りつける。

 やはり上手くいかず空振り。

 しかし、ここでめげるわけにはいかない。


 なんのために魔法と護身術のを習ってきたと思っているんだ。

 サブで魔法を使い、避けなから切り込んでいく。


 当たり前だが、お互いに経験がないので、剣や爪が掠りはするが上手く当たらない。


「このっ。」

「わっ。」


 アホみたいなやり合いでどんどん体力が無くなっていく。


「もう!!めんどくさいわね!!」


 しびれを切らした凜が至近距離で風魔法で暴風を繰り出してきた。

 凜は、闇落ちになり魔力量が多くなったことを計算にいれなかったのか、強すぎる暴風は私を飛ばすと共にまさかの自分自身も吹き飛ばしていた。


 体がぶわっと持ち上がる。まるでジェットコースターに乗ってるようにぐるぐる回りながら飛ばされる。


 これって受け身のとかの問題じゃないよな。

 絶対いたいやつじゃん。


 来るであろう痛みに備えてぎゅっと目を閉じた。


 ……。


 衝撃はあったものの、それほどの痛みが訪れないことを不思議に思い、ゆっくりと目を開ける。

 視界に入ったのは、文官のお兄さんだった。


「ぎゅぇ。」

「あ、ありがとうございます。」

「はやく、ど、どいて。」

「ぁ、すみません。」


 どうやらお兄さんが受け止めてくれたらしい。


「げほっ。さすがに、小さな女の子が頑張ってるのに、ボーッとは、していられません、おぇ。」


 ほんとにごめん。ありがとう、お兄さん。

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