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仲裁

 変装的には探偵助手は役に立つのがわかったが、やはり普通な日常に戻った。


 アレンに課された護身術や魔法の練習なども行いながら日々が過ぎていく。


 しかし、日常のなかでなんだか城内の雰囲気が日に日に暗くなったような気がする。


「なんか最近みんな元気ないっすね。」

「なんだろうね。静かだし……どうしたのかな?」


「ちょっと今ぶつかったわよ?」

「あなたが道の真ん中にいるのが悪いんでしょ。邪魔なのよ。」


「些細なことで喧嘩してるのもよくみるね。」

「止めないんすか?」

「私は仲裁キャラじゃないから。」


 面倒ごとには極力入りたくない。傷害事件になってる訳じゃないし。




 そんなのが続いたある日、その日はどんよりとした曇り空だった。

 いつものように訓練に行こうと訓練場まできた時。

 そこでは第一の方々が訓練をしていた。

 しかし、なんだか様子がおかしい。

 使っているのは真剣だし、相手の様子などお構いなしに剣を振るって、怒号が飛び交っている。


 これはもう、訓練と言うより、殺し合いなのではなかろうか。


「ちょっ。あの人たち、なにしてんの?止めないと不味くない?」

「待ってください。まずは、誰か呼んでくるっす。お嬢は、団長を呼んできてくださいっす。」

「あんたは、どうするの?」

「とりあえず、仲裁にはいるっす。」

「はぁ?この人数の中に一人で入ってくの!!」


 ざっと見ただけで三十人はいるであろう殺し合いの最中に飛び込んでいくなんて、自殺行為だろ。


「だからって、ここでモタモタ議論している暇ないっすよ!!行ってください!!!」

「勝手に死んだらダメだからね!」


 踵を返し、廊下を走る。

 急がないとウォルターが心配である。


「団長!!」


 ノックもなしに扉を開けるとビックリしているオリバーとルーカスが驚いた顔で振り返る。


「どうした?そんな慌てて。」


 私の様子にただならぬ気配を感じたのか険しい顔で聞かれる。


 私は慌てながらも手短に説明する。


「わかった。ルーカスは、今手の空いているやつらを召集しろ。俺はウォルターの方に行く。」

「私も行きます。」

「ダメだ。」


 ダメと言われて素直に聞くとお思いで?

 止められるより先に部屋を飛び出す。


「おいこら、まて!!ちっ。ルーカス、頼んだぞ。」


 全力で走っていくがすぐ、オリバーに追い付かれる。

 私の体力なんてそんなものだ。


 止められるかと思いきや、並走したまま進む。


「お前、頑固そうだしな。」


 諦めたように言われた。


 そして訓練場へとたどり着いた。

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