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再会

「あのっ。ちょっと道に迷ってしまってぇ。」


 甘えた口調でノアに質問をしているが、隣の侍女さんに聞けばよいのでは?


「それはお困りですね。しかし、お隣の侍女に聞けばよいのでは?」


 私の疑問と同じ疑問を持ったノアが聞いている。

 ノアの言葉にびくっと肩が跳ねる侍女さん。


「この子、新人でまだ道がよくわからないみたいで。」


 さも心配しているように見せ掛けて、悪意が感じられる。

 明らかにバカにしたような、下に見た言い方をしている。


 私がこの人のことを嫌いだから、そう見えているだけならいいんだけど。


 新人侍女さんを見ると、泣きそうな顔をして下を向いてしまう。


 その反応は、見知った反応だった。

 彼女の気持ちは手に取るようにわかる。


 たぶん、言われたことに心当たりがありすぎて、自分が不甲斐なさすぎて、悔しくて、恥ずかしくて、でもここで言わなくてもよくない?って思ってしまって、顔をあげていられないのだろう。


「どこに行きたいのですか?」

「んーっとぉ。」


 ノアと凜が話しているのを横目に見ながら、侍女さんに心のなかでエールを送っていると、


「あら?ちょっと君!なになに?どこかのお坊っちゃん的なやつ?」


 突然、私の顔に話しかけてきた。

 違うことを考えていたので、ビックリしてノアの後ろに隠れる。

 それに、ここで私だとばれたらなんだか不味いことになりそうだ。


 髪の毛は隠れてるから顔を、特に瞳の色を見られなければ何とか押しきれるか?


「あっ、すみませんねぇ。この子人見知りがすごくて。」

「えー。なにそれ、めっちゃかわいー。顔見せてよー。」


 いやいや、それが一番まずい!

 どうやらノアの後ろに隠れたのが余計に興味を持たせてしまったらしい。


 焦りながら、覗きこんでこようとするのを必死にかわす。


「なにー?別にいーじゃない。そんなに照れなくても。じゃぁじゃあ、名前だけ教えて?」


 はぁ?名前?


 適当に答えてればいいものの、まさかの事態にノアも答えに詰んでいる。


 しかたがない。


「あっ、アッシュ、です。」

「アッシュ君って言うんだ。声も女の子みたい!年いくつ?」

「10?」

「なんで疑問なの。うける~。」


 いや、実際女の子だし、名前だけって言ったじゃん!!

 こちらの方々が体格のよい人で助かった。

 もとの世界の10歳は、たぶんもう少し小さい気がする。


 しかし、会話までしたのに私だと気づいかれないのもなんだか微妙だな。


 ご機嫌になった凜は、ノアに帰りみちを教えてもらい踵をかえす。


 そのとき、私はゾッとした。

 振り返る瞬間、凜の侍女さんを見る目が鋭く、まるで親の敵にあったかのような厳しい目で睨み付けていた。


 なに?そんな目で見られるほどのこと、なにもしてないじゃん。


 すぐ背中しか見えなくなってしまったので、もしかしたら見間違えたのではと思おうとしたが、そうとは思えない。


 前回のことでやなやつだとか、関わり合いになりたくないとか思っていたが、印象が違いすぎるように感じた。

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