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囮には囮の仕事しか回ってこなかった

 目の前の光景を私は、口をポカーンと開けて見ていた。


 え、この人たち、文官班って言ったよね?違ったっけ?

 アレンとノアは、剣で闇落ちが振りかざしてくる爪を結構なスピードで弾いている。

 私は、巻き添えを食らわないように隅っこでその様子を見ていた。


 前回のやつより強いと私でもわかる闇落ちをアレンとノアの二人は、余裕綽々で戦っている。


 アレンが攻めている時は、横や後ろに回ったノアが切り込み、闇落ちがそれに対応しようとアレンをさばいて、ノアを攻めるがたち位置が逆になっただけで、今度はアレンが切り込んでいる。


 闇落ちも長い爪を器用に使い、力任せに剣を押し返そうとするが軽く流されている。


 闇落ちは、魔力で身体能力が底上げされているので、戦いのなかで、アレンたちが「危ない!」と思う場面があるが、紙一重で避けている。


 そして、上手いことノアの剣が闇落ちの足を捕え、バランスを崩したところをアレンが仕留めた。

 相変わらず黒い血がだらだらと流れていき、生気がなくなり、干からびていく。


 本当に私は囮の役しかやらなくておわった。

 てか、簡単に終わりすぎじゃない?前回の苦労は何だったんだ。

 でも、よく考えてみれば前回、アレンはそんなに怪我してなかったし、氷の剣で一発で仕留めていたっけ。


「終わったな。」

「手こずらなくて良かったね。もう少し進行してたらこんな簡単にいかなかったかもね。」

「うちの班って文官班じゃなかったのですか?」

「あー、文官的なことをやっているのは、レティシアたちの班がそっち系が全然だめだからその分の仕事がこっちに回ってきているんです。」

「戦闘も一通りできるよー。」


 一通りどころじゃないじゃん。こっちのが本業なんじゃない?

 私この班じゃ、だめじゃない?もっとお気楽な班ってないのかな?FA制度だっけ?あれを使いたい。


 悩みながら話していると、リアムとエドワード、レティシア、ウォルターもやって来る。

 若干、ウォルターとリアムはすり傷があるが、こちらもほぼ怪我は見受けられない。


「こっちも片付いたわよ。」

「でも、ちょっと面倒なことになりましたね。」

「てか、俺たちの戦ってた闇落ちってどちら様だったんすか?」

「それが『面倒なこと』なのよ。」


 ん?詳しく説明をお願いします。


「最初にいた二体と次の一体は、完全にどこの誰だか知らない人よ。今、第三の人たちが調べてるわ。」

「そうですね。今回のターゲットはここにいましたから。しかし、『ここをゴールとした』という情報は我々しか知らないはずです。なのにここにいたということは、どこかから情報が漏れていたかもしれないということです。」


 レティシアとアレンの説明に皆が難しい顔になる。

 一難去ってまた一難。話がややこしくなる予感……

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