シャボン玉飛ばそっ
せっかくゴールにたどり着いたのに、最悪なプレゼントが待ち構えていた。
マジか……
しかもこいつ、見覚えがある。
たぶん、今一番皆が探し求めていた人だ。
籤運が悪すぎる。
私の籤運や落ち込む気持ちとは逆に、闇落ちはやる気満々である。
冷え冷えとする空気中、「コロス」などとぶつぶつ言いながらフラフラと揺れている。
そして、特に口上もなく突っ込んできた。
速い。前回のやつよりも動きが機敏だ。
明らかにこっちが不利なのに前回よりもハードモードとかやめてほしい。
時間稼ぎをするために魔法を使う。
前回の戦いで魔法は効かないとわかっているので、やり方をかえる。
水魔法に粘りを持たせてシャボン玉を作る。その中に雷魔法を入れる。簡易的なスタングレネードだ。
その名も「シャボングレネード」である。
でもこれ、水魔法と雷魔法の比率が難しい。水が多いと弾けないし、雷が多いとすぐ弾けてしまうのだ。
まだ研究中のため、静電気ぐらいでパチッてなる程度だ。
慣れてしまえば効かないが、初見なら効くだろう。
あと、中に圧縮した空気をいれて、「シャボン爆弾」も考えたけど、こちらも空気の圧縮が難しいため、ぱちんとなり吃驚させる程度である。
二種のシャボンを闇落ちに向かって打つ。
私の役割は時間稼ぎで、誰かがここに到着するまで逃げ延びることなので、直接攻撃はしない。
闇落ちは、邪魔くさいシャボンを爪で割ろうとする。
シャボンに爪が当たった瞬間、ぱちんと割れて爪が軽く弾かれる。
闇落ちは、何が起こったのかわからない様でイライラしだした。
シャボンを次々に割っていく。
爪を弾かれたり、体に当たったシャボンから電気が流れてビクッとなったりしている。
私も割られた分のシャボンの補填を繰り出していく。
今のところ足止めが成功しているな。
と、なんとかなるかと思った時に闇落ちが一気にその場で回転を始めた。
なにを、と思ったが独楽の要領で周りの物を弾いていく。
ちっ、もう攻略されたか。
次の手をどうしようかと考えているとアレンとノアがやって来た。
「大丈夫ですか?」
「うわー。引きが強いね、アイナちゃん。ターゲットだ。」
良かった。
でも、状況説明を求めている時間は無さそうである。
「すみにいてください。直ぐに終わらせます。」
自信たっぷりに笑いかけるイケメンさん、アレン。
「全部終わったら、僕ともデートしてね。」
ノアのゆるゆるな台詞に思わず笑ってしまう。しかし、
「「も」って?」
私、デートした?誰と?
移動しながら真剣に悩み込む私は、悲しそうな顔をするアレンにも笑いを堪えるノアにも気づかなかった。




