回り道したくなる
次の日、性懲りもなく出勤するとみなさん、諦めた目をしていた。
休み癖がつくと大変なんだよ。あと、いない間に何かあるのか嫌なんだよ。
楽しいことも悲しいことも知らない間に過ぎていくのが嫌なのだ。
しれっと部屋にはいると、アレンに呼び止められた。
「ちょうど良かった。団長がお呼びです。」
え、なに。職員室に呼びだし的な?
なんかやらかしたっけ?……心当たりがありすぎて、わからない。
「……そんなに怯えなくても大丈夫ですよ。話したいことがあるらしいので。」
呼び出しなんて嫌な記憶しかないよ。
例えば……出席してたのにしてないことにされて怒られるとか、被害の事実確認のために行き、執拗に確認されるとか。
つまり、「怯える」ではなかったわけだけど。
「行ってきます。」
いつもならここで誰かついていくと言い出しそうだけど、今回は誰も一緒に行かないらしい。
付いてきてほしいとかではなく、ただ単にいつもと違うなと思いながら、進んでいく。
で。ついたは良いが部屋に入れずにいた。
緊張しない?入るときって。
今、入って大丈夫?とか、呼んでないよ、約束の日時違うよ、とかならないかなと不安になる。
しばらく扉の前をうろうろして、とりあえず気配を完全に消して落ち着こう。
意を決して扉を開けようとすると、私が開けるより先に扉が開いた。
「どうぞ?アイナさんですよね。」
「な、あ、すみません。えっと、はい。」
よくわからない返事をしながら、開けてもらった扉から入る。
執務机にいるオリバーがなぜか笑いをこらえている。
「くっくっ。すまん。いつ入ってくるか様子を見ていたが、くっ、なかなか入ってこなくて。」
扉の前にいたのがばれていた、だと。
すごい恥ずかしい。もっと早く開けてくれれば良かったのに。
「ほら、開けますよって言ったのに、止めるから。」
扉を開けてくれた、優男がオリバーを窘める。
「わるい、わるい。あ、こいつははじめましてだったか?ルーカスだ。」
「よろしくお願いします。」
ぺこり。
早速ですが本題へ。席を勧められたので素直に座る。
「話があると聞きましたが。」
「そうそう。ちょっと聞きたいことがあってだな。」
「なんでしょう?」
「怪我の調子はどうだ?」
「普通です。痛くないと言えば嘘になりますが、我慢出来ないレベルではないので大丈夫です。」
「まぁ、いいならいい。で、闇落ちの話は聞いたよな?」
「一通りは聞きました。」
「うーん。どう話せばいいものか……」
天井を見上げながら唸るオリバー。
呼んだのそっちなんだから、話す内容ぐらい決めておいてくれ……
「回りくどく言っても仕方がないな。お前に絡んできたもう一人が今、行方不明になってる。全力で調査中だがそいつも闇落ちしてる可能性が高い。」
いや、もうちょっと回り道しても良かったかも。




