闇飼いと闇纏
「説明の前に何が起こったのか、最初から順番に話していただけますか?」
説明してなかったっけ。とりあえずアレンから離れてしまった状況から説明する。
まさかこんな結果になるなんて、あのときは思ってもいなかった。
続いてアレン側からの行動を聞く。
どうやら私がいなくなったのは早い段階でわかっていたらしい。
しかし、路地をどう進んだのかがわからず探すのに手間取ったらしい。
そうか。私は引っ張られて歩いていただけだし、手を振り払おうとかパニクっていたため、どう進んだかなんて気にしてなかった。
ちなみに此処は、第三の人たちの詰め所だそうな。
とりあえず、お互いの行動がわかったところで。
「本題に入りましょう。先程の闇落ちの話ですが、段階があるのです。」
フムフム。頷きながら話を聞く。
「まず、元となるものが二つあります。魔力と負の感情です。ある程度の魔力を持つものが大きな負の感情に引き摺られると『闇飼い』という状態になります。そうなると何もしたくなくなったり、疑心暗鬼になったりします。他人から見て普段とはそれほど変わりはないように見えます。この時点であれば周りからの関わりやふとした切っ掛けで事態が好転することもあります。」
負の感情を飼っているから『闇飼い』。結構安直だな。
「『闇飼い』が進行すると『闇纏』になります。魔力が黒い霧状になり、体にまとわりついているように見えることからそう呼ばれます。初期段階は、一見普通の人と見分けがつきません。ちょっと落ち込んでるかなぁ、ぐらいです。このときはそれほど闇はまとわりついていません。そのうち明るく振る舞うようになりますが、裏では全ての事に否定的・消極的・悲観的になり、闇が育ちます。ここまで来ると見える人には霧状のものがまとわりついているのが見えます。」
「じゃあ、私が彼奴にあったときはこの状態だったのかなぁ。」
「話を聞く限り、闇纏の最終段階ですね。これはほぼ全員が黒い霧が見えます。ここまで来ると助かる可能性がほぼゼロになります。」
「ん?そこまで進行してない闇纏だったら、なんとかなるんですか?」
「まぁ、なるような、ならないような感じ、です。」
「どっちなんだ……」
「今までは『ならない』でしたが、聖女がいる今なら『なる』が答えとなります。」
あっ。察し……
そういうスキル的なものがあるのね。
「なので、ここまでなら助かる可能性がありますが次の段階に入ってしまうともう、人間ではありません。『闇落ち』です。」




