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ドナドナされる

「か」


 か?


「かわいーーー!!」


 へ?なにが?


 しかし、突っ込む暇もなく、美人なお姉さんに抱き付かれる。


「かわいーーー!!なにこれ?ちっちゃーい。可愛すぎるー。一緒に暮らせるなんて幸せすぎる~。人形みたい!!」


 むぎゅう。

 ちょ、苦しい……死んじゃう……ちーん。


「そこら辺にしておかないと窒息死というか圧死していまいますよ。」

「え、あら?ごめんなさい。」


 おぇ。げほげほ。


「うちの分隊長がすみません。」

「……いえ、ありがとうございました。」

「ごめんなさい。余りにも可愛くて、つい。」


 可愛いものを見たら、思わず殺してコレクションの危ない人だったのか。しかし、死ぬならもう少し私の希望を聞いてほしい。

 女の人に抱き締められての窒息死は嫌だ。

 確認をせず開けてしまった私が悪いのだが、目の前に知らない美人さんがいて、固まっている間にまさか抱き付かれるとは夢にも思わなかった。


「アレンの班に新しく入った子でしょ?会いたかったの!!想像以上だわ。」


 どんな想像のそれ以上だったんでしょう?


「分隊長、先に自己紹介した方がいいのでは?」

「あ、そうね。私はレティシアよ。レティって呼んでね。まぁ、本音を言えば、お姉さまとか呼んでくれたら鼻血が出るほど喜ぶわ!!で、こっちの可愛くないのが、うちの班の副でエドよ。」

「……エドワードです。よろしくお願いします。」

「……愛奈です。」


 ぺこり。


 レティシアは、テンションの高い人だというのが、これだけのやり取りでよくわかった。エドワードの苦労が目に浮かぶ。


「今日来るって聞いたから来ちゃった♪」


 はぁ、そうですか。で?


「じゃあ早速行きましょう。」


 何処へ?

 てか、この人自由だな。


「分隊長、説明をしましょう。いつも言いますが、突然すぎです。」

「任せるわ。」

「……仕方がありませんね。建物の案内は聞きましたか?」


 首肯。


「食堂が談話室を兼ねているので、そちらに移動しませんか?」


 あぁ、そういうことね。


 首肯。


「じゃあ早速、レッツゴー!!」


 と、テンション高いレティシアが宣言をし、食堂に行こうとしたが、何故か体がフワッとうく。


 何が起こったのかわからず固まる。

 状況を落ち着いて確認すると、どうやらレティシアに小脇に抱えられているらしい。


 何故?意味がわからない。


 わからずにチラリとエドワードを見ると申し訳なさそうな、諦めたような顔で首を振られた。


 あっ、察し。


 仕方がないので、ドナドナされていくことにした。

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