制服が好きだから
「執務室と宿舎、どっち先にいくっすか?」
どちらでも、と言いかけて、黙考する。
確か執務室は、王城内。
宿舎の方は、位置的には敷地内の端っこ。
だったら、執務室の一択じゃね?
「執務室で。」
「了解っす。そっちのが近いし、それがいいっすね!」
何故聞いたんだ、ウォルター。
執務室に案内される。
中には、アレン班全員揃っていた。
「やぁ。久しぶりだね。」なんて言い、ノアが手を広げながらにこやかに迫ってくる。
私が行動を起こす前にアレンに止められている。
「久しぶりでも何でもないだろ?しかも、何でハグしようとしてるんだ。」
なんだ。引きこもり中に考えた魔法でもぶっ放そうと思ったのに……
え?魔法を人に向けちゃダメだって?正当防衛ですよ、ははは。
「……なにかよくないこと考えてない?」
「そんなことないです。」
若干視線が游いだ気がする。バレてないだろう。
ソファーを進められて座る。
「では、今後の事の確認をします。貴女は第二騎士団所属となります。班訳は、とりあえず……うちです。」
なんだ、その微妙な間は?
「団長が自分預りにするってごねまして……」
「あの人、小動物好きだからねぇ。」
妖怪認定の後は動物ですか。
「副分隊長のコメントがずれてるのは何時もの事なので気にしないでください。」
「続きですが、住居は第二宿舎です。業務内容は、書類整理、雑務全般ですが、できるもので構いません。給金も出ます。」
おぉ。流石!!衣食住しっかりしてるし、もちろん、給料分働きますとも。
「ここまでで何か質問は?」
大事な事があります。
「……制服」
「制服っすか?」
こちらでは、制服って言わないのか。
「あーっと……団服?」
「団服?あぁ。別に私服でいいですよ。」
違う。その意味で聞いた訳じゃない。
「もしかして、自分も着たいって意味で言ってます?」
もちろん。
似合うかどうかは別として、服装を考えなくてすむから着たい。
服装自由なら、制服がいい。
「「……」」
一斉に黙ってしまったので、ダメなのかとちょっと落ち込む。
「別にダメと言うわけではないのですが……」
「あっ、サイズがないか。」
「サイズの件は何とでもなるよ。大体のサイズ合せで何とかなるけど、たまに合わずにオーダーしてる人いるから。」
では、何故?
「えーっと。お嬢は、この格好が好きなんすか?」
「好き」
「なんで?」
「なんで?って……似合う人が着てるのを見るの、好きだし、自分的には服装を考えなくてすむから、かな。」
「女の子なんすからお洒落しましょうよ。」
「無理」
「「……」」
またもや、沈黙。
「この件は、一度保留にさせてください。」
そんなに大事なの?
因みに私にとっては大事です。




