事件です。
その日は、図書室で借りた本を返しに行こうと廊下を歩いていた。
今日の担当は、リアム。
無口な彼と無言で黙々と目的地に向かって歩いていく。
もう少しで図書室に着くなぁ、なんて考えながら歩いていると向こうから第一騎士団の人が二人歩いてきた。
あーあ。面倒にならなければいいなぁ。
というのも、最近聖女様派の人がグループを作っているのだ。
(本人曰く、『私の知らない間にできてた非公式なやつ。私が尊い人ってわかる人にはわかるからぁ。』だそうだ。)
ファンクラブ?親衛隊?みたいな感じのものだ。
そして、このグループの人たちは、過激派なのだ。
吾関せず派や遠巻きに悪口派の人より、行動で示す感じだから、前から来るこの人たちがどのグループなのかわからない。
だからといって、ここで逃げ出すわけはない。
先が見えない道だってとりあえず進むのだ。うじうじ考えるのが面倒だから。
結果。どうやら過激派の方々のだった。
まず、すれ違い様ににやにや笑いながら、わざとぶつかってきて、足をひょいっと引っ掛けられる。
しかーし。
私は足を引っかけられなれてるから、顔面から転ぶなんて粗相はしない。
とっとっとっ、っと前のめりになるがセーフだった。
直ぐにリアムが反応するが、別に転んだ訳ではないので視線を送り留める。
こんな状況なのに「おっ。息ピッタリ!」なんて思ってごめんなさい(笑)
二人からすれば、面白くなかったのだろう。
今までにやにやしていたのが、明らかに態度が悪くなる。
運が悪かったのか、私の考えたことにバチが当たったのか、いつもならそれでおしまいな流れだったが今日はまだ突っかかってきた。
「おい、ぶつかっておいて挨拶もないのか。」
「態度が悪いなぁ。性悪な子どもは何処にでもいるとは言えど、これでは聖女様が可哀想でならない。」
流石にまずいと思ったのかリアムがスッと前にでる。
「何だ、お前。この性悪の味方するのか。第二も落ちたものだな。」
「どの方の味方をしようが自由ですが、真偽は確かめるべきだと思います。」
すかさず、リアムが反論する。ちょっと前にウォルターに教えてもらったのだが、第一と第二はあまり仲がよろしくないらしい。
代理戦争とかしたくないんですけどー。
「だいたい、役に立たない癖にいつまでも居座って、問題を起こしておいて、被害者面してるんだ!」
「そうだ、俺たちがその性根を叩き直してやる。」
そして一人が腰に差した剣を抜刀したのだった。




