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side:アレン・バグフリード #2

 辿り着いた庭園の入り口には侍女が二人、右往左往していた。


「何があった!?」


 問い詰めようてしても、なかなか返事がかえってこない。


 ちっ。


「分隊長、先いってください。ここは俺が。」

「わかった。頼む。」


 俺が行くとなると明らかに焦ったようすを見せる侍女達だったが、そんなことに構ってはいられない。


 庭園を進むと直ぐに二人が見えてきた。

 少女の方のワンピースが泥だらけで、明らかに何かあった事がうかがわれる。


 何があったのかは解らないが、ウォルターが情報を持ってくるまでの時間稼ぎを兼ね、これ以上被害がでないように二人の間に入り込む。


 状況を聞こうと質問をすると、聖女様は「勝手に転んだ」と言う。

 では、と振り返り、少女に同じ質問をする。

 始めは自分に質問をされていると気づいていないようだった。

 顔をあげた彼女の目には、自分の事なのに諦めたような暗い目をしていた。

 当事者なのに興味がないような答えを返す。


「特に何も。」


 その瞬間、俺は怒りを覚えた。

 この子の周りにいた大人は、話を真剣に聞いてあげなかったのだろう。

 きっと話をしても何もしてもらえないならと全てをあきらめてしまうほど、何度も何度も同じ対応をしたのだろう。


 思わず、魔力が漏れてしまい、周りの気温が下がる。

 後ろにいる聖女様がビクッとするが目の前の少女は特に反応を見せない。


 同じ質問を繰り返せば、渋々といった感じで返事をする。

「魔法の練習。」


 まさか、それで説明を終了させるわけではあるまいな?

 畳み掛ければ、答えるが何故か疑問系。

 間に聖女が割り込んでくる。だんだんイライラが募ってくる。

 これでは話が進まないと少女に話を振る。


 すると、自棄糞になったのか聖女様と喧嘩を始める。

 あからさまにばかにするような言葉を使っているが、何だか目には悲しそうな色を浮かべているし、握りこんだ拳が震えている。


 しまった。自分で自分を追い詰めている。


 そう思っているとタイミングよく、ウォルター達がやってくる。

 聖女の口止め工作などがばらされると、少女の目からスッと光がなくなる。冷静に状況を確認している。


 立場のない聖女は、捨て台詞を言いながら走り去っていく。


 よく、あれで聖女が名乗れるな。


 ウォルターの心の声が漏れているのが聞こえたが無視しよう。


 場所を変える話になり移動している間の少女は、話に聞いた通り、まるで人形のようだった。

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