身に付いた考え方
「魔法が自分も使えるとわかると、いたずらに使うようになりました。わかっているのは、具体的に言うと頭から水を掛ける、風魔法で足を引っ掛けて転ばせるなどですね。」
新しいおもちゃを手に入れた小学生か!?
他人ながら同郷なのが恥ずかしいやつだな。
「なので、今王宮内では、彼女が問題を起こさないか心配をしていたのです。」
そんな中、たまたまそこに私がいて絡まれた、と。
「園庭にいるのを見つけて、一緒にいた侍女たちにわざわざ口止めして行ったらしいっす。しかも、他の人が来たら足止めするよう命令して。侍女たちも止めたらなにされるか分からないし、怖くて逆らえなかったみたいっす。」
そこで疑問がひとつ。
「なぜ、お二人はあそこに?」
「私たちはまたまた通りかかったのです。あの場所は、じつは、騎士団が詰めている場所とを繋ぐ渡り廊下から見えるのですよ。そこに今要注意人物とされる方が見えたので、なにか起こるのではと駆け付けました。」
「行ってみたら侍女がうろうろしていたので。事情を聞こうにも口を割らなくて困ったっす。」
「で、とりあえず私が先に行って時間を稼ぐことにしたのです。もう少し早く行ければよかったのですが。」
アレンさんが少し申し訳なさそうに、悔しそうにいう。
「とりあえず、大きな怪我とかなくて良かったっす。」
ウォルターがニカッと笑って自分の言葉に首肯いている。
とりあえずお礼を言った方がいいな。
二人がこなければ、やられるだけやられて、いいように吹聴されるのが落ちだっただろう。
別にやられても良かったんだけど、あの人のやっていることを聞いている感じでは、中途半端なんだよ。
やるなら全力で潰しに来てくれないと。
まぁ、何かと言われるだろうし、人は声の大きい方に流れるものだけど、真実を誰も知らないよりはいいか。
そう思って居住まいを正す。
「来てくださって、ありがとうございました。」
ペコリと頭を下げる。
と、いうか改めてお礼を言うのはずかしいな。
ここ、何年もこんな風に心配をしてもらうのなかったな。
身近な大人である先生は、基本まわりなんて見ているようで見ていないし、知っていても知らんぷりがだいたいだった。
恥ずかしくて、嬉しくて、ちょっぴり泣きたくなった。
でも、泣くのも恥ずかしくて、それをなんとか誤魔化さなくてはと思っている自分がいた。
そんなことを考えている自分に呆れて、バカだなぁと思いながら小さく笑ってしまった。




