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引き際が肝心

 浜島さんは、侍女さんたちを睨み付ける。


 それに対して私は、自分でも冷ややかな目をしているのがわかる。

 勿論、気持ちだって冬の寒い日に北風が吹いた時のようにさっと冷める。


「つまり、始めから絡む気満々で口止め工作バッチリだったと言うことですね。」

「この二人、いいえ、三人がグルになって私を貶めようとしているのよ!」

「わ、私たちは、聖女様に脅されたんです。最初は何をするのか分からなかったから守っていましたが、流石にこれは……」


 うわー。完全に裏切られている。


「グルよ!私がそんなことするはずないじゃない!!聖女なのよ!」


 そう叫びながらその場から走り去っていく。

『聖女』ってそんなに偉いのか。その言葉で免罪符を得て、何をやってもいいと勘違いしているようにしか思えない。


 え、あの人私より年上だよね?子供か?!


 浜島さんを見送っていると、侍女さんたちが私に御辞儀をすると慌てて、走り去っていく浜島さんの後ろを追いかけていく。


 侍女さんたち、大変だな。

 嵐が去ったような静けさが下りる。


 そこにチャラ騎士さんの呟きが。

「うわー。ないわー。」


 心の声、漏れてますよ。


 ポケーッと見送っていると同じように見送っていた騎士ズに話し掛けられる。


「一旦着替えたほうが良さそうっすね。」

「そうだな。詳しい話はその後に伺います。」


 なんだろう。真面目に検討されるっぽいけど、この話これでおしまいにはならないの?


「別に話すことはもうないかと。」


 しかし、その言葉は聞き入れられることはなく、二人に促されて(気分的には連行されて)部屋に戻る。


 部屋に戻るとあれよあれよとお風呂にいれられ、新しいワンピースを着せられる。


 その間考えることと言えば、今から説教タイムだろうとか、汚した服を弁償しろとか。

 もし説教だったら何に対してのだろうと思い、考えてみる。

 声を上げなかったことに対してとか、何ともしようとしなかったことに対してかな。

 服の弁償だったら、下働きすれば勘弁してもらえるのかな。


 もし、説教だったら泣きそう。


 そんな心配をしながら、席につく。

 すでに騎士ズが座っている。


 怒られる生徒の気分、再び。

 そして沈黙。


 くっ。ビビりで小心者の私にはこの沈黙が苦痛でしかない。


 私から沈黙を破るのか、向こうが破ってくれるのか。


 異世界に来たのだから、そういった性格的なものとか思いきり(勇気)的なものが補正されたりすればいいのに。


 何時だって通常運転だな。

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