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【後日談】例えばこんな日常も #2

事件後あったかもしれない話。

 お昼ご飯を食べ終え、仕事に戻ろうと廊下を歩いていると目の前に立ちはだかる者があった。


「ちょっとお話、よろしいかしら?」


 その人は、金髪たてロールでフリフリドレスを着た、THE令嬢だった。

 そして、その後ろには二人、フリフリドレスの取り巻きーズが控えていた。


 おぉ、さすが異世界!なんてのんきに考えていたが、彼女らが私に声をかけてくる理由が思いあたらない。

 最初に思うのは、人違いでは?である。


「ちょっと聞いてますの?」

「私?」

「他に誰がいますの!!」


 確かに回りを見渡せば私以外に誰もいない。珍しいこともあったものだ。


「何かご用ですか?」

「ご用もなにも貴女、わかっていらっしゃる?」


 え、用件なしに聞かれてもわかりません。


「ノア様に近づかないでください!!」


 はあ?ちょっとよくわからないよ?

 それは、私に仕事をやめろ、と?


(わたくし)はノア様の婚約者なのよ?人の婚約者に馴れ馴れしくしないでいただきたいわ!!」

「そーよ、そーよ。」


 後ろの二人の投げやり感すごいな。


「そんなこと言われても……上司と部下だし。てか、馴れ馴れしくした記憶が……どこら辺の事を指しているのでしょう?」

「なんておバカさんなの?取っ替え引っ替え殿方と街を歩いているという目撃情報がありましてよ。その中の一人がノア様だったと。」

「なんて破廉恥な。」

「なるほど、端から見ると男を取っ替え引っ替えしてデートしてるように見えるわけか。」


 私からすれば道案内(オリエンテーション)とか仕事だったんだけど。

 あー、でもノアは「デートだ」と言い張ってたな。


「で?私はどうすればいいの?」

「そんなの決まってますわ!」

「そーよ、そーよ。」


 いや、取り巻きーズ、タイミングが早すぎるぞ。

 たてロールがキッと後ろに視線を送り、取り巻きーズがビクッとして黙りこむ。


 しかし、いつのまにかその後ろに控えていた人影にたてロールが気づき、動きが止まる。


「帰ってこないからと見にくれば……どうしたの?」


 似非紳士スマイル全開のノアがたっていた。

 みれば、たてロールも取り巻きーズも頬をピンク色にそめ、ポーッとノアを見ている。


「うわー。(なるほど。イケメンや自分の推しの笑顔効果とはこれのことか。流れ弾に被弾してもそうなるのか。ん?でも女の子大好きなノアがこのタイミングで似非紳士スマイルなのはなんでだ?)」

「え、なにその感想。言外にすごいことを考えてそうなんだけど、どういう意味?」

「世の中の仕組みについて考えてるだけです。」

「絶対違うよね?」

「ちょっと、(わたくし)を無視しないでくださいませ。」


 あー、で、なんだったっけ?


「だから、人様の婚約者に」

「え、アイナちゃん、婚約者のいる知り合いができたの?誰々?」


 んんん?


「誰もなにも……」


 人を指差しちゃいけないんだよ!と怒られそうだが、目の前にいる人物を指差す。

 私をからかう気満々だった目の前の人物は、不思議そうな顔をして後ろを振り返る。

 そして、もしかして……みたいな顔をして自分を指差しているので首肯する。


「えーーー!!!」


 えーーー?


「僕に婚約者がいたの?」


 しらんがな。


「君、僕の婚約者だったの?」


 いや、本人に聞くなよ。可哀想だぞ。

 でもなんだか取り巻きーズも可哀想なものを見るかのようにたてロールを見ている。

 なんだか雲行きが怪しいぞ。


「わ、わ、(わたくし)は、ノア様の婚約者ですわ。だってほら、よく目が合うし、それにそれに困っていた時に助けていただきましたわ。」

「婚約の定義とは?」

「あ、あと、一緒にお出掛けをしたことがありましてよ。お茶会だって!!」



「「妄想のなかで、でしょ。」」


 ぽそり、と取り巻きーズが爆弾発言をする。


「え、妄想の恋人?」


 またの名をストーカー?ドン引きである。

 同じようにノアも笑顔のまま固まっている。




 そのあと彼女がどうなったのか、私はしらない。

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