表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
106/110

泣きたいときに綺麗に笑える人になりたい

 つまり、全部が全部丸く収まったということですかね?

 まぁ、それなら良かったよかった。


 ところで、何故お二人が?


「みんな仕事に行ってるわ。交代で様子を見に来るって決めたの。」


 いやいや、貴女お昼寝していたではありませんか。

 サボりですね。


「心配してたのよ。」


 まったく説得力がない。


「兎に角、無事に目を覚まして良かったわ。」

「ええ、そうですね。何か食べますか?」

「飲み物が欲しいです。」


 頼むとルーカスが直ぐに水を持ってきてくれる。

 コップを受けとり、水を飲んでいると、扉をノックされる。


「はーい。」


 レティシアが能天気に返事をする。

 あれ?ここ、私の部屋じゃなかったっけ?


「おう……おう!!!起きたのか!!!!」


 入ってきたのは、オリバーだった。


「ども。」

「暢気だな。こっちはどれだけ心配したと思ってるんだ。」

「ご心配をお掛けしました。」

「まぁ、無事だったなら良かった。話は聞いたか?」

「生存報告なら一通り。」

「生存報告って……他に言い方なかったのか?まぁいい。で、これからどうする?」


 え、まさかやっぱり厄介者だから出てけって?

 疫病神だからね……仕方がないか。うん、うん。


「ちょっと…言い方気を付けてくださいよ。それだと勘違いしてますよ。」

「なに言ったんだ、ルーカス。俺はただ、こんな事件に巻き込まれてばっかりだから、嫌になっただろう、って。」

「今の言い方だったら、絶対出てけって言われたと思っていると思いますよ。」


 違うの?

 首を傾げていると、


「ほら、勘違いしていますよ!!出ていかないでくださいよ。絶対だめですからね。このおっさんの言うことを真に受けないでくださいね。」

「そうよ、もしそうなったら私、アレンに殺されちゃうわ!!それに、ソラがご飯を作ってくれなくなっちゃうわ!!!」


 そりゃぁ、知らない間に部下がやめてたら怒るわな。

 レティシアにとって、ソラのご飯は大事らしい。


「誰がなにをするって?」


 声の方をみれば、アレンを始め、ノア、ウォルター、リアムがいた。


「お嬢ー!!本当に良かったっすぅ!!」

「良かったよー。本当に、良かったー。」


 ウォルターとノアが走りよってくる。

 ベッドから動けないので、逃げられない。


 ウォルター、黙れ。ノア、暑苦しい。


「団長、後でちょっと顔を貸してください。」

「いゃ、ちょっ。ちょっとした言葉のスレ違いだぞ?」

「盛大に勘違いしてますよ、きっと。今までの経験上。」

「……悪い。」

「誰も出ていってほしいなんて思っていませんからね。」

「むしろ、出ていかないでくださいっす!」


 ほんとにほんと?


「「「「もちろん。」」」」


 この人たちは、本当にお人好しだな。

 そして、私のほしい言葉をくれる。


 わーわーと騒がしくなった部屋を見渡し、みんな元気だなとあきれる。


 そしてその姿を見て、私はそこには入っていけないけれど、端から見ている分には許されるだろう。


 私は見ているだけで充分なんだ。

 だって、脇役だもの。


 ウォルターが余分なことを言って、リアムに突っ込まれる。

 ここ最近、見慣れたやり取りに「あぁ、本当に生きているんだなぁ」と改めて思う。


 そこに思い当たった瞬間、泣きたくなった。

 それがどうしてなのかはよくわからないけど、とにかく泣きたくなった。


 私、情緒不安定すぎではないか。


 でも、泣くのが恥ずかしくて、それならいっそこのやり取りをみんなと同じように笑っていよう。


 最近、ポーカーフェイスが崩れてきた気がする。

 それなら次の目標は、泣きたいときに綺麗に笑える人になろう。


 そんなことを考えながらみんなに笑いかけると、みんながえっ?とこちらを見返す。


 はいはい、私が思っている以上に笑えてないんでしょ。

 知ってるってば。





「「「(何故そこで全力で笑うんだ??)」」」


 そう、反応が薄いのが常だったし、安堵で泣き出す人はいれど、笑う人はなかなかいないのだ。

 一同「やはり、感情がおかしくないっているのでは?」と思っているのを本人はしらない。

 そして見たこともない、全力の笑顔に「もっと笑えばいいのに。」と思うのだった。

でも、笑わせようと思っても、イマイチツボがわからないため、これから先も長そうだと思う一同であった。

次は、【閑話】になります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ