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「はいっ!……かしこまりました!ありがとうございますっ!」


元気な声が部屋中にこだまする。何やら電話を片手に、女の子がにこにことした表情で会話をしている。


「…はい、それではよろしくお願いいたします!失礼します。」ガチャ

「ふぅ…よかった~」


彼女は天界の名門校である“高天原(たかあまはら)天岩戸(あまいわど)学校”に通う女学生の“大日光(おおびひかる)”。

成績優秀、容姿端麗、才色兼備の“大日”とはこの人である。


「…自分で言うのはどうなの?」

「あれっ!?声に出てた?」

「はぁ…ばっちりね…」


私は自分の顔が熱くなるのを感じながらも、即座に言い訳を探し出す。


「い、今のは私じゃなくて…そうっ!瑞穂ちゃんが言ったんだよ!」

「ん?なんだ光?楽しそうじゃん!」

「瑞穂ちゃん、そうだよね?」

「ん~、なんかわからないが、たぶんそうだっ!」

「ほらっ!これで暦ちゃんもわかったでしょ!」

「…今のやり取りから、私は何を分かればいいのよ…?」


などと巧みに話題を逸らすことに成功した私は、目の前の2人に視線を向ける。

彼女らは私の従妹で同じ学校に通う同級生でもある。


物静かな方は“夜月暦(やづきこよみ)”。典型的文学少女な見た目とは裏腹に、的確な時に的確なつっこみを入れてくれる、私のナイスパートナー。


元気な方は“稲櫛瑞穂(いなぐしみずほ)”。見た目も中身も明るく元気なのだが、いかんせん思慮に乏しいというか、なんというか。平たく言うと脳筋である。


「…で、今の電話は何だったの?やけににこにこしてたけど」

「よくぞ聞いてくれました、我が相棒」


私は相棒なんかじゃない、というつっこみをスルーしつつ話を続ける。


「実は私、就職先が決まりました!」

「おお~、よかったな!で、どこなんだ?」

「天国地区のお役所ですっ!しかも人間管理部の転生課だって!」


私は声高々に宣言をする。

現代において転生に関わる仕事は、神々にとってキャリアとなっている。

…というのも、転生の仕事は倍率が高く、優秀な神しか従事できないのだ。

いくら私の通う学校が名門とはいえ、推薦などという生易しいものはない。

この結果は私が優秀な神として認められた証でもあった。


「じゃあ、私たちは同期ってことになるのね…」

「これでまた3人で仲良くやれるな!」

「そうだね!今からもう待ちきれないよ~」

「つくづくあなた達とは腐れ縁ね」


などと話しているうちに日が落ちてきた。


「そろそろ帰ろっか」

「夜メシ一緒に食おうぜ~」

「私ダイエット中だから、カロリー控えめのにしてね」

「何言ってんだ、暦。運動すればいいだろ。何なら私が指導してやろうか?」

「稲櫛の指導なんて、私がついていけるわけないでしょ…」

「じゃあ、私がやってる“おっぱい運動”を一緒にやろうよ!」

「それだけは死んでも嫌!」

「私たちは死ぬことなんてないぞ、神だし」

「ものの例に決まってるじゃない、察してよ!」


あははは、と3人で笑いながら並んで帰る。

夕暮れのこの一時は、何よりの楽しみだ。


しかし、学生時代も残るところ半年のみ…。

(私ちゃんとした社会“神”になれるかな~?

…なんてナーバスになっても仕方がない。だって私たちの物語はまだまだこれからだもん!)


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