表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無課金無双  作者: 原雷火
36/36

エピローグ

 夕飯は攻略祝いということもあって、普段の冒険者酒場ではなく、奮発してレストランに向かった。


 ごちそうが並び、普段はテンションが低めなデモダッテが、珍しく大はしゃぎだ。


 シエンも楽しそうに、ミルクのおかわりをしまくった。


 エリーとユーマも、今日までの苦労をねぎらいつつ……いつの間にか、話題は神のことになって、女子三名による悪口大会が始まってしまった。




 お疲れ様会がお開きになったのは、深夜十二時を回ったあたりだ。


 ミルクの飲み過ぎで意識を失ったシエンを、エリーが担いでいる。


 途中で睡魔に連れ去られて、帰ってこなかったデモダッテは、ユーマの背中で寝息を立てていた。


 宿舎へと続く帰り道。


 エリーが小さくため息を吐く。


「おっきな子供が二人、いるみたいね」


 ユーマが笑った。


「そうだな」


「二人ともだらしないわね。まったく」


「二人がいてくれたから、俺たちは冒険に出ることができたんだし……俺、エリーと出会えて本当によかった。改めて、ありがとう」


「お礼なんて別にいいわよ。こっちこそ、パーティー組んでくれてありがとね。本当は不安だったの。冒険者免許を取得しても、エルフのわたしを仲間にしてくれる人がいるかな……って」


「エリーは良い奴だから、そんな心配しなくてもいいって」


 まっすぐな眼差しで優しく微笑むユーマに、エリーの頬が赤らんだ。


「あ、あのね……勇者にだけは知っててほしいことがあるの。実は……わたし……」


 思い詰めていたエリーが、決心をして言いかけた……その時。


 二人の視界が真っ白に染まった。




「リア充爆発しろ! 勇者ユーマ、そして剣士エリーよ。あとついでに寝てる二人もだが、緊急事態だから強制的にこっちから呼ばせてもらったぞ」


 白い空間に神の姿が浮かんだ。エリーが吠える。


「ちょっとなによデリカシー無いわね! 今、すっごく良い雰囲気だったのに!」


 神がにやりと笑う。


「知るか。そんなことより……時間限定の突発迷宮が姿を現した。さっそく攻略に向かうのだ!」


 エリーの目が点になった。


「はぁ? 疲れてるんだけど。今、打ち上げが終わったところなんですけど!? 常識までないわけこの貧乏神!」


 神は肩をすくめさせた。


「そう言うな。今回の突発迷宮は猫系モンスターで埋め尽くされている。しかもこいつらは、もふり放題だし、倒さなくてもOKだ。


 クリアすると無料で神珠が一つ手に入るんだ。これがどんだけチャンスかってことは、お前らもよくわかっただろ!」


 瞬間、怒っていたエリーの顔が、ゆるゆるの笑顔になった。


「猫ちゃんもふり放題……い、行きましょうユーマ!」


 ユーマが背中側を確認した。


「二人とも寝てるぜ?」


 エリーが鼻を鳴らす。


「ど、どうせ狸寝入りでしょ?」


 エルフの少女の言葉に、シエンがあくびを交えて返事をした。


「あら、ばれてたの」


 エリーの顔が真っ青になる。


「ほ、本当に起きてたの。じゃあ、さっきのわたしとユーマのことも……はうう」


 ユーマの背中側で、デモダッテが呟く。


「……ボクは寝てるよ。むにゃむにゃ」


 四人が起きているのを確認すると、神は遙か遠くを指さした。


「さあ行け勇者たちよ! 無料で神珠を手に入れるのだ!」


 ユーマが笑顔で頷く。


「おう! 行こうみんな!」




 ユーマたちは今日も旅立つ。無料の神珠を求めて、無課金の限界に挑むように。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ