チュートリアル6
女神「どう? 怠惰の王は倒せそう?」
神「さあな」
女神「ハイエナ作戦で神珠を集めて、パーティーを強化したんでしょ?」
神「ハイエナ言うな!」
女神「失敗したら二度と使えない手よ? だいたいのゲームでアカウント作っちゃったみたいだし……」
神「あいつらなら、きっとうまくやってくれるさ」
女神「セリーヌ、また出してあげよっか?」
神「それはやめてくれまじで。お願いします」
女神「あのね、セリーヌがユーマに会いたがってるの。あの子、自分より高コストなのに弱いユーマが許せないみたい」
神「知るかよそんなの」
女神「才能あるのに生かし切れてない……だって。そうだわ。ユーマをうちに移籍させない?
こっちは全員☆5の聖騎士、退魔師、賢者、怪盗のセカンドチームを移籍させてあげるわよ。ユーマはレアな勇者だし、一対四のトレードでも公平だと思うの」
神「お断りだ!」
女神「た、足りないっていうの? セカンドチームっていいっても、装備までしっかり整ってるわよ?」
神「そういうことじゃなくてだな……エリーたちが許さないだろ」
女神「なら、そっちの子たち全部、引き取ってあげてもいいわ! それならユーマも寂しがらないでしょ。引き取った子たちも、きちんと覚醒させて強くしてあげるし」
神「それがあいつらにとっては……幸せなのか。俺のことを貧乏神っていうくらいだもんな。お前みたいな廃神のところにいけば……いや、だめだ」
女神「悪いトレードじゃないと思うんだけど」
神「あいつらには俺が必要だし、俺にも……あいつらが必要なんだよ。いくら強くたって、代わりにはならん」
女神「そう……変わってないんだね」
神「変わってないって、なにがだ?」
女神「ううん。なんでもない。気にしないで」
神「変な奴だな。つうか、お前、ゲーム初心者なのか? 本当に俺と同時期に始めたのか?」
女神「そうだけど……変かしら?」
神「課金のことは抜きにしても、育成に隙がないしゲームシステムへの理解度なんか、俺よりも高いからな。ゲームには文法や法則があるだろ?
それがわかってる感じだ。つまり、お前からはゲーマーの匂いがするんだよ」
女神「なによその文法って? あと、香水なんて使ってないわよ」
神「匂いってのはたたずまいのことだよ。たとえば、新しいゲームを買ってきて、オープニング画面からメニュー画面に入ったら、次にどうする?」
女神「えっと、まずは……画面のキャリブレーションをしてから、コントローラーのオプションで操作系を確認して、使いやすいようにカスタマイズするわ。
次に字幕をオンにしておくわね。聞き逃すことも多いから。それと難易度をハードに変更して……ハッ!?」
神「やっぱりゲーマーじゃねぇか! 初心者の振りしてたんだな?」
女神「そ、そうでもないと、一緒にプレイしてくれないと思って……ごめんなさい」
神「べ、別に謝らなくていいって。しかし、そこまでゲーマーってことは……わかった!」
女神「え、な、なにが……わかったのかしら?」
神「さてはお前、ゲーム好きな兄貴がいるんだろ!」
女神「い、いないわよ一人っ子よ。子供の頃に両親が突然海外に移住するって言い出して、向こうに馴染めなくて、一人だけこっちに戻ってきて絶賛一人暮らし中よ!」
神「そんな奴、実在するんだな。ゲームのキャラみたいだ」
女神「う、うるさいわね」
神「うーん。兄貴がいないんなら、なんでそんなにゲームが……あ! 父親がゲーム好きなんだな?」
女神「ハズレよ。子供の頃に……ゲームのことを色々教えてくれる、師匠みたいな人がいたの」
神「へぇ~~。今はどうしてるんだ?」
女神「し、知らないわよ! あんな奴! ちょっと急用を思いだしたから、先に帰るわね」
神「おっかねぇな。いきなり怒り出して……いったい、どうしたんだ? 俺がトレード受けなかったのが、気に入らなかったのか?」




