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発端

小説であれば、物語の中であれば、表現出来るかもしれないと思い、書きました。伝わればこの上ない喜びです。第一部だけでも読んでいただければ幸いです。

『殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す』

放課後の教室、落ちていた大学ノートに赤いペンで乱雑に書かれたその文字は、僕の背筋を一瞬で凍らせた。


風に揺れるカーテン、定位置を少しずれた机達、夕日に照らされ朱く輝く教室は、放課後の告白なんかにもってこいの雰囲気を放っていた。

そんな中僕の手にあるのは、誰かに向けられた殺意剥き出しの大学ノート。教室には僕一人。恐ろしいことこの上ない。

こんな日に限って教室に忘れ物をしてしまい、一旦家に帰ったはいいものの、またこの教室に舞い戻ってくることになりこんな恐ろしいノートを拾うはめになった僕の運の悪さは、きっと遺伝子レベルで刷り込まれたものなのだろう。


今朝、ゴミ出しから帰ってきた母さんの服には家を出る時にはなかった小さな穴が幾つか空いていて、「その穴どうしたの?」と聞くと「カラスにつつかれた」と笑いながら応えた。

ありえるか?少年漫画じゃないんだ。カラスに襲われて、「あっちいけよー!くそ!こいつぅ!」なんて珍場面見たことない。僕は所々ほつれた母の服をみて、髪の毛がボサボサの、動物に好かれない漫画の主人公を思い浮かべた。ただ、その時僕がそんな母を笑えなかったのは、やはり少年漫画とは違い、母の着ている服に少しだけ、ほんの少しだけ血が滲んでいたからだと思う。漫画なら、カラス数匹に襲われている描写などほんのひとコマ分で、襲われた主人公も髪が乱れる程度で済むのだが、現実は違う。かと言ってそこで、リアルにカラスにやられた主人公を描かれても、そこに面白みなど全く感じない。漫画は漫画だけの表現があるから面白いのだ。つまり、漫画の世界なら笑える話でも、現実に起こってしまうと、少し可哀想な話にすり替わってしまうというのは、仕方の無い事なのだ。


今の僕の状態もきっとそれだ。これが漫画の中の話であれば、このノートの落とし主が一風変わった美少女で、その美少女と僕の素敵な愛の物語が展開していく。なんてことになるかもしれないし、そうでなくても、このノートには特殊な力が宿されていて、殺したいと願えば願うほど力は高まり。多くのひとをこの手を汚さずに殺めることができる。というのも全然アリだ。

しかし生憎これは現実だ。高校二年の僕、吉永悟ヨシナガサトルが夕暮れ時の教室で、赤いペンで『殺す』と大量に書かれたノートを拾い、呆然と立ち尽くしている。というなんともシュールな現実だ。


僕は一刻も早くこの場を立ち去りたいはずだった。

しかし人間というのは不思議なもので、こういうとき案外、恐怖心よりも好奇心の方が勝ったりしてしまうものなのである。

そもそも、よくよく考えてみると現状にそれほど怖い要素などあまりないのだ。落ちている大学ノートに二文字の単語が乱雑かつ大量に書かれているだけだ。その書かれている単語におおよその恐怖が詰め込まれているのではあるが、『殺す』という文字自体はよく目にするものではあるし、それはどんな時であっても、人の手によって書かれたものだということも、知っている。

つまり今感じられる恐怖心は僕の許容範囲内にすっぽりと収まってくれているのだ。

僕は旺盛な好奇心を抑えられず、掌に乗っている大学ノートのページを捲った。

するとそこには、また赤いペンで大量に『殺す』と書かれていた。こうなってくると少しずつではあるが、恐怖心が好奇心と良い勝負をし始める。僕は立て続けにもう一ページ捲った。

予想通り。そこには、前のページと同じように真っ赤な字で大量に『殺す』と書かれていた。

流石にここまでくれば数の恐怖が僕に降り掛かってくる。最初は色味、書き方、単語の三つの理由からの恐怖だったが、それに尋常ではない“数"が加わると、それだけで爆発的な怖さを発揮する。もっとも、一ページ目から既にものすごい量ではあったのだが、それはさっきも言ったように、僕の許容範囲内だった。しかし流石に見開き3ページ、大学ノート6ページに渡ってびっしりと書かれていると、常軌を逸した怖さがある。

僕はそこで手を止め、静かにそのノートを閉じ、元あった場所に戻した。


木目調の床にぽつんと置かれたそのノートは、僕には恐怖の対象でしかなかった。僕は後ずさるようにして教室のドアに近付いていく。別に振り返ってさっさと走っていけばいいじゃないかと、大半の人が思うだろうが実際目の前に、ゆったりとしたノンフィクションの恐怖が存在していれば、目を離せなくなるものなのである。僕は一歩一歩軋む床の音を聞きながら、その大学ノートから離れていった。

やっとドアの前まで来たという時、『ガラガラ』と音を立てて勢い良く、僕の背後にあるドアが開いた。

瞬間、僕の耳を劈くような甲高い声が教室中に響き渡る。

「ああーーーーなんであんなとこにあるの!?」

僕はじんじんとした鼓膜の痛みに耐えながら、その大声の聞こえる僕の背後へと視線を向けるため、ゆっくりと振り向いた。

するとそこには、『見覚えのある』程度の知った顔の女の子が立っていた。きっと僕とは違うクラスの女の子なのだろう。もしかしたら学年も違うかもしれない。僕がこの子に見覚えがあるのは、廊下ですれ違ったりしたからに違いないが、この学校には全校で千人程の生徒が通っている。いくら僕がこの学校に1年以上ほぼ毎日通っていると言ったって、会話もしたことのないひとをいちいち記憶しているだけのギガ数を僕の脳は持っていない。いや、正確に言えば持ってはいるがその容量を使うことは出来ない。とういのが正しい表現だろう。

人間の脳というのは数百年分の記憶をしたところで、全く満たされることは無いと言われているのだ。容量オーバーということはまずありえない。しかし人には自分の脳のポテンシャルを、十分に発揮できるだけの器量がない。

例えそこに百人分のカレーを作れるほど大量の材料があっても、一人前しか作れない炊き出しのおばちゃんと、僕達人間の脳は似たようなものなのだ。

つまり廊下ですれ違う数百人の生徒達をいちいち記憶するというのは、人間本来の力を、持ってすれば可能なのだが、今現在の僕には到底不可能なのだ。

だから僕がこの女の子を覚えているというのは、僕がこの女の子に対してなんらかの興味があるからに違いない。それが恋愛という感情から来る関心なのか、ただ単になにかしらの魅力を感じているだけなのかは分からないが、実際この女の子と対面して、綺麗なひとだなと、関心が湧いた。

しかし彼女の方の関心は僕ではなく、僕が見つけたあの大学ノートのほうに向いていた。「誰かに見られてたら終わりだわ」などとブツブツと独り言を言いながらその大学ノートを拾い上げ自分のバッグに入れている。

よほど急いでいたのだろう。彼女の足元を見ると、上履きやスリッパの類は履いておらず、靴下のままだった。時折見える靴下の裏の部分には少しだけ埃が着いていた。端正な顔立ちで、制服を綺麗に着こなしている彼女にとってそれは、彼女が今身につけいるもので唯一美しくない部分だったのかもしれない。しかし、それさえも美しいと思わせてしまう魅力が彼女にはあった。それは圧倒的な外見の魅力であって、決して内面の魅力ではない。彼女の内面は全く知らないが、恐らくろくなものではないだろう。清楚で、美しい黒髪を揺らしている外見とは裏腹、卑猥な言葉を躊躇いもなく使い、他人を誹謗中傷し、笑っているような人なのだろう。

バッグにつけられた大量のストラップとキラキラと光る鋭く長い爪が、僕をそう思わせてしまっている所以だった。


彼女はノートをバッグにしまうと、僕を脅すような顔で睨みつけてきた。僕は困惑したが敢えてその場から動かず、彼女から目を逸らす事もしなかった。

すると彼女は僕に向かってそのままの表情で近づいてきた。そして、僕の目の前で静止すると急に笑顔になり、「何も見てないよね?」と言葉を投げかけてきた。きっと彼女は最初に僕を睨みつけた時に、僕がその表情に圧倒され、目を逸らすなり、その場を去るなりするとおもっていたのだろう。しかし、意外にも僕が微動だにせず視線もそのままだったため、違うタイプの圧をかけようと試みた結果が、笑顔で「何も見てないよね」なのだろう。

ここで引き下がってしまっては、最初の敢えてとった行動の意味がなくなってしまう。僕はまた敢えて彼女の予想していないであろう返答を切り返した。

「いや、みたけど。わりとしっかり6ページ。」

彼女は唖然としている。

きっと、「いや…みてないみてない!なにもみてないよ!」と焦った僕の返答を予想していたのだろう。まさに返す言葉も見つからないという風だ。

その様を見ているとなんだか少しだけ笑えてきてしまった。『殺す』と大量に殴り書きされていた大学ノートの持主が、この美しい女の子であったことに驚くよりも、こんな美しい女の子でも鳩が豆鉄砲を食らったような顔をすることに驚いた。もっとも、鳩が豆鉄砲を食らった顔など見たことはないのだが。


いつの間にか、僕はあの殺意の塊とも言えるノートに恐怖を感じていたことを忘れていた。いや忘れたのではなく、この目の前にいる女の子が恐怖をかき消してくれたのだ。今あのノートは彼女のバッグの中にしまわれている。ストラップがジャラジャラついたバッグにだ。そんなバッグに入れられてしまえば、もう流石にあのノートですら、恐怖の片鱗を見せることすら不可能だろう。


マヨネーズは何にかけても、マヨネーズ味になってしまう。マヨネーズという濃すぎる個性が他の様々な個性を打ち砕いてしまうのだ。

彼女の持っているバッグはまさにそれだ。どんなに恐ろしいものでも、あのストラップのジャラジャラついたバッグに入れられてしまえば、「えーなにそれ可愛いー」と言わざるを得ないのである。デブがマヨネーズを好きなように、女子高生は『可愛い』が好きなのだ。デブがマヨネーズを持ち歩くように、女子高生は『可愛い』を持ち歩くのだ。

そう、つまりはデブのマヨネーズと、女子高生の『可愛い』は同義なのだ。

我ながらこの理論は傑作だ。


ふと我に帰った時には僕は、大量のストラップがついたバッグを小脇に携えている女の子の前で、お腹を抱えて声を殺すように笑っていた。

「何笑ってんの?」

「ふふふ、だってお前マヨネーズ…ふふマヨネーズ持ってるん…はははは」

だめだ、僕はいつもこうだ。この状況で面白いのは絶対に僕だけだし、仮に僕が先の理論を彼女に話したところで、彼女は当事者であるが故にきっと笑えないだろう。故に、僕と彼女の2人しか存在しないこの空間で、僕以外の笑い声が聞こえることは決して無い。

「このノートの中身そんなに面白かったの?」

そう言うと彼女は、大量ストラップ付きバッグから…いやバッグ付き大量ストラップなのか?もし女子高生の言う『可愛い』が、ストラップの付いているバッグを指すのではなく、ストラップそのものを指しているとするなら、『可愛い』の本質はストラップであってバッグではない。そうなると彼女達からすれば、もはやバッグがストラップなのかもしれない。

『可愛い』の本質がバッグであるか、ストラップであるかによって呼び方が変わってくるが、ここは社会的な常識を引用して“大量ストラップ付きバッグ”と言っておこう。

彼女は、大量ストラップ付きバッグからあの大学ノートを取り出した。

そしてそのノートをパラパラと捲りながら、彼女はすぐまた僕に質問をする。

「別に面白い事なんて書いてなかったでしょ?」

「ある意味面白かったよ。興味深い。」

「興味深い?殺すとだけ書いてあるこんなノートが?」

「ああ、僕は今まで人から殺意というものを感じた事が無かったんだけれど、そのノートからは感じられた。僕に向けられたものではないであろう殺意を、視覚を通して感じることが出来た。新鮮だったんだよ。」

僕の口から出た言葉は本心だった。殺意を感じるなんて体験なかなか出来るものではない。目で見ることによって感じることが出来きる、ノートに殴り書きすることによって抑えられた紛れもない殺意。平々凡々と生きてきた僕には刺激的だった。

「不思議な人ね、あんたここの教室の組なの?」

「そうだよ。二年三組の吉永悟です。よろしくどーぞ。」

「私は二年四組、飯倉真菜イイクラマナ。よろしくどーぞ。」

安易な考えだが、僕のやる気のない、「よろしくどーぞ」という言葉を真似て、すぐに使うあたりが悪い人じゃないかもしれないなとおもわせた。

もしかしたら彼女は僕にそう思わせるために作為的にそうしたのかもしれないが、そこについては、あまり深く考えないようにした。


気が付くと教室はもう、夕日に照らされた朱い輝きを失っていた。

黒板の横に掛けられたデジタル時計には、PM7:40と記されていた。僕は彼女に「暗いし送ろうか?」と優しく尋ねると彼女は「家遠いからいいよ」と微笑みながら言った。家が遠いなら、尚更送らなければいけないとは思うのだが、彼女が、気を遣われたりしたくはないし、なにより、そもそも僕を信用できないと言っていたため、その通りだなと思い、その問いかけは一度しかしなかった。

そして彼女は僕に、小さく手を振り「またね」とだけ言って小走りで去っていった。一人取り残された僕は、あのノートの真意を聞きそびれた事で、なにか煮え切らない思いを抱えていた。きっと僕があの“大量ストラップ付きバッグ”に気を取られていなければ、すっきりとした気持ちで帰路につけていたのかもしれない。しかし、彼女からすればあのノートは他人には知られたくないものだろうから、あれくらいの対応が丁度良かったのかもしれない。もしあのノートをバッグに入れている彼女を見た時に、「それは君の?どうしてそんなにいっぱい殺すって書いてるの?」なんて質問をしてしまっていたら、彼女の名前を知ることはなかっただろうし、彼女がもし仮に、シリアルキラー的な脳みそを持ち合わせているサイコな人間だったなら、僕は肉片に姿を変えていたかもしれない。もっとも、そんなことは可能性としてはほとんど無いようなものではあるが、このご時世、10代で人を殺す者などさして珍しくないというのも事実だ。


先日、何気なく視線を向けたテレビニュースのテロップに、『高校生が同級生五人を刃物でメッタ刺し』とあり、興味を引かれ5分ほどそのニュースを見ていた。内容は、そのメッタ刺しにされた高校生というのはいじめっ子らしく、いじめられっ子が学校の休み時間に、自宅から持ってきた包丁で報復をした。というようなものだった。そのニュースを見て僕が驚いたのは、刺された高校生のうち主犯格だった子は死んでしまったが、それ以外の子達はほぼ無傷だったということだ。

普通、いじめらている者ならいじめている者全員を憎み、殺すなら全員を殺したいと思うはずだ。しかしそのいじめを受けていた高校生は、主犯が誰かを知っていて、敢えてその子だけを殺した。こんなことを言うと不謹慎であるかもしれないが、そのニュースを見た時僕は、そのいじめられっ子にとてつもなく会いたくなった。会って話がしたかった。なぜ主犯の者を知っていたのか、どうして1人だけを狙って殺したのか。色々な事を聞きたかった。

僕が常々知りたいと思っているのは、人を殺したいと思う者の思考と、実行しようと思った決定的な理由、そしてその結果だ。

僕は誰かを殺したいと思った事など一度もないし、誰かに殺したいと思われたことも一度もない。仮に殺されたいと思われていたとしても、それに僕が気づいてない時点でそれほどの殺気ではないということだから、それは殺したいと思われた回数には入れないでおく。

だから不思議なのだ。人を殺したいと思う者の気持ちが。もっとも、それは僕が平穏な日々を生きているという証でもあるのだが。

もしかすると彼女の持っているあのノートにも僕の知りたい事が詰まっていたのかもしれない。そう考えるとまた、なぜあの時マヨネーズと『可愛い』が同義であるなどと、訳の分からない理論で笑っていたのだろうと後悔してしまう。

明日もし廊下で彼女にすれ違ったなら、思い切って聞いてみようかなどと考えていると、突然真横から声が聞こえた。

「吉永じゃないか、もうすぐ八時になるぞ?こんなとこで何してる?」

全く気付かなかったが僕のすぐ横に、クラスの主任の先生が立っていた。この先生はわりと大柄な体格のくせに、足音が極めて小さいという謎の体質を持っている先生で、クラスの皆は浮遊霊と呼んでいる。いつもいつも気付かぬうちに現れ、そして消える、霊のような先生だと、クラスメイトの田中がつけたアダ名だ。

「すいません、忘れ物しまして。すぐに帰ります。」

僕がそう言うと、浮遊霊は「暗いから気をつけて帰るんだぞ」と言って、ふわふわと職員室の方へと消えていった。


学校を出て人通りの少ない路地を少し歩き、堤防沿いに十分ほど行くと僕の住んでいる家がある。僕はいつも堤防の手前にあるコンビニに寄って缶珈琲を買い、それをゆっくり飲みながら帰る。珈琲が無くなる頃には丁度家に着いている、というのが僕の下校スタイルだ。今日も僕はいつものように、缶珈琲を飲みながら堤防沿いを歩いて帰ろうと思っていた。

しかし、今日はいつものようにはいかない日らしい。

コンビニが見えるあたりまで来ると、コンビニの前に飯倉がいるのが分かった。僕は驚き、戸惑った。

どうしていいか分からなかったが、僕の頭にはそのまま歩を進める以外の行動が浮かばなかった。僕はドクドクと波打つ心臓を右手で抑え、コンビニへと近づいていく。

先に言っておくが僕は、『数十分前に会話をした可愛い女の子がそこにいるから』という理由で戸惑っている訳ではない。僕の鼓動が速くなっている理由は、

飯倉が数人の女の子に囲まれ、地面に力なく座った飯倉がその数人の女の子に足で小突かれている、というところにある。

僕はその時、飯倉のあのノートを思い出した。赤い字で乱雑に、何ページにもわたって書かれた『殺す』の二文字。きっとあの飯倉を囲む女の子達に向けられた殺意なのだろう。そしてもう一つ、先日のニュースが僕の頭を過る。

ノートに大量に吐く事で抑えられていた殺意。もしあのとてつもない、常軌を逸した殺意が、あの女の子達に直接危害を加えてしまったら、きっとあのニュースと同じ、あるいはそれ以上の被害が及んでしまう。そうなる前に阻止しなければ。殺人の動機は知りたいが、殺人の現場を目撃するのはゴメンだ。

僕は、飯倉と飯倉を囲む女の子達に向かって叫んだ。

「おーい、ちょっとそこのおねぇさんがたー。」

読んで頂いてありがとうございます。

回りくどく、面倒臭い部分は多々あったとは思いますが、そこに面白みを感じていただければありがたいです。

第二部もぜひ読んでください。


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