表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吟遊詩人はアイドルではありません!(仮)  作者: ナガイヒデキ
1章「クレイジークレイジーは止まらない!」
31/50

守護者2

 吹っ飛んだキラを見る。


 よし、ポリゴン化してない。ただピクリとも動いてないのを見るに致命傷だったようだ。

 すかさず、あかねのヒール3が飛んでいく。


「アイタタ。あの大盾、ちょいと厄介だな」


 攻撃といっても3種類ある。通常攻撃、攻撃スキル、そして攻撃アビリティだ。まず、説明するのは攻撃スキルからのほうが良いだろうか。攻撃スキルで代表なところは――薙ぎ払い、兜割りなどだ。

 ちなみにこの二つは大剣のスキルだ。なぜなら、私は大剣スキル以外に興味がないので覚えてない!

 スキルはモーションのある攻撃と覚えておくといいだろう。

 通常攻撃は俗に言うチャンバラ攻撃とも揶揄されているものだ。攻撃スキルほど威力はないが、応用次第ではDPSに差がでるらしい。キラで言うところの――斬り払いスキルからの蹴りバック宙あたりか。まぁ、あれは宙返りしている分、DPSは下がっているだろう。たとえ、スリングショットをしてたとしても、それ自体の攻撃力がククリより低いのだから。そして、

 モーションのない攻撃。それがアビリティと称されるものだ。

 アビリティの最大の特徴は。他モーション途中からでも攻撃を繰り出せることだ。盾を使用したバッシュもこのアビリティに分類される。つまり、防御しつつ攻撃が撃てる訳だ。

 たしか美和が前衛職アビ特化のツリー考察に慄いていたな。もし完成すれば、瞬間DPSは魔法職をも凌駕するとか。

 高火力は魔法職の特権だ、と美和が声を荒らげていたのを覚えている。


 キラはぴょんと垂直に飛び起き上がると、再び守護者の攻撃の荒波の中へ潜り込んでいく。

 敵のタゲは洋平に向いてる。だから、といっても容易ではないだろうが――キラはコアを攻撃避けながら見事に攻撃していく。それはさっきのリプレイをみているように正確だった。


 そして、――コアに縦の亀裂が入る。


 ヴォオオン。


 横に大範囲に払われる盾。


 今度はキラは綺麗に避ける。だが、


「さすがに範囲が広すぎる、攻撃までは行えない」と舌打ちした。



「だったら、次は避けるな。攻撃に集中していいんだぜ」洋平はオレにまかせろ言わんばかりだ。


 夜郎自大やろうじだいじゃないだろうな……。


 キラは洋平の顔を見て、爽やかにサムズアップ。

 こうして、洋平・キラの即席コンビ誕生。


 うん、イヤな予感しかしないよね……。



 これから軽く運動でもするかのようにジャンプするキラ。

 再度、キラの攻撃が始まった。

 コアの亀裂が起こるより前に洋平が事を起こす。


「オラっ!」と洋平の盾による薙ぎ払い。


 バッシュ!


 そうか、攻撃をされる前に無効化すればいい。洋平の頭では、裂け始める前にスタン効果でキラによる攻撃で破壊が理想だったのだろう。スタン効果は3秒。キラなら間に合う。

 だが丁度、コアに罅が生じた。


「チッ、ひと呼吸遅かったか――だが」


 いや、このタイミングなら十分だ。バッシュは効く。

 なかなか、ようへいにしては頭が冴えているじゃ――


 と守護者は何事もなかったように洋平より大きい盾の薙ぎ払いが返ってきた。

 キラは余裕で避ける。


 スタン耐性?

 うん。まあ、利のあるスキルは高レベルやミッションには効かないのがオチだよね……。

 なんとなく分かってた。


 うぉ、マジかよと呟くとハタと気づいたのか、「おい、キラ。オレは攻撃に徹していいって言ったような。なぜ避けれてるんだ?」


 なんて理不尽な言い分……。


 キラは両手を広げて、軽やかに戯けてみせた。


 オマエーと唸る洋平。


 ハイ、即席コンビ解散……。早いよ。


 こうなることは分かっていたけどね!



 だが――これでハッキリした。守護者はヘイトに関係なく攻撃優先ではなく守ろうとする。そして、それはコア破壊前には攻撃アビリティが必ず来る!


 キラがこちらへ近づいて、「姉御――」


 え? そりゃ、できるけと思うけど。でも、私には分からない。

 どこで仕掛ければいいのか……。


 私の迷いを他所にキラが動く。

 定位置についたのか――そして何かを待つのように今度は静止。


 飛び跳ねた。

 さっきと同じ仕草、同じ構え。

 そして切り込んでいく。

 守護者の斬り払いを滑るように鼻先を掠め、一気に懐へ入った。


 いや、まて。リプレイみたいな正確な動画と比喩したけど、これは――


 ホントに一挙一動再現してないか?


 どうしてここまで再生してるのか……。


 この歌っている曲のリズムから?


 そうだ!


 たしかに今の歌詞の時に、キラは大きなアクションをしていた記憶がある。この歌自体の拍子から攻撃を奏でている感じだ。

 だとすれば、あとはタイミング……。

 タイミングはなにかをアンカにしないと、


 一体何に?


 洋平のバッシュか!

 あれを基準に4秒前――一一小節前だから、


 ここ!


 曲調を変える。

 《脱兎のフリアント》から――


 ジャスト4秒後――守護者の大盾バッシュが炸裂。


 大盾が直撃するキラ。


 タイミング間違えた? と焦るが吹っ飛ぶ様のキラを見て――直感した。


 そうか! だからこの歌だったんだ! 

 私ができる最適解は、


 私は大剣に持ち替え、守護者に、


 ジャンプ斬り――兜割りだ!


 守護者は大盾を上段に構えて私の大剣を容易く防いだ。


「おいおい、なんでコア狙わないだ?!」


 尤もな意見だ。だけど、


「仮に攻撃してても防御されるのがオチよ」と美和の補足が入る。


 そう、バッシュはアビリティ。モーションをつけなければ次の攻撃はあの大盾で防御される。

 次の、ね。



()()()()()()()()()()、先輩。その攻撃スキル



「スリングショット!」


 大盾で素飛ばされながらもキラがショットを放つ。


「キャンセル攻撃?! それわたしの十八番――」

「いや、てかその前にスリングショットは効かなかったじゃないか?」


 あら、ようへい。私は何の得物を持っていると思うの?

 そう、このショットにはゴテゴテのSTRが付随しているのよ!


 ――ブレインマッスルは発動している。そして、


 上段に盾が上がっているため、胸元のコアはガラ空きだ。



「行けぇぇええ!」



 弾がコアに吸い込まれるように直撃する。


 ガキッ!


 亀裂の入った外殻をあふれる生命が中から飛び出んばかりにコアをぶち破った。



 ――クリティカルが発生しました。


 よぉおっし!

 私はグッと拳に力を込めた。

 美和とソウが合流する。ギミック(コア)破壊でスケルトンも土に還ったようだ。

 美和が「あれ、あれ」と私を急き立てる。


 うーん、あれか。恥ずかしいんだけどな……。


 私は大剣を掲げた。


「これよりガーディアンテッドの討伐を開始する!」


 おおーと全員・・の士気が上がる。



「あ、あの。あかねさん、できればヒール3を……」

 少し雪に埋もれたキラが寒空を見上げて言った。


 あっ。







「調査報告感謝する」


「なるほど――」マリアーヌは書類に目通して、「つまり、内部には何もなかったと云うことでいいのかな?」


 そう――私たちは守護者を倒し遺跡へ侵入したが、怪しいものは何もなかった。


 いや、あった(・・)と言うべきか。


 遺跡深部には祭壇があり、なにかを祀られている形跡があった(・・)のだ。


 遺跡に近づいていた人物が盗んだのか、あるいは最初からなかったのか。

 まあ、情報量が少ないし、あとは《上》に任せた方がいいだろう。


 ようやく私たちは――八忠将第8団隊に入隊できたのだ。





お読み頂きありがとうございます。感想などあれば是非お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ