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吟遊詩人はアイドルではありません!(仮)  作者: ナガイヒデキ
1章「クレイジークレイジーは止まらない!」
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クリティカル

 ――男は対峙している。


 向かうは、化け物(モンスター)だ。

 距離は二十m離れているが、化け物は気づいていない。体躯は腐敗しており、眼の機能は果たしてないようだ。腐った顔は、醜悪そのものだ。大きさは五m弱もあり、囚人服を着ている。両足首には鉄球が鎖でつながれており、アンデットの動きは鈍い。徐々に、距離は詰まる。足が止まると、鼻をヒクつかせた。

 存在に気付いたのだ。そして、大気を震わすほどの咆哮をあげる。みぞおちよりやや上にある、不釣り合いなクリスタルが輝く。


 ――それでも

男は、平然としている。


 男は布地の服にズボンというラフな格好。装備はククリ刀二本に、腰にはスリングショットを着用。唯一、防御的なのは革製の篭手のみ。

 男はゆっくりと息を吐いた。そして、

一直線に向かって走り出す。

 アンデットは男が攻撃範囲に入ると大振りの一撃を放つ。なんなく躱すと、胸の中心に一刀する。金属同士がぶつかり共鳴した。結晶クリスタルに当てたのだ。男は手の感触を確かめるように、ククリ刀を見詰める。グっと強く握りしめると顔上げた。囚人の二撃も、男はさわりと躱し、同時に攻撃もしていた。


 ――キィイイイン


 三、四、五撃も男は回避しながら、攻撃に転じている。そのたびに、金属音が鳴り響く。囚人にぬめりつくかのような切り込み。

それは正確だった。九撃目には結晶に罅が入り、

 十撃目には――

砕けた。

 それを期に、アナウンスが流れる。


 ――クリティカルが発生しました。

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