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鬼人幻燈抄  作者: モトオ
江戸編

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『幸福の庭』・3




「あらあら、■■■ったらあんなにはしゃいで」


 花の満ちた庭で毬をつく。

 水仙の芳香に酔いしれた。

 冬の冷たささえ暖かく感じている。 


「お父さん、見て見て!」

「ああ、ちゃんと見ている」

「あの娘、毬つきが上手になったでしょう?」


 父は母と共に縁側で私を眺めていた。

 細められた瞳には優しさがあって、それが嬉しくて私はずっと毬をついている。

 そんな私がおかしいのか母はくすくす笑っていた。

 穏やかな午後は少しだけ時間の流れが早い。

 夢中になって遊べば夕暮れはすぐにやってくる。

 ほら、遠くから橙色が近付いてきて、落日はもう目の前だ。


「あれ?」


 でもおかしいな。

 空にはまだお日様が出ている。なのになんで橙色の空が見えるんだろう。

 そして私は自分の間違いを知る。

 まだ夕暮れの時間じゃない。

 あの橙は夕日ではなく炎だ。

 遠くで黒く高く煙を上げる炎。

 鳴らされる鐘。

 騒がしく行き交う声。


「千代田城が……」


 父の言葉に江戸の中心たる城を見やれば天守閣が炎に包まれ焼け落ちた。

 熱気の満ちた空気は直ぐそこまで近づいていて。それが未曾有の大火事だということにようやく気付いた。


 早く逃げなくては。


 そう思った時には、季節の風に煽られて炎が屋敷を襲っていた。

 見る見る広がっていく火の手はまるで生き物だ。木が爆ぜる音を響かせて、私の家が燃え盛る。

 

 怖い。


 私は思わず父の下に走り出した。

 怖い。だからすぐにでも父に触れていたかった。

 母に慰めてほしかった。

 走って、走って。あともう少しで辿り着ける。

 そう思って、手を伸ばした瞬間、



 炎が大口を開けて猛り、父母を飲み込んだ。



「………え?」

 

 一瞬、何が起こったか分からなかった。

 遠く、近く。

 悲鳴が聞こえる。橙色に滲むその景色は夕暮れのようで。

 灰を燻す空気に呼吸が苦しい。


 此処に、落日の時は来た。

 

 おかあさん。

 おとうさん。


 さっきまであったはずの穏やかな時間は過ぎ去った。

 父の厳しくも暖かかく見守る視線。

 母の優しげな笑顔。

 そんなものもう何処にもなくて。


 代わりに、目の前には。




 炎に包まれ、それでも私に手を伸ばす亡者が。



 


「あ────────────」


 父と母が。

 直ぐ傍で笑っていたのに。

 人が人でなくなった。

 あまりの恐怖に叫んでも、上がったのは声にならぬ声。

 逃げなきゃ、逃げなきゃ。

 思うのに足が震えて動くことも出来ない。

 視線の先では屋敷の柱が燃え尽きた。当然、支えを失くした屋敷は。

 崩れた屋敷が雪崩のように襲い掛かる。

 悲鳴すら掻き消す轟音を聞きながら、私は。



 其処で終わり。

 こうして、幸福の庭は終わりを告げた。



 ───見られぬ父母の顔、黄泉路を辿り逝く。




 ◆




 あくる日、甚夜は三浦家へ向かうことになった。

 とはいえ直次との約束の刻限は夕方。今は正午に差し掛かったところで、まだ時間に余裕がある。

 特にすることもなく、昼食もとっていなかった為、自然と足は喜兵衛へ向いていた。


「あ、甚夜」

「……奈津」


 すると先に奈津が来ており、のんびりと茶を飲んでいる。

 呼び捨てはまだ少し慣れない。たどたどしい言い方に奈津は苦笑し、手招きされるままに同じ卓へついた。


「かけ蕎麦を」

「はい」


 いつも通りの遣り取り、しかし厨房の店主はいつも通りとはいかぬ、えらく神妙な顔つきだった。


「……旦那、いつの間にお奈津ちゃんを名で呼ぶようになったんで?」

「ああ、幾日か前に、少しな」


 曖昧に誤魔化せば、今度はおふうの方に向き直り深刻な雰囲気で言葉を絞り出す。


「おふう……お前も、もうちょっと頑張らんと」

「お父さん、何を言ってるんですか……」


 どうやら甚夜を婿に、という話は店主の中では継続しているらしい。

 そこまで買ってもらえるのは有難いが、理由はやはり分からなかった。


「でも、随分と仲良くなったんですね」

「別に、そういう訳じゃないけど」


 女二人で和やかに話す。それは構わないが、目の前でやられるとどうにも居心地が悪い。話の内容が自分のことであれば尚更だ。

 少し聞きたいこともあり、割り込むような形でおふうに声を掛ける。


「おふう」

「はい?」

「三浦殿とは親しいのか?」

「三浦様、ですか? 親しいと言うほどではありませんが、時折来てくれますから話すくらいは。どうしたんです?」


 きょとんとした様子でおふうが聞き返した。

 別に大した意味はない。世間話代わりに直次のひととなりを問うてみただけだ。

 そう付け加えれば、少し迷ったように視線をさ迷わせ、間を置いてからおふうは答えた。


「そうですね……。私にも丁寧な言葉遣いで話してくださいますし。生真面目で優しいお方ですよ」

「それって、この前のお武家様?」

「はい。そう言えばお奈津さんも一度お会いしましたね」

「会ったというか、なんというか。でも確かに、お武家様なのに腰の低い人だったわ」


 真面目で丁寧。武家らしからぬ立ち振る舞いの人物。

 二人とも大体同じ印象を持っているらしい。

 甚夜が受けた印象もそう変わらない。物腰は丁寧だが堅物な武士、というのがぴったりと来るだろう。


「ま、刀が目の前にあると別ですがね」


 補足するように店主は言う。

 ついと視線を向ければ、いかにも面白そうに笑っていた。

 

「いえね、直次様は大層な好事家で、刀剣に関しては目の色を変えるんですよ」


 それは確かに、と甚夜は内心納得する。

 兄の捜索を依頼しに来ておいて、夜来には興味津々といった様子。真面目そうな印象とは裏腹に、趣味のこととなれば案外押しが強かった。


「あの人の刀好きは相当でしてね。そうだ、旦那。ちょいと待っててください」


 そう言って店の奥に引っ込み、がさごそと何かを漁ったかと思えば、布に巻かれた何かを持ち出してくる。

 見てくださいよ、これ。

 布を取り去れば、中から出てきたのは金属で出来た棒状の小物。しっかりと手入れされた、傍目にも大切にされていると分かる品だ。


「へえ、こうがい?」


 初めに声を上げたのは奈津だった。

 笄は髪を掻き揚げて髷を形作る時に使う結髪用具の一つである。

 頭が痒い時に髪型を崩さずに掻くなど、女性の身だしなみに欠かせない装身具。根付や櫛などの小物を扱う須賀屋の娘にとっては見慣れたものなのだろう。


 この笄は、男性の場合は日本刀と共に持ち歩く場合が多い。

 目貫(めぬき)小柄(こづか)と合わせて三所物みところものと呼び、刀装具として武士の間で流行した。

 といっても江戸時代には刀剣装具について厳しい格式があり、小柄や笄をつける身分の武士は上級の者に限られていた。

 加えて大名家や旗本の正式の拵には、必ず金工の名門として知られる後藤家で製作された金具を用いるのが普通である。


「まあ、三浦家は三所物を付けられるような高い身分じゃありませんが、どうにも堪えられなくなってつい買ってしまったそうで。んで俺にはこの笄をくれたんです。人に贈るもんまで刀関係なんですよ、あのお人は」


 目の前にあるものは金属製ではあるが後藤家の作ではない。

 随分と古く表面はくすんでおり、大した装飾もされていない簡素なものだ。浮彫は藤を象っている。


「作り自体は繊細だし、藤の浮彫にも品がある。造った人は結構な腕ね」と感心したように奈津はうんうんと頷いている。

「そうですかい? ったく、御自分は刀が好きだからいいかもしれませんが、蕎麦屋の店主にこんなもんどうしろってんでしょうね」


 笄を褒められたからなのか、苦笑しながらも嬉しそうな表情を隠せていない。

 そうして店主は何かを思いついたように目を見開き、何処か優しげな表情で言った。


「そうだ、旦那。これ貰ってくれませんか」


 いきなりの提案に面を食らう。奈津も呆気にとられていた。

 折角の贈り物を他人に譲ろうなど、あまりに失礼だろう。

 なにより店主の表情を見れば、笄を大切にしているのが分かる。

 にも拘らず実に穏やかな様相でそれを手放そうとするのだから、正直なところ困惑していた。


「それは三浦殿からの贈り物だろう。受け取れん」

「いいんですよ、刀装具なんて俺が持ってても意味ありませんし」

「しかし」

「どっちにしろ、これは俺にはもう必要ないんです。だから、どうか貰ってやってください。頼んます」


 深く頭を下げられる。

 店主が何を考えているのかは分からない。

 しかし微動だにせず懇願するその姿は、きっと何を言っても無駄なのだろうと思わされた。


「……これは、預かっておこう」


 あくまでも持ち主は店主だと言外に匂わせる。

 それでも十分満足したのか、店主は快活な笑みを見せた。


「いや、ありがとうございやす。助かりますよ」

「済みません。父が無理を言って」


 申し訳なさそうにおふうも頭を下げる。

 貰うつもりは全くなかった。納得はいかないが、いつまでも問答をしていても仕方がないので受け取ったにすぎず、感謝などされる謂れはない。


「預かるだけだ」

「はい。それでも、ありがとうございます」


 おふうが重ねて口にする感謝の言葉は純粋で、だから店主を問い詰めることも出来なかった。

 結局彼が何をしたかったのか分からないままで話題は途切れ、甚夜は蕎麦を食べ始めた。

 味自体はいつもと変わらない筈なのに、あまり旨いとは思えなかった。



 ◆



 直次が仕事を終え江戸城から戻ってきた頃には既に日が傾いていた。

 兄を探す目的があっても、仕事では決して手を抜かない辺りは彼の生真面目さである。

 帰路はかなりの早足だ。それもその筈、今日は人を待たせている。

 同じ祐筆の武士からは「女と逢瀬か?」などとからかわれもしたが、残念ながら待ち人は女ではなく男、それも細身ながらに筋骨隆々とした偉丈夫。艶っぽい要素など欠片もなかった。

 つらつらとくだらないことを考えながら城門を潜り外堀にかかった橋を渡れば、相変わらずの仏頂面で甚夜が待っていた。


「では案内を頼む」


 挨拶もなく短く言ってその後は押し黙る。

 どうにも彼は昨日から何か引っかかることがあるらしく、表情は変わらないがその雰囲気は妙に硬かった。

 そのせいか直次もまた何処か緊張した面持ちで家路を辿る。四半刻も経たぬうちに見えてきたのは敷地こそ広いが古めかしい三浦家の屋敷だった。


「着きました。どうぞ」


 先に門を潜り甚夜にも促せば軽く一礼し後に続いた。立ち止まり左右に首を振って外観を確認する

 正面にある母屋、右手には普段は誰もいない離れが、左側に生い茂る椿の木を通り過ぎれば、この屋敷唯一の自慢ともいえる広い庭に行き当たる。造りとしては珍しくもない普通の武家屋敷だった。

 それ以上見るものもなかったらしく、二人は母屋へと入った。玄関を潜った瞬間、女の声が響く。


「在衛。……おや、お客人ですか?」


 直次の母である。

 説教でもしようと思って待ち構えていたのか、強い語気だ。しかし甚夜の姿を認め声は幾分か緩やかになった。

 だが彼の容貌を見て訝しげな視線を向ける。察した直次が弁解をしようとするも、それよりも早く甚夜自身が口を開いた。


「失礼。突然の来訪ご容赦ください。甚夜と申します」


 大雑把な髪形をした、礼節など持ち合わせているようには見えない浪人然とした大男の第一声は。意外にも丁寧な挨拶だった。

 礼をもって接するならば礼をもって返さねばならぬ。直次の母もまた丁寧にお辞儀をした。


「これはご丁寧に。在衛、甚夜様はどのようなお方で?」


 それでもまだ胡散臭そうな目で見ている。

 甚夜は態度を崩さぬままやはり直次よりも先に答えた。


「葛野より参りました」

「葛野というと、刀鍛冶の?」

「はい。鉄師の集落です」

「母上、甚夜殿は最近知り合った同好の士で、今日は一晩呑み明かそうと呼びました」


 間髪を入れず直次が補足する。勿論嘘であるが。

 ああ、と母は納得した。直次は生真面目で折り目の付いた性格をしているが刀剣の類には目のない好事家、そして葛野といえば刀鍛冶で有名な産鉄の集落だ。

 大方趣味の合う友人ができて嬉しくなり家に呼んだのだろう。

 腰に携えた太刀は実に立派なもの。武士でもないのに帯刀しているのは、あれは彼自身が打ったもので、商売道具だからなのかもしれない。


「それでは部屋に籠りますので心配はなさらず」


 無論、勘違いだ。

 葛野の育ちではあるが甚夜は鍛冶師ではなく、現在は職を持たぬ浪人である。

 突かれてぼろが出ないよう直次はそそくさと玄関から立ち去る。甚夜も一礼して廊下を歩いて行った。あまりにも唐突な流れに母はぽつりと呟いた。


「仕方ありませんね、あの子も」


 呆れながらも口元は緩んでいる。

 最近の直次は兄を探すが見つけられず、その度に思い悩んでは暗い顔ばかりしていた。

 しかし今日見た息子の表情は生気に満ちていた。母としては嬉しいことだ。

 何処の誰とも分からぬが、それだけでも信頼に足るというものである。母は幾分晴れやかな気持ちで二人の背を見送った。




 案内された直次の自室。

 腰を下ろして顔を突き合わせれば、直次は微妙な表情をしていた。


「どうした」

「あ、いえ。なんといいますか、随分と堂に入った喋り方だったもので」


 先程の遣り取りのことを言っているのだろう。

 見るからに武骨な浪人である甚夜が、丁寧な言葉遣いで挨拶をしていたことが彼には驚きだったらしい。


「昔取った杵柄だ」


 もっとも甚夜からすれば当然の対応だった。

 葛野にいた頃はそれなりの重要な役を承っていた。言葉遣いくらいは心得ている。


「昔、ですか」

「気にするな。雑談をしに来た訳でもないだろう」

「確かに。……しかし甚夜殿、何故屋敷を見たいと思われたのですか?」


 直次は今更ながらに問うた。

 畳敷きの小さな部屋は彼らしく綺麗に整っており、行燈の放つ光が橙色に染め上げている。


「その前にもう一度聞かせてほしい。定長殿の部屋で花を見つけたのはいなくなった後で間違いないな?」

「は、はい」

「そうか。あと一つ、定長殿は消える前、娘に逢いに行くと言ったのだろう?」

「その通りです。ですが一体」


 そんな質問に何の意味があるのか。

 言おうとして、しかし遮るように言葉が被せられる。


「私はその娘こそが鬼ではないかと思っている。そして定長殿は現世とは隔離された何処かに連れ去られた。水仙の花は」

「その鬼の住処に咲いていた、ということですか?」


 重々しく甚夜は頷く。

 彼の発言に直次は同意することができなかった。

 居なくなったからとはいえ現世とは隔離された何処かに連れ去られた、というのは流石に飛躍し過ぎている。

 その上、理由が花だけでは納得できる訳がない。


「しかし花など何処にでも咲いているものでしょう」

「そうだな。だから定長殿の部屋を見せて欲しい。或いは、まだ手がかりが残されているやもしれん」


 目は真剣そのものである。

 彼も決して冗談を言っているのではない。それが感じられたから、しばらくの沈黙の後、口を開いた。

 分かりました。では、ご案内します。

 直次は表情を引き締め立ち上がる。何故か甚夜は座ったままだった。


「済まないが、先に行ってくれないか?」

「は? いえ、ですが」

「なに、すぐに後を追う。三浦殿は部屋で待っていてくれ」

「それでは場所が分からないでしょう」

「構わん」


 兄の部屋を見せてほしいと言った本人がこれである。

 訳が分からない。彼は一体何がしたいのか。

 理解は出来ない。だが不思議と甚夜を疑う気にはなれなかった。

 自分には兄がいる。

 どれだけ言葉を尽くしても、誰もそれを信じない。父母でさえ兄などいないと断じ、己の言葉に耳を傾けてはくれなかった。

 けれど彼だけが自分のことを、兄の存在を信じてくれた。

 ならば己も疑いはしない。

 彼を信じることで報いよう。

 どうするかはもう決まっていた。


「それは、怪異を紐解くのに必要なことですか」

「ああ、おそらくは」


 その毅然とした態度は適当なことを言っているようには思えない。

 おそらく、自分には分からなくとも意味はあるのだろう。


「分かりました。では先に行きます」


 そうして部屋を出て、しっかりとした足取りで廊下を歩いていく。

 表情には微塵の不安もなかった。






 それを眺めながら、聞こえるか聞こえないかという小さな声で甚夜は呟く。


「私の姿があると何も起こらないかもしれんからな」



 

 ◆




 兄、定長の部屋へ先に入る。

 調度品はしばらく使っていないが、定期的に掃除されているようで埃は積もっていない。

 兄はよく外を出歩いていて、此処には寝に帰るだけの生活をしていた。彼の人となりを示すようなものは少ない。

 件の花もいつの間にか無くなっていた。枯れたので母が片付けたのだろう。


「そう言えば」


 ちゃんと兄の部屋が残っている。なのに何故父母は兄などいないと言ったのか。今更だがそのおかしさに気付く。これは一体……。

 と、そこまで考えて直次は鼻をひくひくと動かした。

 何か、いい香りがする。


「この香り……」


 微かに漂う、馥郁たる香り。いつかこの部屋で嗅いだことのあるものだ。

 そう、これはあの白い花の香り。確かあの男が言っていた花の名は。


「水仙……?」


 それに思い当たった時、一際匂いが濃密になり、あまりの香気にくらりと頭が揺れた。


「あ、れ……」


 立ち眩みだろうか。

 目の前が滲む。

 頭の中が撹拌される。

 この感覚はなんだ?


 分かる訳はなく、為す術もなく。

 直次はその場に崩れ片膝をついた。




 ──────ひとつ ひがんをながむれば




 遠く。

 数え唄を聞いたような気がした。




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