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プレッシュ  作者: 子竜
4/8

第3話 あのお人形さんのような可愛さ、持って帰ってはいけない? byアル

アル、自重しろ

先生はいい人です(キリッ)ということで第3話です

時間は一気に飛ぶ(それほど飛んではいないか?)


次の日、あの風を纏った亀(以後風亀)を頭に乗せ担当の教室1―Eに向かう。


昨日アルとリアが学食(食事は此処でと決まっている)で夕飯を食べ、少し会話を交わしお開きとなった。


「えっと、どこだっけ?」


「(昨日行ったばかりだろう何故忘れる)」


「あまりの痛さに」


実際覚える気などさらさらなかったくせにカイトさんのせいにしてしまうアル。


「(む、そうか。あ、そこは右だぞ)」


カイトさんは悪くないのにね。


「はいはい、右ね。お!見覚えがあるぞ。確かこの道の突き当たりを左っと!有った!」


アルがドアに手をかけた。


「へ?」


その瞬間、ドアが吹っ飛んできた。


『あ、吹っ飛んだ』


教室にいた生徒全員の言葉だ。


「だ、大丈夫ですか!?お兄ちゃん!!」


しばらく呆けていたのだがリアがすぐに立ち直りドアに向かった。


そこには無傷のアルとドアを浮かせている風亀がいた。


「えっと、なに。どうなってたの?」


「お兄ちゃん大丈夫ですか」


リアがアルの手を取って立ち上がらせる。


「ありがとうリアちゃん。それはともかくどうしていきなりドアが・・・」


飛んできたのかと言おうとしたが言わなかった、というか言えなかった。


風亀がドアを食べていたから。それはもうむしゃむしゃと。楽しそうに。


その体の何処に入るんだというほどに。


「(あぁ、いい忘れていた。こいつは『創力(クリエイト)』で作られた物が大好物だ。そう言えば朝から何も食べていなかったな。よし、リンゴだ。食べていいぞ)」


アルの手にリンゴが握られていた。


「♪~」


飛びついた風亀。


一口だった。


風亀を肩に乗せた後、アルとリアは教室に入る。


「お兄ちゃん、ドアは後で直しておきます」


「・・・うん、お願いするよ」




この教室にいるのは全部で12人。


生徒は10人、それにアルと知らない女性。


ずいぶんとあたふたしている。


「えっと、アル・キリヤ先生ですよね」


「え、あ!はい。そうです。今日からこのクラスの先生をするアル・キリヤです。貴方は?」


「私ですか、私はですねえっとですねそのですね」


「落ち着いてください」


「は、はい!このクラスの副担のリリ・チャルディです。よろしくお願いしますアル先生」


「はい。よろしくお願いしますリリ先生」


「(彼女は10工程は終えているな。まぁ、ここからが大変だが12まではすぐに行けるな)」


アルはすでにこの場の人間がどの程度のものかを測り終わっていた。


仕事速い、というか早すぎ!


「えっと、ちょっとしたハプニングはあったけど自己紹介します。今日からこのクラスの担任になりました、アル・キリヤです。よろしく」


簡単に自己紹介を済ませるアル。しかし生徒から反応が返ってこない。


リアは拍手をしているが。


それはもう太陽のように明るい笑顔で。


少しの間沈黙。


(もの凄く気まずいよ、カイトさん)


「(まぁ、無理もないだろう。『創力(クリエイト)』を使える男なのだから。それに俺の予想が正しければ、君の立場は500年前の大悪人 災厄のカイトと同じ『創力(クリエイト)』を使える男だからな。警戒されておかしくはない。中には男に『創力(クリエイト)』を学ぶなんて有り得ないとか見当違いなことを考えている者もいるかもしれないがな)」




「男に『創力(クリエイト)』を学ぶなんて有り得ない、です。この学園は何を考えているの!です。説明を求める、です。」


しばらくして1人の生徒が立ちあがりそう言って指をさしてきた。


(後者だったね、カイトさん)


「(そのようだ。良かったじゃないか、君の力を見せてやればすぐに納得するだろう)」


(うん、そうだね。・・・・・・あれ?『創力(クリエイト)』はカイトさんだけの力でしょ。カイトさんがするんだよね)


「(そうだったのか!?)」


(なんで驚くの!?こっちの方が驚いたよ。しっかりしてよカイトさん)


カイトとアルが話している間、リリがしゃべる。


「い!?エリーヌ・イルクタードさん、失礼ですよ!あ、謝りなさい!」


「謝らない、です。私達みんなそう思っている、です」


エリーヌは他の9人に同意を求めるが誰一人賛同しない。


それどころか8人は驚いているようだ。


1人はかなりの殺気を送っているが。


「あ、あれれ???です」


困惑するエリーヌ。殺気には気が付いていない。


殺気を送り続けるリア。何もしゃべらない所がまた恐ろしい。隣の人が涙目でガクガクふるえている。


8人はエリーヌと違い、先ほどの前者の理由で警戒しているのだ。


大悪党の噂にこんなものがある。『喋ったら魂を粉々にされる』と、だからこそ誰もしゃべらない。いや、しゃべれない。


驚いているのはエリーヌがしゃべっているからだ。


「わ、私は認めない、です。絶対だ、です」


そう言って座ってしまった。


(お人形さんみたいだったね。リアちゃんとはまた違った可愛さ。良く見ると他にもそれぞれ可愛い子が多いイネ、イイネ)


「(君はこんなときでもぶれないな。8年間一緒に過ごしてきたが未だに君のそれには慣れないな。なれたくもないが)」


(カイトさんキビシー!)


「(はぁー)」


苦労人カイトさん、頑張れカイトさん!!


またしばらく沈黙が続く。


なんと室温が3度下がっていた。


「えっとですね。それじゃあですね。そ、そうだ!皆さん自己紹介しましょう!」


その一言で何とかこれ以上の沈黙は避けることが出来た。


リリ先生マジ感謝。感謝感謝。





「一番、リア・キリヤです。好きなものはお兄ちゃん、大好きなのはお兄ちゃん、大大大好きなのはお兄ちゃんです。この学園の生徒会長をしています」


1人1人自己紹介をしている。


(そう言えばこの順番ってどうやって決まってるの?)


これからの授業について考えていたカイトさんは突然話しかけてきたアルに文句一つ言わずに。


「(ん?あぁそのことか。『創力(クリエイト)』の強さ)」


丁寧に分かりやすくをメインに説明してくれる。


(強さ?)


「(分からないか。・・・そうだな例えば、レベルといえば分かりやすいか。『創力(クリエイト)』には全15工程がある)」


(あぁ!カイトさんが言ってる7工程終了しているなとか言ってるあれね)


「(そうだ。最高でレベル15最小がレベル1と考えるんだ。レベルが高い順に紹介している)」


(なるほど)


解説乙


「10番、エリーヌ・イルクタード。貴方の事は認めない、です。貴方に挑戦状、です」


「あぁそう。それじゃあ次は質問タイム。なんでも聴いてね」


「スルーされた、です。とても酷い教師を観た、です」


スルーされエリーヌはアルをにらんでいる。


「質問ッス。キリアさんとはどういった関係ッスか」


自己紹介を終えて少し警戒を緩めた生徒達。


しゃべるようにはなったらしい。


「兄妹ですよ、ミストラルさん。あの人が私のお兄ちゃんです」


ミストラル・シールディア、リアの次に自己紹介した女の子。


リアの次に『創力(クリエイト)』の強い女の子。


そのあと、とくにそれといった質問が無く生徒たちの話題がアルの強さになっていた。


ここの女の子は戦闘が好きらしい。


「貴方に挑戦状、です。今度こそ受けてもらう、です。スルーは禁止、です」


(どうしよう、あのお人形さんのような可愛さ、持って帰ってはいけない?)


「(ダメに決まっているだろう。少し落ち着け)」


(というかここの生徒達みんな可愛いよ。やば!鼻血でそう)


「(君に任せておくと襲いかねん。替わるぞ)」


アル先生、エリーヌの話聞いてあげて!!!


アルは前科を全く教訓にしていないようだ。


「エリーヌ。話しは聞こう。それで・・・どうするんだ」


「やっと反応した、です。私と戦う、です。表へ出ろ、です」


驚いたようにエリーヌを見る生徒達。あのリアでさえ殺気を止めて驚いている。


エリーヌは殺気に気が付いていなかったのだが。


「・・・・・・いいだろう」


「断っても連れて行く、です・・・え?」


『え!?』


「いいと言ったのだが。・・・何かまずかったか」


「いやいやえっとあのですね。この学園では私闘は禁止されているんです」


「使闘ならいいだろう」


「???それならいいのかな??」


しっかりしてリリ先生!!!明らかにおかしいから!!


というわけでエリーヌVSカイトの戦いが体育館で行われることになりました。





次回、カイトさんは飛ぶぜ、創るぜ、立ち上がるぜ。


死闘 私闘 使闘

リリ先生明らかに違うよ!!!



ドアが吹っ飛んできた・・・この教室のドアは男が触ると吹っ飛びます。カイトさんまさか風亀はそのために!?


創力(クリエイト)』・・・詳しくは後々。


それはもう太陽のように明るい笑顔で・・・お兄ちゃんがそこにいるだけで幸せなのです。


大悪党の噂・・・あくまでも噂。どこまで正しいかわからない。



風亀は意志を持った生物です。

命まで作れるのか第15工程!?


それでは今回はこの辺で、また逢う日まで



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