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加速する世界と一人の少女

こんにちわ!ついに9章です。2部完結までもうじきですね!

悪魔契約者もどんどん加速しますよ!!

ラミレシアの運命はいかに!

では!

本編スタート!

〜〜〜〜バルタシア城の回廊〜〜〜〜


レネリスとグニスは部屋をでて、城の出入り口に足を運んでいた。

「あれはちょっとやりすぎじゃないか?」

グニスは心配な顔をしてレネリスを見たが、レネリスにあっさり切り返された。。

「そんな事よりも、なんか外が騒がしいな」

「ああ、そういえばそうだな」

そんな会話をしていると、スフォンは緊迫した表情で走ってきた。

「レネリス様何処にいたんですか。外で騒ぎが起きています。

被害はそこまで大きくありませんが、爆発物による爆発や、木が燃えたりと、

それに相まって、変な噂も流れています。」

「なんだその噂って言うのは」

スフォンが息を整えてる間も、城の外は騒がしかった。


「ゲニム陛下暗殺予告や、ゲニム陛下は売国奴とか、ゲニム陛下ご乱心とか、

挙げだしたらキリがないですよ。」


「多少は事実だな」

レネリスはあっさりと顔色を変えずに言い放った。

「え?」

スフォンは混乱した表情でグニスを見たが、グニスは知らないふりをした。

「とにかく事態の収拾はスフォンがやれ。それと城の入り口にカイトとガクトを呼べ。俺達は用事がある」

レネリスはそういうと、通り過ぎていく。

「がんばれ!青年!」

グニスはスフォンの肩を叩くと、拳を握って見せた。

そして、二人は歩いて行ってしまった。

「え?え〜〜!?無茶な・・・・」

一人廊下に残されたスフォンは項垂れていた。




〜〜〜〜〜バルタシア城出入り口〜〜〜〜〜



グニスとレネリスは窓から城の外を確認した。

「こりゃ・・・すげー騒ぎだな・・・」

王の挨拶と外の騒ぎが相まって、門を開けることができなくなっていた。

「レネリスどうする?」

「俺一人で行く」

「おいおい、落ち着けって!一人で行っても、時間ばかり食ってしょうがないだろ」

イライラしているレネリスを、グニスは宥めるのに必死だった。

そこへ大勢の兵士を連れた、男性二人がやってくると、

レネリスとグニスの前に整列した。

「9番隊と10番隊全員揃いました!」

紫色の髪を後ろにくくった男性が大声で敬礼すると、短髪で青い髪をした男性も敬礼をした。

「お前達にはラミレシアという金髪で、目元にほくろがある少女とミーナ姫を探してもらう。

見つけ次第すぐに報告しろ。今回は悪魔契約者と遭遇する可能性が多大にある。

油断するなよ!」

グニス総隊長の声に、10番隊と9番隊は大声で返事をした。


「レネリス様、門が開かないと行動できませんし、どうします?」

グニスの言葉にレネリスは反応しない。その直後、王の声が城の外に響き渡ると、

レネリスはゲニムがいるベランダの方角を見つめていた。

それを見たグニスも、一緒になってその方向を見つめた。



〜〜〜〜バルタシア城最上階ベランダ〜〜〜〜



国民へ挨拶をする為、ゲニムはレネリスに殴られたお腹をさすりながらベランダへ向けて歩いていく。

その道中もレネリスとラミレシアの言葉が脳裏を駆け巡っていた。

思い返せば思い返すほど、悔しくなって強く拳を握った。

「くそ・・・・」

今までしてきた事が、頭をよぎる。

「死ぬのか・・・このまま俺は・・・・」

そう言いながら、ゲニムは星が光る夜空を見上げた。


廊下を歩いていると、一人の兵士が、ゲニムの所へ緊迫した表情で走ってきた。

「ゲニム陛下!大変です。ベランダ前の国民広場にて、火災と小規模ですが爆発があり、

混乱状態となっています」

「何!?・・・・」

ゲニムはベランダへ向けて全力で走った。

ベランダ前に着くと、大臣が待っていた。

「陛下、大変危険な状態です。今日の挨拶は延期するべきかと」

ゲニムは、その言葉を聞いて、すぐにベランダに立つと、国民の混乱の様子を確かめた。

大きな被害ではないが、黒い煙が周辺から上がっていた。

良く見ると、城を囲む森の密度が異常な程高くなっているのがわかる。

「悪魔契約者・・・リンの仕業か・・・・」

ゲニムはリンの狙いがすぐにわかった。

国民を混乱に落としいれ、そして城周辺に集まった国民を森で囲み、小さな事件で国民の関心を仰ぐ。

そして人は又集まる。その結果として、城の門が開けられない状況を作り出す。

「時間稼ぎか・・・」

大臣はゲニムがベランダから離れようとしないので、腕を掴み中へ連れて行こうとした。

「陛下早く中へお入りください!」

ゲニムの頭にレネリスの言葉が貫いた。「お前に何ができる!?」と・・・。

「だまれ!」

ゲニムは大声で叫んだ。その声に大臣もベランダの近くにいた衛兵も動きを止めた。


ゲニムの目は、いまだに広場で戸惑う国民を捕らえ、手は震えていた。

「俺は、王だ!此処で引き下がるのが王か!?

お前達、一度でも俺を王と認めた事があるか?」

そう叫んでゲニムはマイクを手に取った。



「静まれ!バルタシア王国の国民よ!我は太陽の王!ゲニム!

皆俺を見てくれ!動きを止めてくれ!話を聞いてくれ!」


ゲニムの声は、マイクのせいもあって、大きく響いた。

それは混乱する国民の耳にも届き、皆がゲニムのほうを向いていた。

そこには自信に溢れた、青年が立っていた。


「怪我人はすぐに手当てをする!西側に集まれ!無事なものは東へ集まれ!

動けないものには、動けるものが手を貸してやれ!

女、子供は大人が全力で守れ!城の門から全員距離を取れ!」


叫ぶように出した声は国民達の心に響いたようで、群集はゆっくりと動き始めた。


「今から俺が指示を出す!全員落ち着いて行動しろ!今から城門を開ける!」


ゲニムの指示に応じてゆっくりと城門周辺の人々が移動し、門が橋のように降りていく。


そこから、レネリス率いる部隊が現れると、

一瞬だけレネリスと目が合った。



誰にもわからない事だが、

その一瞬は二人にとって、かけがえの無いものとなっていた。



〜〜〜〜〜バルタシア城門〜〜〜〜〜



「ゲニム陛下とレネリス様の指示はわかってるな!?」

グニスが門前に立つ全軍に大声をかけると、「おー!」という声がバルタシア城周辺に響き渡った。

「レネリス・・・・」

グニスは、レネリスがゲニムのいるベランダへ目を向けているのを見た。

「今度は俺達の番だ」

レネリスが小声で言うと、城門を一気に駆け出した。

そのレネリスの後を全軍勢いよく続いた。


門からお祭り会場の広場までは一本道なのだが、明らかに異変が起きていた。

「おい、レネリス。此処から先は奴らのテリトリーみたいだぞ。」

街道が見る影もなく森に侵食されていた。

レネリスはグニスと目を合わせ、再度森を見た。

「カイトは右から迂回。ガクトは左から迂回して広場を目指せ!

罠には気をつけろ!連絡はこまめにとれ!」

グニスは二人の隊長の肩を軽く叩くと、各々の隊を率いて動いた。



グニスがレネリスを見ると、レネリスはいつの間にか現れたグミと話していた。

グミは緑の髪を肩までなびかせ、地に膝を付きレネリスを見上げるような格好を取っていた。

「ラミレシア様達が忽然と姿を消しました。消息は不明です。

今全力で探しております」

グミは顔色をまったく変えず、レネリスに報告をしていた。

レネリスはそれを聞いて、舌打ちをし不快な表情をした。

「グニス、この森をどうみる?」

グニスは突然話を振られ、考え込む。

「探すのがやっかいだな。ここまで大きくなると注意深く目を凝らさないといかんし」

「相手の狙いがそこだとしたら、俺達は別の場所を探す必要がある。」

グニスは小さな声で「確かに・・」とつぶやき、

「だが、そこがわからねー。」とレネリスに、お手上げのポーズを取った。

「グニスはこの部隊を率いて、森を探すフリをしろ。俺は別を探す。」

そういうと、レネリスは城内へ一人戻っていった。

「ったく・・・まあ、あいつの考えは筋が通ってるかもしれねー。

その作戦に乗ってみるか」

グニスは一人つぶやくと、目の前の森に駆け込んで行った。

グミも同時に森に消えた。



〜〜〜〜〜?????な場所〜〜〜〜〜



何かが叩く音が聞こえ私は気がついた。

「ここは・・・・」

私はゆっくり上半身を起こし辺りを見渡すと、だだっ広く真っ白な空間がそこにはあり、

ルルカとミーナ様は私の横で眠り、そして、少し私から離れた場所で、同じ年程の金髪をした少年がリスのような動物を蹴り飛ばしていた。

「貴方なにやってるの!かわいそうじゃない!」

私はすぐに少年に向けて声を出したが、少年は私を無視するかのようにリスを蹴り続けていた。

すぐに駆け寄り、少年を止めようと体を掴もうとした瞬間空を切った。

「え・・・・」

気付いた時にはお腹に少年の蹴りが食い込んでいた。

「勝手に入ってくんな!」

私は吹き飛ばされ、あまりの激痛に体を丸めた。


「くくく・・・くたばるのも時間の問題か。あははは!」

少年はリスを見ながら愉快に笑うと、この空間に笑い声がこだました。

激痛に耐えながらも、片目を開けて動かないリスを見ると、私がミクリーにあげた傘を背負っていた。

(え・・・ミクリー?いや・・でも・・・・)

ミクリーの外見が全然違う事に動揺した。


「あんた・・・やめなさいよ・・・」

私は振り絞る声で少年に声をかけた。

少年は不機嫌な顔でこっちに向かってくると、私の胸倉を掴みお腹に拳を入れた。

「図に乗るな!女!お前があの方と同じ天使だからって調子にのるんじゃねーぞ?」

私は更にお腹に拳を受け、口から血を吐き地面に倒れた。

「血を無駄に吐くんじゃね!」

少年はさらに蹴りを入れ、私の顔を足の裏で踏んだ。

「お前の始末は最後だ!寝てろ!」

そういうと、少年はミーナ様とルルカの方へ足を向けた。

(だめ・・・そっちにいかせちゃだめ!)

私は無意識に少年の足を掴むと、少年は反射的に私の頭を蹴り飛ばした。

頭を蹴られたせいか、意識が混濁した。

「お前の相手は後だって言ったろ!ひっこんでろ!」

そう言うと、少年は再度ミーナ様達の方へ足を運んだ。



少年は眠っているミーナ様の体を蹴った。

「起きろ!クソガキ!」

ミーナ様は苦痛に歪んだ顔で目を覚まし悲鳴を上げた。そして

目の前に立つ少年の歪んだ顔を見て、ミーナ様は後ずさった。

「逃げる事はねーだろ?今からお前と俺は一つになるんだからな」

少年はゆっくりとミーナ様との距離を縮めていく。

後ずさるミーナ様はルルカとぶつかると、ルルカはやっと目を覚ました。

「ミーナ様・・・?」

ルルカは今まで見た事ない、ミーナ様の怯えた顔にただ事ではない事を察した。

「ミーナ様どうしたんですか!?」

ルルカはミーナ様を見た後、ミーナ様が見つめる方向を見ると、歪んだ表情の少年がゆっくり歩いて来ていた。

すぐに立ち上がると、ミーナ様と少年の間に割って入るように立ち上がった。

「ミーナ様に何のようですか!?」

「邪魔だ、ただの人間が!」

少年はいきなりルルカの腹部を殴り、横腹を右足で蹴り飛ばした。



ミーナ様は吹き飛ばされたルルカを震えながら見つめている。


少年はミーナ様の前まで来ると顔を近づけた。

「もう鬼ごっこも終わりだ」

そういうと少年は恐怖で怯えたミーナ様の肩を抱くと、首元に噛み付いた。

ミーナ様は噛み付かれたショックと、血を吸われている為か、どんどん顔が青ざめていく。

少年は麻薬をやっているかのように、興奮状態になっていた。

「これが天使のかけらの血か・・・うますぎる!」

一度ミーナ様の首から口を離すと、ミーナ様をゴミのようにほおり投げた。



私は意識が戻ってくると、ゆっくり立ち上がり、ほおり投げられたミーナ様にゆっくり近づいた。

ミーナ様の具合を見て愕然とした。目が虚ろになり、噛まれた跡が腐敗し、投げられた時に頭も打っていた。

すぐに私は治癒魔法をかけようと試みたが、いつの間にか背後にいた青年にお腹を蹴られ吹き飛んだ。

「俺のおもちゃに勝手な事すんじゃねーよ!」


少年は怒りに震え、そして自分の力を確かめるように一人天を見上げた。

「素晴らしい。この力!この力があれば俺は・・・・」

この異空間に少年の笑い声だけがこだました。



私はリスとミーナ様とルルカを目で追うが、全員が瀕死であると予測ができた。

(どうにかしなきゃ・・・私が・・・・)

ゆっくり気力を振り絞り立ち上がる。

そんな私を見て、少年はまた私の元へやってくる。

「まだ動けるんだね。ちゃんと口を閉じて吐血しないようにしててね」

少年は歪んだ笑顔をしながら私の体を殴り、蹴る。


「レン!約束違うじゃない!」

いつの間にか現れた金髪のツインテールをした少女が、少し離れた場所に立って、レンと言われた少年を睨んでいた。

レンは私の胸倉を離すと、両手を挙げて無罪を主張するようにゆっくり離れた。

「リン先輩すみません。ちょっと手が滑ってしまって。」

リンと言われた少女はレンを睨みつけながら私の方へやってきた。

私の体を抱き起こすと、怪我の具合を見ていた。

「大丈夫?意識はある?」

私は自分の怪我よりも、ミーナ様達が気になり目を向けると、リンは察したのか周りを見回した。

「わかった、他の人の具合も見てみるわね」

そして私を寝かすと、立ち上がり動こうとした瞬間、

リンの胸を腕が貫通した。



リンは自分の胸を突き抜ける腕を凝視すると、レンの物だとわかった。

「あんた・・・・」

そしてゆっくりと、レンの腕が抜けていく。

その手の中にある緑色の結晶が光を帯びていた。

リンはゆっくり振り返り、レンを睨みつけた。

「そんなに睨まないでくださいよ先輩。これもお仕事なんですから。

なんでしたっけ、貴方のマスターの口癖・・ええと・・・

そうそう!失敗は許さない!でしたよね?」

レンは歪んだ笑顔でリンを見る。

リンの口からは血が垂れ、立っているのがやっとの状態でレンを睨みつける。


レンは手の中にある緑色の結晶から光を奪うと、リンはおもちゃのように私の横に崩れ落ちた。



「先輩さよなら」



レンは楽しそうにリンに手を振った。


私の横に倒れたリンは白目を向き、ただの器になったかのように横たわっていた。


そんなやりとりを私は見ている事しかできなかった。























9章読んでいただきありがとうございました。

そろそろ2部も大詰めですね。


さてさて!俺も本気だしまっす!w

今後もよろしくおねがいします!

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