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出会いx遭遇

主人公は出会いと別れを繰り返します。

ハートフルラブアクションコメディーです。

少しでも物語を楽しんでもらえたら幸いです

〜〜〜時は数時間遡り、バルタシア王国の一室〜〜〜


青年が一人静かな部屋のベットで寝転び

考えこんでいると、コンコンと部屋をノックする音が鳴った。

「レネリス王子いらっしゃいますでしょうか?」

「なんか用か?」と返事をすると、部屋に若い青年がはいってきた。

レネリスが若者を見ると、嫌な顔をみたような素振りを見せた。

「グニス何用だ?俺はだらけるのに忙しいんだ。急用じゃなければほっといてくれ」

グニスは、周りに誰もいないことを確かめると、ズカズカと部屋にある椅子に座った。

「レネリス、相当コテンパンにやられたな?危うく死ぬとこだったと報告があがってる」

レネリスはベットの天井を見ながら、うんざりした表情をした。

「ちょっと油断しただけだ。まさか100人以上の悪魔契約者がいるとはな」

グニスは真面目な表情で外をみていた。

「ああ、あれだけの数がいるってことは、あの国は少なからず終わってる。

うちの王子はどうするおつもりで?」

「大陸中に物見を出す。それと同時に、アーザブルクへ侵攻する。」

グニスはついにきたかとばかりに、椅子から立ち上がると扉へと向かった。

「グニス、物見はカムイに、侵攻はお前に任せる。派手に暴れて注意を引いてくれればいい。

あわよくば占領してもかまわんぞ」

グニスは、はいはいと言わんばかりに、扉越しで敬礼すると出て行った。

誰もいなくなった部屋でレネリスは、フリノア村で俺の命を救った女の事を考えていた。

そして、天井に向かって誰かがいるようにしゃべった。

「カムイいるな?」

「はっ。ここに」

「セリアヌダルクへ行け。今後何か起きる可能性が高い。情報を拾え。

それと、国境封鎖が起きる可能性も十分にある。常に万が一に備えろ。」

「はっ!」

レネリスは言い忘れていた事を付け加えるように訂正した。

「そろそろハクとグミの二人もお前の下に就ける。面倒見てやれ。

どっちにしても人手は足りんからな。」

「御意に。」

言うだけ言うと、レネリスは部屋からでていった。


部屋をでると、衛兵らしき2人がレネリスを見て顔を強張らせて敬礼した。

「レネリス王子。どこへいくのでしょうか?」

衛兵は恐々口を開いたが、レネリス王子からの返答はすぐになかったが、少し間が開いて、

「少し散歩にでる」とだけ言うと真剣な眼差しですぐに立ち去ってしまった。

衛兵二人は顔を見合わせると、右側に立っていた衛兵がすぐにスフォン隊長に報告しに走った。


馬小屋で馬にまたがっていると、血相を変えたスフォンが走ってきた。

「レネリス王子どこへいくんですか!?今から大きな戦がはじまるんですよ!?」

めんどくさそうな顔をしたレネリスが、振り返りスフォンをみた。

「全ての指示はグニス総隊長に任せてある。それとも、何か心配なのか?」

スフォンは目を見開いた。

「あたりまえじゃないですか!?傷が癒えたと言っても、まだ安静中の身なんですよ!?

何考えてるんですか!」

レネリスは時間がないとばかりに、「ならお前も来い」と早口に言った。

状況と内容がまったくわからないがスフォンは、ここまで言ってるレネリスを止めることは無理だとすぐに察した。

「わかりました。私も行きます。後数名連れて行きます。万が一があるといけませんので。」

勝手にしろとばかりにスフォンを見ると、すぐに馬を走らせた。

スフォンが衛兵に指示を出すと、すぐに王子を追って馬を走らせた。


レネリスはスフォンが来るまで少し遅く走っていたが、スフォンはすぐにおいつき、王子に馬を寄せた。

「レネリス様、一体何があって、今からどこへいくのかお教えくださいませんか?」

スフォンの頭の中はいまだに混乱の中にあった。

レネリスは走るスピードを上げながら、口を開いた。

「天使契約者が出るかもしれん。あくまで、俺の推測だがな」

スフォンは目を見開き、驚いた表情を隠せなかった。

「昨日俺の命を助けた、あの女の名前覚えてるか?」

スフォンは昨日の記憶をたどり始めると見落としていたとばかりに、表情を曇らせた。

「ガーネット・・・ですか?」

「根拠はそれだけじゃない。治癒能力者としても一流。もし彼女が悪魔契約者ならば可能性は高い」

スフォンはすぐに頭で状況を理解し、部下にセリアヌダルク王国のジェニス3世へ、

入国願いの書状を持っていくように指示をだした。

レネリスはスフォンの動きを見て、少し表情を緩めたが、すぐに前に向き直った。

数刻程走ると、目的地であるフリノア村方面から膨大な魔力を感じ取り、二人は目を細めた。

「レネリス様・・・この魔力の波動・・・」

「ああ。間違いない。天使契約だな。だが・・・とにかく急ぐぞ!」

レネリス達は馬にムチを打った。


国境付近まで来たとき、大爆発がフリノア方面から起こり、

レネリスは舌打ちし、爆発の方向を見つめていた。

スフォンは王子の顔を見ながら、指示を待つ格好をとった。

「さらに追加の使者を出す。名目は全部だ」

スフォンはすぐに使者をアヌダルク王国へ出した。

レネリスは指示を出したあとも、爆発があったほうをしばらく見つめていた。



〜〜〜バルタシア王国の南にある、サリアの森にて〜〜〜



私は気がつくと、林の中で一人倒れていた。

「う〜頭がずきずきする・・・」

頭の後ろの方を撫でると、コブができていた。

コブを撫でながら周りを見渡すが、見覚えがない。

「一体ここどこなのよ・・・・!お母さん!?どこ!?」

私は母を探す為少しずつだが、名前を連呼しながら、林の中を歩き回っていた。

すると微弱ながら、近くで魔力反応を感じた。

「お母さん!?」

私はその場所まで走ったが、そこに居たのは、母ではなく、小さなリスに似た小動物だった。

「酷い怪我・・・」

すぐに体全体に治癒魔法をかけた。

すると、少しずつだが、意識を取り戻し始めた。

そのリスのような動物は、辺を見回し、私の顔を見たあと、また意識を失った。

私はリスの応急処置をしたあと、途方に暮れていた。

「さて、これからどうしよう。此処がどこかもわからないし・・・・」

知らず知らずのうちに、母がくれた、赤い水晶を手に取り眺めていた。

「お母さん・・・・どこにいるの・・・」


「おい、チビガキ。おきろ。」

私は急に声をかけられて、びっくりして、顔をすぐあげたら。

誰かの顔とぶつかってしまった。厳密にいうと、口と口が重なってしまった。

私はさっきまで眠っていたせいか寝ぼけていたが、現実感が唇から伝わりようやく

目を見開いた。

木に寄り添っていた為、私は後ろに下がることもできず、そのまま固まっていた。

やっとのことで、手で相手を押し、離れたが、パニックに陥った私は相手の顔も見れなかった。

「なにするんですか!」

やっとのことで言葉を紡ぎ出したが、相手の顔はどこかで見かけた事があった。

それを思い出すのに数秒かかったが、思い出した途端に、失礼な事をしたのが、私だと理解した。

「ご!・・・ごめんなさい・・・・」

すぐに平伏したが、時すでに遅かった。

(私なんてことを・・・隣国だとしても・・・王子様に対して、

間違いとしてもキスをし、そして突き飛ばすなんて・・・・)

私は顔が真っ赤になっていた。

レネリスは起き上がると、平伏したままのラミレシアを見て、睨んでいた。

「お前な・・・俺の唇を奪った上に、突き飛ばすとは良い根性してるな・・・」

私は、刺のある言葉を胸に突き刺さりながら、地面を見下ろし何回も謝罪の言葉を羅列していた。

(なんでこうなるの・・私も被害者なのに・・・・。ってアレ。

っていうか王子様がここにいるって事は何か知っているかもしれない!)

私は失礼を承知で、すぐに顔をあげた。

「王子様、聞きたいことがあります。よろしいでしょうか?」

私の形相に驚いたのか、言ってみろとすぐに返答してくれた。

「この近辺で私の母を見かけてはいませんでしょうか?」

すぐにでも母の情報がほしかった。

あの爆発が起きた時、母は笑っていた。でも・・・辛そうに笑っていように見えた。

レネリスは神妙な顔で私を見ていた。

「見ていない。それに、ここはバルタシア国内だ。お前がここにいるほうが不思議なんだがな」

私は、王子様が何を言っているのか理解できなかった。

(バルタシア王国?なんでそんなところに・・・)

私はすぐに立ち上がると、王子様達にお辞儀をした後、国境へ向けて走りだそうとした。

「やめておけ。今は警戒レベルCが起きてる。お前じゃ突破はまず無理だ」

私の背中に冷たい言葉が響き渡った。

振り返ると、王子様達はまっすぐに私を見ていた。でも私の意思もまっすぐだった。

「警戒レベルCってなんなんですか?」

私を止めた王子様達に対し、知らず知らずに怒気を混ぜてしまったらしく、強く問い返してしまっていた。

王子は私の目をまっすぐ見た後、スフォンに目配せした。

それと呼応するかのように、背後に控えていたスフォンが説明を始めた。。

「国と国同士が争いを避けるためのバリアのようなものです。それを犯そうとするものは、

それ相応の罰を貰うことになります。一種の呪いみたいな物ですね」

私はスフォンと王子の目を見ていたから、言ってることは信用性が高いだろうとすぐに理解した

でも私は、ここで引けないと心に誓った。引いたらきっと後悔するだろうと・・・。

私は少し下を向いていた頭を上げ、まっすぐに王子を見て答えた。

「それでも行きます。私のために命をかけた人を救いに行くのに、行かない理由がないから!」

私はすぐに走り出した。後ろから何かを言ってた気がするけど、特に気にもならなかった。

(お母さんどこにいるの・・・、無事でいて・・・)

一人ラミレシアは林の中をかけていった。


レネリスはラミレシアが立ち去った方向を眺め、知らず知らずに自分の唇に手を当ててしまっていた。

「レネリス様どうされますか?」

急にスフォンに声をかけられ、少し慌てたがいつもの自分にすぐに戻った。

「ほっとけば死ぬだろうな。だが・・・・チッ・・あいつの母親には借りがある・・・」

レネリスもラミレシアの立ち去った方向を見ながら舌打ちし、

すぐに後を追いかけようとレネリスが動こうとしたとき、後ろで小さな声が耳にはいった。

「私も連れて行ってほしい・・・・」

レネリスとスフィア、その部下たちが振り返り辺りを見回したが姿が見えない。

空耳かと思い、再度ラミレシアの後を追おうとしたとき、先ほど、

ラミレシアが眠っていた木の影に小さな青白い光がぼんやりとたたずんでいた。

レネリスはゆっくりと、その木陰に近づくと、緑色の髪を二つに結んだ小さな妖精が、

腹部を押さえて、木に寄り添うように立っていた。

「珍しいな、こんな場所に妖精とは・・・確か妖精の生息地ははるか北の国だったはずだが・・・」

その場にいた全員が珍しそうに妖精を眺めていた。

妖精は一番近くにいた、レネリスに向かって、涙を流して懇願した。

「お願いです。今の私に移動する力がありません。あの子の場所まで連れて行ってもらえないでしょうか?」

レネリスは少し考えた後、すぐに了承した。

「だが、ただとはいかない。この貸しはでかいぞ?」

レネリスは真っ直ぐに、妖精をみた。

妖精は一刻の時間もないため、すぐに了承した。

レネリスは妖精を両手で持ち上げ、自分の右肩に乗っけた。

「俺の名前はレネリス=バルタシアだ。レネリスと呼んでくれればいい。

お前の名前は?」

「私は・・・名前はありません・・・」

妖精は少し困った顔をしつつお辞儀をした。

レネリスは妖精から兵士たちに視線を落とすと、空気が変わった。

「さて、いくか。お前ら、気を抜くな。国境に奴らが来てる可能性もある。油断するなよ」

「はっ!」

兵士達は大きな声で返事をした。




私は森の中をセリアヌダルクの国境に向けて走っていた。

「小枝がひっかかって、思うように走れないじゃない!痛っっっっっっ!

も〜〜〜〜!」

私は引っかかった小枝を取りながら、とにかく前に進んでいた。

その時、周りの木が私の手足に絡んできた。

「なんなの、急に!」

私がイライラしてると、幼げな声で笑う声が前方上空から聞こえてきた。

「あはははは!がんばれ〜〜!」

見上げると、10歳程でショートカットの少女が木の上で笑っていた。

私はなんか腹が立ってきて、そこらへんに転がってる石を見つけて投げたら、

見事命中し、少女が木から落ちた。

「なんなのよ!いきなり!私は邪魔しようなんてこれっぽっちも思ってないわ!」

「思ってたんじゃないのよ!

私と少女は睨むように向かい合った。

「私は貴方と遊んでる暇ないの!わかった?」

「行きたければどうぞ?行ければだけどね」

少女はそういうと、何かを唱えた。

急に私の体を包み込むように、植物が私を覆いはじめ、私は動けなくなってしまった。

「な・・・に・・・す・・るの・・・・」

「貴方には悪いけど、連れていくわ。これで私もやっとマスターに認められるわ」

少女は木に寄り添いながら楽しそうに私を見ていた。。

私は、植物が段々口元まで覆ってきて意識が闇の中へしずんでいった。

「簡単なお仕事でよかった〜♪マスターに褒めてもらおっと♪」

少女は笑いながら、ゆっくり歩き出そうとした。

すると少女の真後ろから声が聞こえてきた。

「おい、パンプキン頭ちょっと待て。その女を返せ。

じゃないと、お前の大好きなマスターに二度と会えんぞ」

辺りの温度が20度は下がったような低い声が響き渡った。

少女はその声を聞いたとたん、膝が震えだしていた。

そしてゆっくりと振り返ると、そこにいた人物を見て、顔を青ざめた。

「レ・・・・ネリス・・様」

「おう。ちゃんと覚えててくれたようだな。パ・ン・プ・キ・ン・ア・タ・マ」

レネリスは、少女の頭を軽く叩くと、目線を合わすようにしゃがみこんだ。

「リンは良い子だから、返してくれるよな?だろ?」

「はい!私はレネリス様の為なら何でもいたします!」

さっきとは打って変わって、少女は涙目になっていた。

すると、ラミレシアを包んでいた植物がパラパラと少しずつ剥がれていった。

「良い子だ。リン。帰ってマスターにこう伝えろ。今度会いに行く。

あんまり強引に事を運ぶな。とな」

リンと呼ばれた少女は、まだ青ざめた顔をして、レネリスを見ていた。

レネリスは、再度少女の頭に手を置いた。

「これもついでに、伝えてくれ。リンの失敗を怒るなよ。とレネリスが言ってたってな。」

リンはそれを聞いて、泣き出しそうだった顔を、神様をみたような顔になり、レネリスの膝に抱きついた。

「リン。もう行っていいぞ。後は俺らがやる。」

「はいです!」

リンはすぐに膝から離れ、レネリスに一礼をすると、木の葉がリンの周りを覆い姿を消した。


レネリスは、リンがいなくなったことを確認すると、ラミレシアの元へ歩み寄り

生きている事を確認した。

すると、後方からレネリスの部下達が追ってきた。

「お前ら遅いぞ。」

部下達3人は、必死な表情で息を上げていた。

スフォンが呼吸を整え、前に出てラミレシアの顔を覗き込み、無事を確かめながらレネリスに向き直った。

「一体何があったんです?」

「ラミレシアを連れて行こうとした奴らがいた。」

スフォンは驚きの表情をし、再度ラミレシアを見た。

「あの爆発と何か原因があるかもしれませんね。我らの知らない情報がやはりセリアヌダルク王国にある」

「どっちにしてもこの女は我が城に連れて帰る。」

レネリスはラミレシアを見つめていた。それとは裏腹にスフォンは難色を示していた。

「ですが、サーラン王妃様が・・どんな態度を示されるか・・・・」

「そこはなんとかしろ。俺は知らん」

スフォンはその返答に内心ため息をついていた。


一部始終レネリスの右肩で見ていた妖精はここで口を開いた。

「あのー、お話中申し訳ないのですが、よろしいでしょうか?」

レネリスは右肩に乗った妖精を手の平にのせ地面においた。

「ラミレシア様は、今は動けません。できれば私も連れて行ってもらえませんでしょうか?

私はラミレシア様から離れてはいけないのです。」

レネリスは目の前にいる妖精の言葉をきいて、少し考え、返答した。

「一緒にこい。お前には貸しがある。それにまだ聞かないといけないことがありそうだ。

それと名前をつけてやる。このままだと不便だからな」

レネリスは少し上を向いて考えた。

「ミクリーでいいな」

淡々と話が流れていくことに、誰も口が挟めず、青白く光妖精の名前はミクリーに決まった。

レネリスはスフォンに眼で指示をすると、全員に城に戻ることを指示した。





































読んでいただきありがとうございました。

第三章もかいてますので、よろしくおねがいします

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