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焦り×動揺×負けない心

こんにちわ!いつも読んでいただいて感謝しております。

なんだかんだで、2部がまだ思ったより続きそうで><

長い目で見ていただければ幸いです!。

では本編スタート!

〜〜〜〜〜〜????な場所〜〜〜〜〜〜



「さて、そろそろ時間かな。後始末でもするか」

レンはそういうと、腰に釣り下げてあったナイフをとりだしリスのいる方へ歩きだした。

私はそれを見て最悪なシナリオが頭をよぎった。

「ま・・・まって。」

私は這うような姿でレンに声をかけた。

「私はどうなってもいい。他の人は助けて。」

レンはナイフを手でいじりながら私を見て笑った。

「君を殺すのは僕じゃない。」

そういうと、また向きを変えた。

今のやり取りで私が今此処で死ぬのは相手にとって都合が悪いと読んだ。

いや・・・そう読むしかなかった。

そして私は賭けに出た。


「死なれたら困るんでしょ?」

私はリンの懐にあったナイフを取り出し、自分の首筋へ当てた。

レンはそれを見てため息をつき、降参するように手を上げた。

「わかった、わかった。じゃ〜他の人は殺さない。でも君には一緒に来てもらうよ。」

そう言うと私の前までやってきて、「こっちについてこい」という風に手を動かした。

辛うじて動く体にムチを打つように立ち上がり、レンの後をついていく。

倒れたままの皆を残して私は、後ろを振り返りながらもその場を立ち去った。



赤い水晶が入った袋をその場に落としていった事も気付かずに・・・・



〜〜〜〜〜とある城の地下牢〜〜〜〜〜




地下牢には二つの人影があった。

「リン起きろ。そろそろ時間だ」

黒髪で赤眼の少年は牢屋の中にいる少女を真っ直ぐ見た。

少女は眠っていたのか、少年の掛け声で目を覚ました。

「ジェ・・・ジェニス様・・・・」

ジェニスと呼ばれた少年が扉を開け、中に入って少女の顔をつかんだ。

「また痩せたな。このまま死ぬきか?」

少女は辛そうな表情をしていた。

「ジェニス様・・・リンは・・・」

「ん?リン?ああ・・・もう間もなく死ぬだろう」

少女は目を見開き下を向いた。

「俺にとってのリンはお前だけだ。もうあいつの事は忘れろ」

ジェニスは強引にリンの顎を上げキスをした。

リンには抗う力がなく、強引にされるがままだった。

キスが終わると、リンはジェニスに訴えた。

「リンは・・私ではありません!

あの子は本当に貴方の事を・・・・」


リンは涙を浮かべ、ジェニスを見る。


「あれはお前の血が混ざっただけのただのサンプルだ。

お前が本物なんだ。気にするな」

「しかし、ジェニス様のあの子に対する思いが私をあの子に似せた。これは事実です!」

「俺にとっては、お前が全てだ!他の奴はどうでもいい!」



そういうとジェニスは荒くなった息を整え、立ち上がりリンを連れて牢屋を出た。

リンはどこにいるかわからないもう一人の自分に思いをはせた。


「リン・・・ごめんなさい」



〜〜〜〜〜どこかの森〜〜〜〜〜〜



私達は異空間を抜け、たどり着いたところは森だった。

負傷した重い体を引きずりながら、レンと言われた少年の後をついていく。

「どこまで行く気なの?」

「もう間もなく着く」

レンは後ろを振り返ることなく歩き続ける。


私は異空間に残してきた皆の事が頭から離れない。

今すぐにでも走って戻りたい気持ちが、手に汗を握らせる。



「あいつらはもうじき城の兵士に発見される」

レンはまた私の心を読んだように話す。

「皆は無事なのよね?」

「さあな。俺の目的はお前だけだ。もう一人いた小さいガキも連れて行きたかったが、

イレギュラーな自体が起こるとまずいからな。」


レンがいう「小さなガキ」はおそらくミーナ様だと予想がついた。

その言葉に私の心は怒りを覚えた。


「貴方の目的は何?」

私は怒り震える声で聞いた。

「あんまり調子乗るなよ?黙ってついて来い」

レンの鋭く低い声は、あの光景を思い出させ私を黙らせるのに十分だった。



レンが急に立ち止まると、指で此処まで来いと私に促した。

私の目の前には、岩で覆われた大きなくぼみがあった。

そして、その奥には洞窟のような穴がある。


「此処で一体何をするの?」

私はまったく先の読めない展開に頭を悩ませた。


私の質問にレンは自分の手に緑色の結晶を置いて見せた。


「それはあの子の・・・」


私達を助けようとしてくれたあの子の事を思い出した。


「こいつは、こうするのさ!」

そう言うとレンは楽しそうに、大きな窪みの中心へと結晶をほおりこんだ



その時、私の頭の中に泣き叫ぶ少女の声が響く。


「まだ死にたくない。マスターに会いたい。マスターに認めてもらいたい。好きだって言いたい。

ずっと一緒にいたい。マスターの笑顔を見ていたい。・・・・まだ生きたい!」


辺りを見渡すが誰もいない。そして何処かで聞いたような声。


「リン・・?」


口に出してみるが返ってくる言葉はない。


レンは私の不振な行動を一瞥したが、投げた結晶にすぐ目を戻した。

リンの行方を捜してると、洞窟の方から大勢の人が歩いてくる音が聞こえた。


「なに?」

私は問いただすようにレンを見ると、レンは歪んだ笑みを先ほど投げた緑の結晶に向けていた。


「リンはな、今からやつらの一部となり生まれ変わるのさ」


私はレンの言ってる意味がよくわからなかった。


次第に大きくなる大勢の足音。私の目は洞窟へ釘付けとなった。


そして、出てきたものを見て言葉を失った。


黒い大量の煙と共に、黒い煙に覆われた人型の何かが緑の結晶の方にゆっくりと歩み寄っている。

(この煙・・・悪魔!?)


それと共にまた頭に響くリンの声。

「まだ死にたくない。まだ・・・・・」


私は緑の結晶に注目した。

(リンはまだ生きてる!?あの結晶がもしかすると・・・・)


私の体は勝手に走り出し、気づいたら緑色の結晶を握り締め見つめていた。

「さっきから呼ぶ声は貴方でしょ?リン。」

返事はなかったが、ほんの少し輝いた結晶を見て確信した。


不意に遠くからレンが声をかけてきた。

「俺の役目は此処までだ。じゃあな!」

レンは私に声をかけるとゆっくり立ち去っていく。

私も結晶を握り締め逃げようと試みるが、あり地獄みたいにすぐに落ちてしまう。

背後には、ゆっくりと迫ってくる黒い化け物達。


私はやけになったのか、頭に血が上ったのかわからない。

なぜかこの土壇場で向かってくる化け物達を睨み大声を張り上げた。


「私は悪魔になんかならない!悪魔にも屈しない!それでも向かってくる奴は私が打ちのめしてやる!」



私の叫び声は、誰に対して言ったものなのか今の私にはわからない。

そして私は緑の結晶を強く握ったまま、黒い化け物の渦へと飲み込まれてしまった。



〜〜〜〜お祭り広場〜〜〜〜



全部隊で広場周辺を捜索していたグニスは森の異変に気づいた。

森全体が行く手を阻むように生えていたのに対し、今は道がわかるほどに森の密度が減っていた。


「一体何があった?」

グニスは近くの兵士に聞いてみるが、返ってくる返事は「わかりません」のみだった。


グニスはレネリスの言葉を思い出した。

「そういえば・・・リンの仕業とか言ってたな・・・だとしたらリンに何かあったのか・・・」

一人考え込んでいると、一人の兵士が報告に来た。


「グニス総隊長。お祭り会場の広場付近にて、

ミーナ様とルルカ様、見知らぬ少女と負傷していたリスを発見したとの報告が、

10番隊から入りました。」


兵士は冷静に報告を終えた。


「全員無事なんだな?」

グニスは一番知りたい答えをまず聞いた。


兵士は答えにくそうな表情をした後で口を開いた。


「ミーナ様瀕死の重傷、ルルカ様重症、見知らぬ少女は意識不明、リスも重症です」



その場にいた全員が凍りついたように動きが止まった。

「くっ・・・・・」

グニスは怒りを露にし、すぐにその現場へと馬を走らせた。

この報告は間違いであってほしいと心の中で繰り返しながら。



グニスが到着すると、現場は治療班がせわしなく動き回っていた。

すぐに馬を近くの木にくくりつけ、治療士のいるテントを探した。


「ミーナ様とルルカはどんな具合だ?」

グニスは近くを通りかかった治療士に尋ねると、ミーナ様達のいる場所へと案内された。


そしてテントの中で治療を受けているミーナ様を見て愕然とした。

大怪我を負っているのは一目瞭然だった。


「一体何があったんだ・・・」

グニスの手は震えていた。


テントの外に出ると、すぐに兵士を数名呼んだ。

「すぐに怪我人を含め城に帰還させろ!」

グニスの怒気を含めた声に、兵士は返事をするとすぐに動き出した。


そこへカイトが走ってやってきた。

「グニス様。ラミレシア様だけが一向に見つかりません。」

グニスは引き続きラミレシアの捜索を指示すると、

真っ暗い空を見上げた。


「最悪なシナリオだぜ・・・レネリスよ」


今此処にいないレネリスに声をかけた。



〜〜〜〜〜〜バルタシア王国ベランダ(レネリス達が捜索にでた時間に遡る)〜〜〜〜〜〜



「無事にレネリス達は行けたようだな・・・」

ゲニムはほっと一息ついた瞬間、頭上で激しい雷音と共に亀裂が裂け、体中包帯でぐるぐる巻きの人が頭上に立っていた。

そしてまっすぐゲニムだけを見ていた。

「ほんとあんたは立派な王だよ。そしてご苦労様」

そういうと刀をゲニムの頭上目掛けて振り下ろした。


ゲニムは避けようと体を捻り、横にジャンプするが刀先はちゃんと付いて来る。

しかし刀はゲニムの体に届く事はなかった。

ゲニムは転びながら咄嗟に目を瞑ったが、目をゆっくり開けると槍が刀の先端を受け止めていた。


「ゲニム様を守りに着ました。間一髪でしたけど」

そこには3番隊隊員のサクンが息を切らしながら立っていた。

そして、槍を振り回し包帯の男をゲニムから牽制した。


ゲニムはすぐに立ち上がり、包帯男から距離を取るとサクンの横に並んだ。


「お前が何故ここにいる?ラミレシアと一緒じゃなかったのか?」

ゲニムは少し戸惑いつつもサクンを見る。

「ラミレシア様がゲニム様を守ってと言ったんです」


サクンの真面目な応えに、ゲニムはまずそうな顔をした。

「やられた・・・・」

ゲニムの応えにサクンはちらりと見た。

「一体何の事です?」

「敵の本当の狙いはラミレシアだ。

私を殺すのはついでなんだ」

ゲニムは真顔でサクンを見た。


サクンは包帯人間を見ながら舌打ちをした。

「なぜそれを貴方が知ってるんです?」

その質問にゲニムは答えにくそうに下を向いた。


「まあ、その事については後で。

今は早くこいつを倒してラミレシア様の元へ行かなければならないと言う事でいいんですよね?陛下。」

サクンは言葉に怒気を含ませつつゲニムに聞いた。



「もうお前達じゃ助けられん。あの方の能力は特別だ。」

包帯人間の低い声が、ゲニムとサクンの会話に割り込む。

「その能力の正体を此処で喋ってもらおうか」

サクンの言葉と共に矛先が包帯人間に向けて構えられる。




包帯人間も刀を構えサクンと対峙する。

ゲニムはラミレシアがサクンを此処に来させた理由に心当たりがあった。

それゆえに、ゲニムの胸は締め付けられる思いがした。


そんなゲニムをよそに、二人の戦いは幕を開けた。


サクンと包帯男の武器と武器のぶつかり合う音がベランダに響く。

敵は刀の長所を生かし、サクンの懐に入り込もうとする。

サクンはその反対に、間合いを詰められないように牽制する。


スピードはほぼ互角に見える。




サクンは戦ってる最中もラミレシアの事を考えていた。それ故に、

油断をしていた。

敵の本当の狙いはゲニムだという事が頭から消えていたのだ。


敵とサクンが打ち合う中、敵は急にベランダ出口で戦いを見守るゲニムへ体を向け走った。

急な展開にサクンは一瞬あせった。

そしてすぐにゲニムの元へ加速する。

その隙を敵は見逃さず、追ってきたサクンに一気に間合いを詰め脇腹を切った。

体勢を崩したサクンは顔をしかめる。

そのサクンを足蹴にし、その反動でゲニムの方へさらに跳躍。


敵の刀は完全にゲニムを捕らえ向かっていく。


サクンは後方からすぐに跳躍したが、敵の速さには追いつかない。


向かってくる敵の目を見て、ゲニムは死を覚悟した。


しかし、その瞬間赤い刀が敵の腕を削ぎ落とし、

敵に蹴りの一撃を加えた。

後方へ転がると辺りには敵の血がほとばしった。


「グミ・・・・」

サクンは脇腹を押さえながら、肩膝を付いた格好でグミを見つめた。


「兄さん油断しましたね」」

そう言うと、グミは無表情のまま刀を構える。


片腕を抑えながら、イレギュラーの事態だと言わんばかりに敵は動揺していた。

そして、敵は自分の体を巻いていた包帯を破り捨て、

用意してきたのであろう自爆札を、全身にまといゲニム達の方へ突っ込んできた。


「兄さん、敵の札の数は異常です。力を貸してください。私はあまりシールド魔法は得意ではないので」

グミは冷静に言うとサクンは立ち上がり、グミと呼吸を合わせるように二人で唱え始めた。


ゲニムたちの前に、黄色い薄い膜が城の内部を包むように現れた。

敵が刀で膜を破るように切りつけると、雷轟があたり一面に響き渡る。

敵が白眼をこちらに向けた後、大爆発が起こった。



その爆発に気付いたスフォンは、すぐに城の周りにいる国民を安全な場所へ誘導し、

爆発元であるベランダに駆け込んだ。


ベランダは粉々になり、ゲニムたちは城の内部に吹き飛ばされ、周りにいた大臣達共々大怪我を負っていた。


「一体此処で何があった・・・・」

スフォンはまったく読めない状況に困惑しつつも、負傷者をすぐに治療室に移送するように指示を出した。







































読んでいただきありがとうございます。

おそまつな小説ですが、皆様からの感想などなどお待ちしております。

では次は11章でお会いしましょう!

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