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釈迦と舎利子と河童の宣教師  作者: 手乗文鳥


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失われた十支族

五蘊に実態がないというけれど私の見たもの感じたもの味わうもの、嗅ぐものイメージするもの、考えるもの全ては私に帰属するものであってあなたに帰属するものではない。

これはいささか詭弁といわざるを得ない。

-7-


河童は竹のプロペラを頭につけ日本中を飛び回り、様々な渡来人伝説の残る地をくまなく探し、また、何かありそうな所は発掘しました。


しかし、新しい金鉱脈、ベントナイト、ヨウ素と温泉などはみつかりましたが、アークはとうとう見つかりませんでした?


「ワタシが欲しいのはこういうものではないんだ。」

諏訪湖でアヒルのボートにのり河童はぼやきました。


「日本には様々なユダヤ伝説がある。

諏訪大社も耳裂けの鹿を供えるし、守谷(モリヤ)山の麓にある。

伊勢神宮もアークと同じ、3種の神器を祀っているではないか、猿田彦のイラストにしても何故あんなに鼻が大きいのだ?あれはイスラエル人がモデルではないのか?

日本には失われた十支族は渡っていないというのか?パードゥン ホワイ?」


すると突然湖面に観音様が映しだされこう告げられました。


「日本には秦氏という渡来人が居た、朝廷に仕え平安京の造成に深くかかわったとされる一族だ、しかし、素性は定かでない、朝鮮半島から渡って来たという説もあれば、中国から逃れてきたと言う説もある、原始キリスト教徒だったと言う話もあるが定かではない。」


河童がキョトンとしていると観音様は続けられました。


「その秦氏は、大陸の文化や知識を様々持っていて、それぞれ日本に合う形に直し、伝えていったという、その中には当然イスラエルの文化もあっただろう。

つまり、失われた十支族が日本にまで来ていなくても、何か似たものが見つかるのはそのせいであろう。


ただ、日本からはユダヤ人のラビをかたどったような埴輪が発見されている。

多くの渡来人が日本を訪れ朝廷と接していた事を考えればイスラエルから日本を訪れた人もいると考えるのが自然だろう。

ただやはり、失われた十支族の大規模な渡来というのは考えにくいだろう。話としては面白いが。」


河童の乗ったボートの後に、舎利子がペダルを漕ぐ、アヒルのボートに乗ったお釈迦様が現れこう言われました。


「その通りです。

日本に仏教は伝わっていますがインドから多くの渡来人がいたわけではありません。

大陸との交流の中から日本に伝わったものです。」



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