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368日 強い風が吹いていた


先日はたどり着けたはずだ。なのに今日は遠く感じる…いったいどうしてだろうか。朝起きて、ご飯食べたらすぐに出て、上天の駅を降りて…方角はあってるはずだ。なのにたどり着けない。遠くない道のりがなぜ遠くに感じてしまうのか。まだわからない。


時計を確認したらまだ時間は8時30分だ。ここから抜け出さなければと思うが、なかなか抜け出せずにいる。いったい僕はどこで道を間違えたのだろうか。これまで辛いことは何度もあったというが、ここに来てからそんなことも乗り越えられていた。昔の僕とは違って、心強い仲間がいたから。親は兄を溺愛して僕を見捨てた。先生も夢を笑ってテストに匙を投げた。クラスも先生に触発されて笑っていた。しかし、僕が高校生になったときにすべてが変わった。家族は手のひらを返したかのように優しくなった。兄が高校で同級生を自殺に追い込んだからだ。クラスでも理解してくれる人ができた…それなのに…今でも一人になると昔のことを思い出してしまう。


トラウマを思い出すというのは…そう言った精神的な問題を抱えているからだろうな。別にこれを問題とは思ったことはないのだが…これから楽しいことが始まるというのにどうして思い出してしまうのだろう。


「…さん?飛翔さん?」

「…は!…ってなんだ。つむぎちゃんか。」

「飛翔さん、びっくりしましたよ。まさか反対の方に進むなんて思わなかったです。」

「あはは…ごめんね…」

「…一人でいると、つらいことを思い出しますよね。わかります。」

「…どうしてそれが分かったの?」

「歩き方が…死にそうだったんです。私の自殺した友達と歩き方が似てました。」

「そうだったか…」

「ため込む必要はないんです。辛いときは泣いていいんです。でも、今日は泣いちゃダメです。コンテストは11時からですよ。今何時ですか?」


時計を確認すると、9時半を指していた。審査員の集合は10時半、まだ1時間あるが屋台も見回るため時間がない。


「今から会場まで何分ぐらいなの?」

「ここから15分です。さぁ、ゆっくり行きましょう。」

「そうだね。」


歩いて数分、スポーツセンターに到着すると…屋台の熱気と僕を呼ぶ声がした。


「飛翔、屋台を周るわよ!」

「華恋さんじゃないですか。どうしているのですか?」

「だって…私午後から現場の警備だもの。」

「知らなかった…だったらあそこのじゃがバターにでも行きましょうか。」

「そうだね。」

「じゃがバター3つ、お金は置いておくね。」

「ありがとうございます!」

「あれ?焼きそばと焼き鳥じゃない。」

「私が買ったんですよ。」

「君は…誰?」

「遼平です。今日はちょっと気になってきちゃった。ってあれ?つむぎさんと華恋さんじゃないですか…これなら飛翔さんへの妨害も問題ないですね。」

「どういうこと?」

「…飛翔さんは本番に行ってらっしゃい!」

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