355日 合宿最終日
「さぁ、最終日だ。色々あったけど…まぁ、頑張ろうか。」
「そうですわね…って、結局最後までいましたね。」
「結構ありがたかったよ!」
「それはよかったです。」
厨房に着くと…そこには誰もいなかった。そして、不思議に思って食堂に出た…
「あれ?誰もいない…?」
「そうですわね。」
「大変です…飛翔さん…」
「君は…裕香ちゃんだよね。それに…京弥君も…二人してどうしたんだ?」
「大変なんだ…麗子と…秀太が…」
「昨日の今日で私たちの声も聞きたくないことはわかってるんです…ですが…あの二人が…」
「…二人を助けたいの?それなら警察の方が…」
「違う…違います!」
と言われて僕は食堂に移動した。
「飛翔さん…とりあえずここから出ないでください。」
「…まぁ、今日はここにずっといるけど…どうして?」
「実は…」
この学校に、爆弾が仕掛けられたらしい。犯人もわかっており…わかっているからこそ外に出させないようにしている。
「…綾ちゃんとさやかちゃんは?」
「厨房です。今、料理のための試行錯誤をしていて…」
「なんで二人は手伝わないの?」
「私たちの料理食べてましたよね?」
「あぁ…今から食べるよ。」
「…いちおう感想を頂けますか?」
「うん。とても美味しかった。もちろん部長たちの方が技術はある。でも、気持ちだったら負けてない。ハンバーグは二人で作ったの?」
「いえ…京弥が一人で…」
「その…副菜選ぶのは下手だから…メインは一人でやるからサポートしてほしいって…正直一人でやるべきだと考えていたので…それが勉強になりました…」
「そうだよ。京弥は上手にできるのに一匹狼になりたがる…でも、自覚できて良かったね。」
「部長…」
「そういえば、初日ビシバシ言ってたのは?」
「…私なんです。だって…やることがなかったので…」
「裕香ちゃん、君は部長になれる素質があるよ。問題は…あの二人だね。」
そう噂していると…
「アリアさんを連れてきましたわ!」
「どういうことですか!どうして爆弾を…もしかして昨日喧嘩していた理由も…」
「…そうですね…僕は最初料理には嫌がらせしてもいいけどそれだけはダメだと…命を奪おうとしたので…止めたんですが…」
「京弥は止めようと…それはどうして?」
「あの料理を食べて…僕は変わったんです…」
「それは私も同じです…思う気持ちも材料として必要なんだって…気づいたんです。」
「それでいいんだよ。実際美味しくできてる。あとは技術を向上させていけばいいんだよ。大丈夫、僕が美味しいというのならそれを続けられるようにすればいい。」
「ありがとうございます!」
「料理に必要なのは…レシピ通りの正確さより、料理に込める気持ち。適当な気持ちなら適当にできる。でも、美味しく食べてほしいと思いながら作れば美味しくなる。料理とはそういうものだよ。」




