表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/82

344日 隠れた名店


みんなの広場での騒ぎの一方、飛翔の視点はこうだ。


「深夜バスが出ててよかったよ。」

「飛翔さんしかいませんけどね。」

「その声…」

「久しぶりですね。古明地真鈴です。」

「真鈴…ということはこのバスは…」

「夜見川に…行かないです。途中までは同じですが。」

「なら…このバスは…」

「新保というところまで行きます。」

「新保!?かなり長くないかな?」

「でも、到着は6時です。」

「そっか。」


バスは真夜中を走っていたが、いつの間にか朝日が昇っていた。そして、新保まで来たところでバスを降りた。


「帰りはどうすればいいのでしょうか…」

「谷山までバスがあるのでそれに乗り換えればいいのでは?ですが…新保ですからね。」

「…そっか、ここ市場があるのか。」


新保は海の街の一つ。ここの名物は魚らしく、魚市場では朝ごはんを格安でお腹いっぱい食べられる。しかし、ここには伝手がない。


「とりあえず、美味しいお店を探すか。」


客引きのように僕を呼んでいる。確かにこの町は初めてでどんな店があるかわからないが…なんとなくドキドキする。


「すみません、一人で大丈夫でしょうか?」


そんな中、僕は一人で静かにたたずむ定食屋にいた。僕はここで魚の煮つけ定食を頼んだ。


「赤魚の煮つけか…美味しい。優しい味だ。」


ここの店主は無口だが、美味しいという言葉を聞いてどこか笑顔を見せたような気がする。本当は刺身が食べたい気分だったが、この煮つけはその気持ちさえも晴らしてくれる。しかも、ここの定食はあら汁をサービスしてくれたみたいだ。


「ごちそうさまでした。」


650モイの少し高めの朝食、しかし満足感はプライスレスだ。あとからその店を調べると、なんと隠れた名店だったという。しかも評価は高かった。どうやら他の店が強かったから隠れてしまったらしい。


「知れてよかった。そして、食べれてよかった。さぁ、あとは谷山に出るだけだ。」


バスは1時間に1本、次は30分後だ…いつもは一人が嫌だと思う時もあるが、今日は一人でよかったと思う。そして気が付けば…バスは来た。


「家に帰りたくないな…怖いな…」


そう思っていると、谷山に到着した。ここから梅野までは徒歩で15分ほど、歩くかと悩んだ時、電話が鳴った。


「もしもし飛翔さん?」

「結花さんか!びっくりした…それであの子は帰ったの?」

「…浩介の包囲網から逃げたわ。今そっちに戻らない方がいいわ。」

「え!?真音!?…そうなのか…」

「梅野の駅は避けた方がいいですわね…」

「そうか…」

「きらら大学なら逃げきれる…とは思えないわね…」

「じゃあどこに行けばいいんだろう…」

「いったん電話切りますね。」

「…ここでどうすればいいんだろうか。僕にはわからないな。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ