298日 学食
今日から仕事が始まった。学校も授業が始まってゼミに合流する…そんな季節だ。だが、僕たちは変わらない。去年と同じように学食を作る。
「…行ってきます!」
「いってらっしゃい!」
朝7時、家を出た。太陽は出ているので問題ないが、朝が早いので眠い。そして、起こす者もいないので、寝てしまったら終わりだ…
「おはよう!何寝ぼけてんの!」
「お…おはようございます!」
「なんなんだよ…惰眠むさぼらせて…がふ!」
「少し騒がしかったのでロールケーキをぶち込みましたわ。」
「俺はどこの天使だよ!」
「天使は飛翔でしょ…」
「まぁまぁ、今日からすべてやることになったんだしさ、まずは発注した材料とメニュー決め、あとは分担を決めようか。」
「そうだね!」
朝8時、朝ご飯を求める学生の列がちらほら見える。講義の開始は9時からなのであまり時間はない。注文を聞いておにぎりを握っては手渡していく京子とさくら、僕と雪で献立と発注を、真音が行列の整理に動いている。しかし、これでわかる通り人手不足だ。
「さぁ、次は今日の献立だけど…今日はカレーライスとわかめそば、わかめうどんは確定として…定食はどうするのよ。」
「今日の定食はサバの味噌煮を予定してたんだけど…」
「サバが手に入らず…代わりに明日に予定していた肉野菜炒めにしようかなって。」
「そうしましょうか。それで副菜はどうするの?」
「家からいろいろ持ってきました…!」
「さくら、ありがとう。今度それのレシピを教えてね。」
「はい!」
朝10時、昼飯用の材料の仕込みは終わった。学食サークルと協力して調理を進める。
「定食のご飯大盛りお願いします!」
「こちらラーメンはどうしますか!?」
「今日のラーメン…書いてないけどどうするんだ?」
「と思ったから作っておいたよ。今日は鶏白湯だ。」
「飛翔…いつの間に…!」
「朝食営業の人出が3人で大丈夫そうだったし…仕込みも切るだけだったから暇つぶしでね…あ、鶏の骨とか材料は持ってきたやつや今日の端材なんだよ。」
「そうきたか…」
「ちなみに味見はした。かえしを入れてからスープを入れてね。」
「は…はい!」
午後2時、営業終了。講義はこのあともあるが、学食の営業はこれで終わりだ。このあとは今日の反省と明日の確認だが…
「反省会ね。ないんだけど。」
「今日もスムーズでしたね。でもきちんとメニューの確認をしないといけませんね。」
「…ところで!学食サークルとの顔合わせはいつでしょうか…」
「そうね…金曜日の2時がいいなぁ。今年から会長じゃないから向こう次第だけど。」
「そうですね。あ、朝はもう少し早めに行きましょう!」
「そうね。みんな7時半ぐらいに来てたからもう少し早めに来て作業しようか!」
「はい!」
こうして、今日の仕事は終わった。