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329日 旅路


「7月になったけど…何も変わらないのね。」


7月1日、七夕まで残り少しといったところだろうか。1月から数えれば後半戦、この物語なら中盤戦の前半なのだろう。


「時には空気を入れ替えないと。」


そう思い外に出て、気晴らしに途方もない場所に出る。今日も今日とてどこへ行くのだろうか。それは風邪のみが知るのだろう。


「もうすぐ出発します!」


バスに揺られて数時間。栄町という場所に着いた。言っても、何が栄えているのかわからないが。


「ここ、新しい学校ができるんだな。バスまで数時間あるしのんびり散歩するか。」


この町は初めてだ。人も車も、都会とは動き方が全く違う。みんながのんびり過ごして、時間を忘れるのではないかと少し考えたぐらいだ。


「しかし…誰とも喋らないとなると…やっぱり寂しいな。少なくても定食屋がないのだろうか。」


大きな道に出て、道なりに歩いた。歩いて歩いた。そして気が付いたら夜を迎えてた。


「なのに…どうして何もないんだ…まだ見えない町明かり…そろそろ温かいものが欲しいよ…」


まだ一人。そしてこれからも一人なのだろうか。気が付くとそんなことを考えていた。歩くたびにみんなの笑顔や声が浮かんでくる。


「みんなの事を思い出せなくなった時が終わりなんだろう。旅の終着点か…」


考えたこともなかった。旅と言っても家からはほんの数時間しか離れてないというだけで…と思ったとしても、旅というのは様々な解釈ができるだろう。例えば…


「人生というのを考えた時、僕の人生はあの日目覚めた時に終わったのだろう、ここで死ぬということは…どういうことなのだろう。考えたって仕方はないのだが。」


人生は旅だとして、終わってしまった先には何があるのだろうか。死んだとしても…そう考えないようにしなければ。


「やっと大きな道に出た。ねぇ、ここは…どこなの?」

「さて、どこでしょうね。」

「待って、この人ご飯食べてないでしょ。」

「えぇ…この道だとご飯屋さんもないですから…ま、私たちもご飯食べてないですので。」

「そうだね。朝起きたらずっと勉強だもの。学食も今日はないし辛かったな。」

「もしかして…君たちは学生?」

「そうだね。今年から高校も大学に統合されちゃって…おまけに学食も学生主体になっちゃって…困りました…」

「そうだったんだ…その学校に購買や弁当屋があるといいよね…」

「弁当屋はあったんですよ。つい先日つぶれちゃいましたけど。」

「そこの弁当屋さんの従業員が体調不良で…まさかこの世界にもその概念が…って思いましたけど、魔力の使い過ぎだったみたいです。」

「しかも、長年そうだったらしくて…もう弁当屋もできないらしいですって。」

「だから勉強して、卒業試験に合格して、弁当屋になろうと?」

「…そうですね。」

「そうだ、このお店にしようよ。」

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