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328日 フルコース


街の旅館で、突然三ツ星シェフのフルコースのディナーが始まる。


「まずは前菜の生ハムとチーズの盛り合わせです。」

「…へぇ、あったんだ。」

「わたくしの晩酌用でした…まぁ、いいんですけど…」

「あ、え。食べたことない。」

「こちらのワインとともにお楽しみください。」

「…あ、え、やば。」

「語彙力を減らすほどおいしい…」

「これが三ツ星…」

「次に暖かい前菜として…野菜の蒸しです。」

「このソースをつけてください!」

「…恵斗もうまいんだよね…とりあえずやばい。」

「みんなやばいしか言わなくなりましたね。」

「…言葉を失わせておいた。さぁ、ここからがショータイムだ。まず、スープです。」

「こちらジャガイモの冷製ヴィシソワーズでございます!」

「…すごい繊細で…それでいてうまみが…」

「こういう味って大体ブイヨンで決まるけど…よくやったな…」

「次はメインその1、魚のブイヤベースです。」

「魚が分からなかったみたい。」

「でも…うまい。とりあえずうまい。」

「旨味が効いてるというより…何これ美味いって感じ。」

「バゲットも置いてあるので…より堪能できるかと。」

「…もう言葉も出ない。」

「次は…いったんソルベでも。」

「レモンの美味しい奴!」

「これ…二人ともうまいな。」

「やばい薬でも入ってるんじゃない?」

「入れてるのは愛情だけですよ。」

「さぁ、メインの…牛肉のロースト!」

「何これ…調理法と言い味と言い…」

「美味しいですわ!」


こうしてフルコースはフィナーレに突入した。


「最後にデザートの…アイスです。」

「市販じゃない!この味は市販じゃないよ!」

「これ食べたら市販に戻れないよ。」

「とりあえずいくら払えばいいかな!?」

「…今日はサービスですよ。」

「全部な。」

「ちょっとこれはすごすぎる…」

「飛翔、さっきの事なんだけど…いいかな。」

「どうしたのだろうか。」


少しして、外で話す飛翔と真音、そしてそれを後ろから見ている人たち。


「ねぇ、私たちってさ…結構長い時間一緒にいたじゃない…」

「まぁ、そうだよね。」

「それでさ…うん…」

「ゆっくり話してみて。」

「飛翔には、私が隣にいないとダメだと思うの…」

「え…」

「飛翔って親身になって話を聞いてくれるし…私の事も頼ってくれるじゃない…」

「まぁ…そうだね…」

「でも、やっぱり私…自分に正直になったときにさ、飛翔が私の隣にいないとダメだと思ったの。」

「どうして…?」

「飛翔って結構自分を追い込んだり責めたりするじゃない…それを見てるとね…悲しくなるの。だからさ、私の隣に来て。そしたらきっと…」

「…この世界って一夫多妻制にはなったけど、重婚制度は認められてないんだよね。」

「…知ってる。それでも…私の隣から離れないでほしいの。」

「私もです!」

「私も…あれ?みんな同じかな。」

「…僕たちは恋のキューピットになれたのかな?」

「さぁね?」

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