325日 真実の扉
「着いた。ここが例の場所だな。」
「あぁ、この中にいるはずだ。」
「ここって…」
車に連れられて向かったのはゲームセンターだ。このゲーセンはそこそこ大きく、まるで軍艦にでも乗ってるのではないかと疑うほどだった。
「この中にいるはずだ。大丈夫、スロットコーナーは二階だから。」
「その自信はどういうことですか…」
ゲームセンターの中も煌びやかで、まるで時間を忘れそうな空間になっているが…彼らは音ゲー方面へと向かった。
「空、元気だったか?」
「…久しぶりだね。」
「わたくしたちが悪かったです…」
「…君たち、誰?」
「え…」
「ねぇ、何で話しかけるの?そろそろゲームをしなくちゃ。」
「…え。」
「…そんなことってあるんだ…宏?」
「やっぱりそうか。」
「私たちが忘れてたから…」
「いや、違うんだ…空ってずっと引きこもってたでしょ。」
「あ、確かに。」
「速人や隆は入学試験を受け直して学校に通ったりオンラインで授業を受けたりしてるよな。空って何してたんだ?」
「あぁ、宏じゃん。それに初音も。覚えてる?」
「よっしーじゃん!」
「吉永君か。」
「やり手社長の!?」
「あ、もしかして夜明けのガイア見たの?飛翔君も学食ビジネス頑張ったのにね…」
「そうなんですよ…」
「ところであそこの客の話だよね?」
「そうそう!」
「あの子は記憶がないんだよ…いや、記憶を消されたんだよ。」
「え…」
「学校に行けば記憶は戻るというのに…彼女は一向に行かない。」
「行かせる方法は…」
「亀川大学の通信に連絡しようか?」
「あそこは定員も多いし大丈夫かと…」
「…彼女はそこをやめました。学びたいこともなかったみたいで…」
「それじゃあ…どうすれば…」
「方法はある。ただ、何人か呼べるか?」
「うちらの代ならいけるかもしれない。」
こうして、彼らの同級生が集結した。
「と言っても、これだけしかいないけど。」
「千明は仕事、魔王様も仕事。」
「でも、この人が来たからいいか。」
「…そう、記憶は戻せる。だが、二人で話したい…そうだ、関係ない人は帰った方がいい。特にそこの男。」
「はい…」
「…君はすぐに帰った方がいい。見たい気持ちはわかるが…」
「そうですわね。さぁ、帰りましょう。」
「あぁ、タクシー代は払うからな。」
帰りの道中、彼女の事を聞いた。どうやら篤史さんの嫁で一夫多妻制を可決した人物らしい。
「まさかあの人も同級生だとは。」
「魔王の嫁だったんですね。」
「名前は聞いたことあるんじゃない?」
「…あの人か…」
「そう、だからきちんと話を聞いた方がいいんですよ。」
「ところで…タクシーは今どこへ?」
「あぁ、神楽阪の駅だよ。」
タクシーは駅に到着した。長い一日はもう終わりを告げた。空も暗くなり、明日への期待と不安を胸に眠るのであった。




