320日 またあえるね
「飛翔、よく眠れた?」
「…あんまりいい夢じゃなかったけど眠れたっちゃ眠れた。」
「それはよかった…と言えばいいのかな?」
「…どういうこと?」
「悪夢にうなされてたの、知ってるよ。」
そうだ、友が焼け死ぬ夢はいい夢なわけがない。しかし、なぜ凛は知っていたのだろうか。
「知ってるも何も…同じ夢を見たんだよ。きっと誰か死んじゃったのかな。」
「それならもう情報は出てるよ。犠牲者の欄、確認して。」
「…この人も知ってる、この人もこの人も…みんな死んじゃったんだね。」
「僕の友はケガをしたんだ…まだマシだけど…能力を持たないとこんなにすぐ死んじゃうんだね。」
「そう…なんだよ…」
「撫子?」
「私は能力のない…ただの忌み子なんだよ。でも…それでも生きているんだ。だから…本当は私のような子も平等に扱ってほしいんだよ。」
「花言葉は純愛…これほど純粋で無邪気な子を守らないといけないのにな。まぁ、たぶん幸せ隊が守ってくれるよ。」
「どうして言い切るんだ?」
「…葵ちゃんも飛翔君も…能力者でしょ。」
「昇…逆に君は…」
「僕はそうかそうでないかを見極めるのが得意なだけだからね。別に能力は持ってないよ。」
「それなら…」
「でも、別に差別しようだなんて…僕には見えなかったな。」
「…だって、なんで差別しなきゃいけないの?」
「撫子は撫子。能力がどうとかじゃない。その子次第だから。」
「そうね。そうだ、千明は料理できた?」
「うん、早く食べよう。」
朝食はサバのホットサンドだった。これもこれで普通だが、外で食べると美味しいのはなんでだろう。
「ごちそうさま。そういえば後片付けを任せたいのだけど…」
「それなら俺がやるので。あとは任せてください。あ、凛さん。メアドを…」
「もう交換した。飛翔くんが残してくれてたみたい。」
「…ありがとう。」
こうして後片付けを速人に任せて車で別の場所に行った。
「これから僕たちはどこへ…」
「加茂…の近くの上村。加茂も無事だけど人が多いのよ。」
「そうだったのか…」
「ところでさ、本当のアジトって…」
「原省吾ならみなみのじゃない?」
「昔の天使会の拠点だからね。」
「それなら上村よりもっといい場所あるのかもね。」
「それこそ谷山じゃない?」
「…そこだ。そこに行こう。」
「おっけ、ぶっ飛ばしていくぜ。」
こうして谷山方面へ車を走らせていた。しかし、途中で何かあったみたいだ。場所は繁華街の一つ、東町。
「僕はこのままいくけど、降りるか?」
「私は降りる。」
「私も。」
「僕はこのままいく。」
「私も行くよ。」
「なるほどね。凛、撫子、降りようか。」
「わかったよ。ふん。」
「…絶対後悔するからね!」
「…どうしてこうなったんだ?」
「おはよう千明…実はね…」
2人は西町のロッカーに忘れ物をしただけだったらしい。しかし、寄らないことが分かると駄々をこねたので下ろしただけだという。




