317日 今日、君がいない
「お誘いありがとうございます。ですがわたくしたちは買い出し帰りなので…」
「それなら心配ないって!」
「あれ?浩介さん!」
「あぁ、嫁にお使い頼まれててさ。そんで、帰り道になるわけだからついでに置いていくってことだ。」
「結婚したんですね、わたくし以外の人と。」
「…君も結婚してるだろ。」
こんなほほえましい会話をしながら、浩介さんは僕たちの品物を持って帰った。
「さて、加茂駅まで向かいますか。」
「は、はい…」
電車に揺られて少しすると、大学の最寄り駅、加茂に到着した。しかし、改札を降りると何やら騒々しい雰囲気がする。
「おい、もう投降しろよ!」
「俺らは残る!」
「でも、それじゃあ意味がないぞ!」
「卒業させない委員会側が悪い!」
「どうして委員会側のせいにするの!」
「俺たちは卒業できるはずだからだ!」
「…あ、飛翔さんたち!お願いだからこの人たちの説得を変わって!」
「師匠…分かりました。説得なら任せてください。」
「ありがとう!」
「君はどこの誰だい?」
「長光大学の佐治木だ。また会ったなそこの気弱な人!」
「佐治木君はどうして合格できないと思うの?」
「そっちが選んでいるからだろう?」
「そうだね。じゃあ何で選んでいると思うの?」
「そんなの知らない!」
「人と仲良くできるかどうか。その一点だよ。」
「どういうことだ!」
「なんで学力より先に集団討論が来るか、考えたことはある?」
「そんなの人間選びのため…」
「そこでの姿勢や態度を見てるんだよ!学力はその次!だから基本的に討論で落ちることはないんだよ!」
「でも僕は落とされた!チーム全員だ!」
「君ってさ、前にもこんなことしてさ…どうしても合格したいの?」
「あぁ、それと神野君の恨みを晴らしたくて!」
「だったらこんなことをするな!こんなことをしなくても合格できるかもしれないんだよ!」
「嘘をつくな!こうして妨害すればいいんだよ!」
「妨害したら合格から遠のくんだよ!これ以上立てこもって人を困らせるのをやめなさい!」
「うるせぇ!ぶん殴るぞ!」
「殴ってみろ!」
「…え?」
「殴ってみろよ。ガキが。」
「誰だよ!このおっさん!」
「俺は大湊の漁師で、隣はここら辺の不動産王だ。」
「…それがどうした?殴ってやるよ!」
「…来いよ。来ないのか?口だけなのか?」
「…雅、やめとけ。」
「…殴れないのを知ってるからこうやってるんだよ。だって、こいつらの腰が引けてるからな。」
「くっ…今日はこれで勘弁してやる。」
「そしたら警察に行けよ!」
こうして立てこもりは解決した。しかし、まだ脅威が収まっていないと魔王がいう。次に狙われるのは…神楽阪らしい。でも、どうして?その疑問ばかりが頭をよぎった。
「まぁ、こうして無事に終わったことですし…これから…って飛翔さん?」
「待って、飛翔がいないぞ!一体どういうことだ!?」




