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追憶の冬

 静かな部屋の中に包み込むような珈琲の匂いが充満している。木でできたテーブルには珈琲カップ一つとフィルムカメラが置いてあり、雪解け水が滴る窓から差している日差しが心地よかった。

「あちちち、あちっ...」

半分反射的に声がでた。淹れたばかりの珈琲は熱くて飲めなかった。「ふーっ」と息を吹きかけて熱を覚ますことにしました。かっこ悪い...


 自分好みの温度になった珈琲に顔を近づける。そこには黒い液体に映る自分がいた。「ぐっっ」と、その顔を掻き消すように一気にそれを飲んだ。瞬間、口に広がる苦味に顔を顰めながら喉に熱が通り過ぎるのを感じた。大好きな砂糖や白いミルクが入っていない珈琲は苦くて嫌いだ。甘くないのは人生だけでお腹いっぱいです。


 ふと、テーブルの上の珈琲と一緒に置かれていたフィルムカメラに目を移しました。今の時代、一眼レフやミラーレス等のカメラが主流だけど、置かれているのは90年代に作られたフィルムを入れなければ写真が撮れない時代遅れなカメラ。36枚分撮れるフィルムには、まだ24枚分の空きがあった。ほぼ無意識に数ヶ月前にシャッターを切ってから時が止まったカメラをそっと撫でた。ぼんやりと考え事をしていると、口から暖かい息が逃げて身体を震わした。そしてまた、温もりを求めるように男は珈琲に口をつけた。


ここまで読んでいただきありがとうございます!

このお話は後日談みたいな感じで、次のお話からこの男に何があったのか最初から始まります!!面白かったり先が気になったりして頂けましたら、応援していただけると励みになります!^_^

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