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45/57

45.家族だから、大事にしている。妹は、疑うことを覚えた。

警察を呼ばれたので、駆けつけた警察官に、お母さんの不倫相手のところに一緒に来てほしいです、と言ってみた。


「いい加減にしなさい。ご迷惑をかけて、申し訳ありません。」

とお母さん。


「お母さんは、本気で、お母さんとお母さんの不倫相手の不手際に巻き込んだ警察官に対して、悪かったと反省しているの?」


「止めなさい。」

とお母さん。


「お母さん、不倫を止めてほしいのは、私だよ。」


「不倫なんて。」

とお母さん。


「どれだけ目撃情報があったか、一つずつ、今からお母さんに教えてあげる。」


「何を言い出すの!」

とお母さん。


「お母さんと不倫相手の服装、目撃した日時と場所が、お母さんの記憶と一致するといいけど。」


私は大きな口を使って、お父さんと私が姿を隠しながら、見ていた光景を一つずつ話していくことにした。


日時、場所、二人の服装。


「私の願いは、お母さんに家に帰ってきて、私を可愛がってほしい。それだけだから。」

私は、最初にそう断ってから、時系列で告げていく。


途中で切り上げて、建物内に、首だけ入れてから、受付の女性に向かって、私は大声で話した。


「お母さんの不倫相手は、待っていても、こちらに来ませんでした。


私は、裏口に回ります。


もし、私がいなくなってから、こちらの出入り口に来た場合、私から会いにいくからね、と伝えてください。」


「お母さんと別れたら、会わなくてもいいの?」

と受付の女性。


「お父さんは、私が離婚しないで、と頼んだから離婚しないの。

お母さんには請求しないけれど、お母さんの不倫相手には、お父さんから請求するものがあるかも。


私が譲歩したことをいいことに、私を虚仮こけにするから痛い目にあうの。」


受付の女性は黙った。


「お母さん。どうして、私に指摘されているか、分かる?


私を満足させた上での不倫だったら、目をつむってあげても良かったんだよ。


一番最初に、お母さんとお母さんの不倫相手には、私が目をつむる条件を教えてあげたのに。


どうしようもないから、これから、何回でも教えてあげる。


さあ、お父さんが、お母さんの不倫相手とお話合いしている場所に行こう?


建物の裏口だよ。


案内してあげるね。」


私は迷わずに歩き出す。


大きな口が、お父さんと私を待っている。


妹は、お母さんじゃなく、私の後ろについてきた。


「お姉ちゃんは、お母さんと仲良し?」

と妹が聞く。


気になったよね?

お母さんとお姉ちゃんが、たくさんお喋りしていたらね?


「私は、仲良くしたいと思うよ。家族だもん。」


「私は?私のことは?」

と聞いてくる妹は、今までのように、何が起きても自分は切り捨てられない、と楽天的な考えを持てなくなったのかも。


妹は、疑うことを覚えた?


お姉ちゃんは、嬉しい。


「くーちゃんも家族だよ。

くーちゃんが、私に仲良くしたらいいんだよ。これからはね。


私は、仲良くしようとしていたよね。


次はくーちゃんの番。期待しているね。


お姉ちゃん、この十五年間は、くーちゃんに譲ってきてあげたから、次の十五年間は、お姉ちゃんに譲ってね。」


私は、妹の顔は見ないで、ウキウキと妹に教えてあげる。


「お姉ちゃん。十五年って、私の年齢と同じ?」

と妹。


自分から確認するようになるなんて、成長したね。


傷だらけになった心に、私の思いは、どう響く?


私は、前を見ながら、満面の笑みを浮かべてしまう。


少しずつ、少しずつ、私の思い描いたものが、形になろうとしている。


「くーちゃんは、私の家族だから、今から十五年間は、私の前からいなくなったりしないでね?


家族は仲良く。


絶対だよ。」

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