一方その頃……――⑧
何故か投稿できずにこんなに月日が経ってしまいました。大変申し訳ございません。
「はは……!」
ザシュッ!
「はははは……!」
グシャァッ!
「あはははははははははははははは!」
デュチョォ!
「【剣聖】……やはりお前は最高だ……!」
目の前のモンスターを消してそう呟く。
「俺にもう敵は存在しねぇ……! おらぁっ!」
ダンジョンの壁を消して、上へと続く階段を登る。
ったく、それにしてもギリダスはどこにいるんだ……ユミルみたいに死んじまってないと良いんだが。
「まあ、俺にかかればすぐに見つけ出せるだろうがな」
そう言って、目の前にいたモンスター共を全員消す。
「ふぅ……」
そういやよくよく考えたら、あいつがこうすらすらとダンジョンの階段を登れるわけないか。
「……はぁ゛〜仕方ねぇ。戻るか」
【剣聖】を使って再度壁を消しながら、俺は元いた所まで戻っていく。
道中、巨大なモンスターがいたのでなんとなく消しておいた。
「ギリダスー! どこだぁー!?」
元いた場所に着いたのでギリダスの名を呼ぶ――が、反応は無し。
まあ、これは想定内だ。この階層は意外と広い。大体半径1kmくらいはある。だから探すのにも意外と時間がかかりそ……待てよ? 確か【剣聖】って概念的な障害にも通用するんだったよな? ……なら。
「【剣聖】」
そう唱えた途端、俺の右方向にあった壁が消え、さらにその奥にある壁も消えていき、一本の道が出来ていた。
「ははは……最高だぜ【剣聖】」
俺はギリダスの元に辿り着きにくいという障害を消したのだ。毎度【剣聖】のとんでもなさっぷりに興奮する。
【剣聖】によって出来た道を、モンスターを消しながら突き進んで行く。
だが……
「……着かねぇ」
かなりの距離を歩いたが、ギリダスはどこにもいない。
本当にいるのか? いやでも、【剣聖】が発動したってことは、まだいるってことだよな。じゃあまあ、ただ単にまだ着いてないだけか。
『ゲブァオウルブシェアアアァァァァァァアアアアアアアア!』
「はいまた雑魚が一匹と」
愚かにも俺に襲いかかってきたモンスターを消す。すると、カランと何かがモンスターのいた位置に落ちた。
「ん? ……あ!」
そこに落ちていたのは、ギリダスの持っていた武器だった。
「こ、これギリダスの……! なんで武器だけ……」
そこで、俺は一つの可能性を思いついた。思いついてしまった。
「まさかあいつ……あのモンスターに食われてて……それを俺があいつごと《《消しちまった》》……?」
いや、いやいやいやいやいや、そんなわけがねぇ! 俺がそんな……ありえない! 俺がそんなミスをするわけが…… !
「あ、あぁ、【剣聖】をやれば済む話じゃないか」
俺はギリダスがいる場所に向かう際にある障害を消すために【剣聖】を使った。
「ほ、ほら!」
すると、俺の右の方にあった壁が消えていった。
「やっぱり。俺がそんなミスする訳ねぇよな! この武器も俺から見えない位置に刺さってたとか、そういうんだろ!」
俺はそう言ってギリダスの武器を持ち、新たにできた道を歩いていく。
しかしまた一向に現れない。
「……ギリダス! どこ行きやがったあいつ!?」
この俺にここまで探させておいて出てこないって、何してるんだあいつは!? もし会ったらぜってぇこの借りを返して貰わねぇと! じゃねぇと割に合わねぇ!
『グチャグチャ』
『モチャモチャ』
「チッ、うるせぇぞお前らぁ!」
近くで耳をゴワゴワさせるような音を出してやがったモンスター共を【剣聖】で消し去る。
「は?」
何かを喰っている奴らを消せば、当たり前だがその喰っていたものが目に入る。
「あああ……」
だが、今回ばかりはそれを見ない方が良かった。
「《《ギリダス》》ッッッ!」
俺は急いでギリダスの元へ駆け寄り、生きてるかどうか確認した……が……。
「っ……死んでる……」
暗くて分かりにくいが、四肢は無く、腹からは大量の血が出ており、顔も一部がなくなってしまっている。
「くそ……くそぉ……」
それを見て俺はしゃがんで頭を抱えて、そして――
「ふっざけんなっ!」
ギリダスの死体を思いっきり蹴飛ばした。
「俺がお前を探すのにどれだけ手間と時間をかけたと思ってるんだ!? さっさと上に上がれるなか、お前のために俺はこの階層に残り続けてやったんだぞ! だというのに結局死んでるだと!? ふざけるな! くそっ! この野郎ッ!」
俺は転がっていったギリダスの死体を再度蹴る。蹴って蹴って、蹴りまくった。
「はぁ……チィッ! 【剣聖】!」
そして、蹴りまくってもこのむしゃくしゃした気持ちを消さなかったので、【剣聖】でギリダスの死体を消した。
そう、消してしまったのだ。
「あっ……………………ああぁぁぁああああ!」
俺はすぐに自分のやってしまった過ちに気付いた。
地面にうずくまり、何度も何度も地面を叩く。
「やっちまった! 何で俺はこんな……あいつを消しちまったら、《《もう蹴れねぇじゃねぇか》》!」
そんな間違いをこの俺が犯してしまったことが悔しくて、しばらく地面に這いつくばりながら大声で悪態をつき続けた。
しばらくして、ようやく落ち着いた俺はゆっくりと立ち上がって、スッとこう思った。
(俺がこんな間違いをしちまったのはギリダスが弱かったせいだ……そして、ギリダスが弱かったのはあいつ……《《アイツ》》がいたからだ……!)
そしてダンジョン内を歩きながら、口にする。
「待ってろよ……お荷物……!」
憎い憎い、俺が絶対に復讐してやらねぇといけない、そいつの名前を。




