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モンスターと召喚士達

「逃げたって……え!?」

「いや本当に参っててね。いつこの世界が破壊されるのかとヒヤヒヤしているんだ」

「テュポーンってそんなにヤバい奴なの!?」

「その気になれば多分そっちの六大国なんてすぐに吹き飛ばせるんじゃないかな?」

「うぁ……?」


 六大国を吹き飛ばす……? 規模が大き過ぎて実感が湧かない。


「ともかく! そいつがヤバすぎるから、どうにか【召喚(召喚士)】()らとマスターで探して捕まえたいんだ!」

「……六大国を吹き飛ばせる化け物を?」

「そう!」

「…………」


 そ、そんな事が可能なのか?

 俺らなんて一瞬で消し炭にされそうだぞ……?

 というか、深層にそいつがいなくて良かったー……!


「……まあ、協力するって言ったんだから協力はするけど……何か策はあるの?」

「よしきた! ちょっと!」


 彼はそう言って遠くで作業していた人を呼んだ。


「何?」

「この間作ったあれ、持って来て!」

「あぁあれ? 了解」


 そう言うと、彼はスタスタとどこかへ歩いて行き……少し経って何やら細く丸めた紙を持って来た。


「それは?」

「これが、この間行われた作戦会議での作戦だよ」

「それが……」


 広げられた紙を見てみると、まずテュポーンの特徴、そして様々な現在地の推測や、攻撃パターンなどが書いてあった。


「攻撃パターンその1……半径2km内の物を消滅……?」

「あぁ、まあテュポーンの通常攻撃みたいな物だね」

「通常攻撃が必殺技すぎない!?」

「まあ、神とほぼ互角の力を持ったモンスターだし」

「そ、そうなの!?」


 なんか……今更ながらとんでもないモンスター捕まえようとしてる気がしてきた……。


「あっ、そう言えばマスターに伝え忘れてたんだけど」

「何?」

「マスターはこの世界で死んでも現実では死なないから、何回でもテュポーンにアタック出来るよ」

「おぉ……! ……ん?」


 それって、何回も死という苦痛を味わう事にならないか?


「大丈夫大丈夫。マスターはあの地獄から這い上がって来たんだから」

「まあ、確かにそれはそうなんだけど……」


 それとこれとは関係なくないか?

 と思ったが、精神面的なものだったら何回も死にかける様な経験をしたし、結構丈夫なのかもしれない。


「それじゃあ、読み終わったら言ってね。俺らはその間モンスターの飼育とかしてるから」


 そう言うと、彼は奥の方にいた何か大きなモンスターに餌をやり始めた。

 そう言えば、ここにいるのは俺が後々召喚するかもしれない召喚士さん達が召喚するモンスター……なんだよな?

 せっかくの機会だし作戦を見ながらちょいちょい見てみるとするか。


「えーと……あのモンスターは……?」

『『『ア゛ウッ! ア゛ウア゛ウッ!』』』


 頭が三つもある犬だ……しかも物凄く大きい。

 多分一つの門の大きさくらいはありそうだ。


「あっ、マスター、その子はケルベロスってモンスターだよ」

「ケルベロス……」


 聞いた事があるような無いような……。


「元々冥界の門を守護してた番犬だね」

「何でそんな番犬がここにいるの!?」

「そりゃあ……【召喚(召喚士)】()らの力で……」

「……とんでもない力持ってるね……」

「マスターの能力だから」


 何の説明にもなっていない説明を聞いた俺は、ケルベロスの方を向く。


『『『ア゛ウッ!』』』

「あぁ、一応言っておくけど、触れようとしたりしちゃダメだよマスター? まだ調教出来てないんだ」

「そうなのか……」


 召喚士を召喚する時に、このケルベロスちゃん……または(くん)を召喚出来る召喚士が来たら……なんて言うか感慨深くなる気がする。


「あっ、あと」

「ん?」

「畜舎の前に今未召喚召喚士の人達が沢山いるけどあんまり気にしないでね」

「え?」


 そう言われて畜舎の出入り口の方に視線を向けると……


「「「「「「キャァァァァァー!」」」」」


 物凄い数の女性がこちらに歓声を上げた。


「今こっち見た! こっち見た!」

「凄い! 私今目合っちゃった!」

「立っている姿……! 美しい……!」

「あの方が私の召喚主となるお方! はぁー、はぁー、大丈夫かしら私!?」

「召喚主様ぁー!」

「…………」


 な、何なんだあれは……!?


「あれがその……僕らが育成しすぎちゃった召喚士達……言わば生徒……かな?」

「生徒!?」


 そ、そんな感じなのかここでは……。


「うん。それじゃあ、俺は行くから。基本的にモンスターには触れないでねマスター。……あと彼女達にも」

「あ、ああ。分かった」


 そう言って彼はスタスタと畜舎の奥へと向かった。


「……」


 チラッ、と後ろを振り返る。


「「「「「キャァァァァァアアアアアアア!」」」」」


 よし、後ろはもう振り返らないどこう。

 俺はそう決意して、作戦が書かれた紙を読むのだった。


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