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一方その頃……――⑤

 俺らはそれから、ひたすらダンジョンに潜り続けた。

 理由はただ一つ。この癖を早く直してあのお荷物(ルイド)をボコボコにする為だ。

 まあ今の俺らの状態でもボコボコに出来るだろうが、それじゃあ本当のボコボコには出来ない。

 癖が直って、更に強くなった状態で、俺らにこんな屈辱と苦労をさせた罪を、(つぐな)わせてやる。

 そうじゃないと割に合わない。

 俺らがこんなに苦労しているのに、あいつはのうのうと生きてるんだから。

 いや、どっかで野垂れ死んでるか?

 だったら困るなぁ……償わせられないじゃないか。


「どうだ? 癖は直ってきたか?」

「んー、まあ直ってきたと思う」

「そうか、よっと」

『ギギャ!』


 ギリダスが近くにいたモンスターを斬る。

 こんな感じで低層のモンスター相手なら、今みたいに会話しながら戦闘出来るようになってきたので直ってきているのは間違いないだろう。


「じゃあ今日は少し奥に進んでみるか」

「おっ、良いな! そうするか!」


 ミリスにもそう伝え、俺らは二層目へと降りて行った。


『ビルジョエー!』

「おらっ!」

『ビジャッ!』


 おお、二層のモンスター相手にも普通に戦えるじゃないか。

 やっとあいつが残していった癖が消えてきたようだ。


「よっしゃぁー! この調子でどんどん行こうぜー!」

「こらギリダス! まだ二層目なんだから調子に乗らないの!」

「す、すまん……」


 なんかこういうのを見ると、あいつがいなかった楽しい頃を思い出すなぁ……。

 ……そう考えると、本当にあいつは俺らの旅をめちゃくちゃにしていきやがったな……。


「今日は三層まで潜ろう。金になるモンスターがいるかもだし」

「分かった」

「分かったわ」


 三層に降り、そこにいたモンスターを倒しまくる。


「……ねえ」

「ん?」

「あれ何?」


 戦闘が終わって、素材を回収しているとユミルがそう言った。

 何だ? 何かあるのか?

 ユミルが指差す方を見てみると、岩陰に遺跡にあるような壁が地面にめり込んでいた。

 多分、岩で見えてないだけで奥にもっとある。


「……何だあれ?」


 ダンジョンに遺跡があった事はほぼ無い。

 あったとしても、もっと深い下層とかくらいでしか見つかっていない。

 第一、こんな浅い階層にあるんだったらとっくに誰かが見つけているはずだ。


「遺跡か?」

「だったらもっと深い所にあるはずでしょ」

「だよなぁ……」

「でも、それならこれは何なんだ?」

「……調べてみる?」

「いやぁでもトラップとかだったら怖くねぇか?」

「そうだけど……何かお宝の匂いがするのよ!」


 そう言ってユミルは岩陰へと走って行ってしまった。


「あぁおい!」


 全く、前に協調性が大事だと言ったのに……!

 ユミルを追いかけ、俺らも岩陰に入った……が、岩陰の向こうにはあの遺跡の壁が沢山あるだけで、ユミルの姿はなかった。


「……あれ?」


 ユミルは……どこだ?


「おぉーいユミルー! こんな状況でふざけるのはよせー!」


 ギリダスがそう叫ぶも、ユミルが出てくる気配はなかった。


「ユミルー! ユミルー!?」

「どこ行ったんだ?」

「分かんねぇ。ユミルゥー! ユミ――」


 その瞬間、名前を叫んでいたギリダスが――突然消えた。


「う、うわっ!?」


 な、何が起こってるんだ!?


「え……ギ、ギリダス……?」


 返事はない。

 ただ沢山の遺跡の壁しか、目の前には無かった。


「ど、どうなってんだよ!?」


 そして俺は急いでその岩陰から出ようとしたが……


「うっ!」


 突然眩い光が目に入り、視界が真っ白になった。


「あぁぁ……くそ! 何なんだよ……!」


 徐々に目が治り、見える様になってくると……


「……え?」


 先程までいた場所とは全く違う場所だった。


「ど、どこだここ……?」


 壁の色が()()()()()()だ……。

 でもこんな層……聞いた事も無いぞ……?

 おい、本当にどこなんだよここは!?


『ルゥヴォウンウェェェェェェェェェッ!』

「!?」


 な、何だ今の鳴き声は!?

 くそ……何がどうなってる……!?

 あぁなんで俺がこんな目に!

 ……落ち着け俺。こんな時こそ冷静に、だろ。


「取り敢えず、ここがどこなのか調べるか」


 あの遺跡が関係しているのならば、何かしらの手掛かりがあるはずだ。

 それにあの場所で転移したという事は、ユミルやギリダスもここら付近にいる可能性が高い。

 出来れば合流したいところだ。


「よーし、行くか!」


 そうして俺はユミルとギリダスと手掛かりを探す為に、この謎の場所を探索し始めるのであった。


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