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暮らしのヒント

今年も健康診断へいってきた

作者: 山本大介

 今年も・・・。


 今年も健康診断の季節がやってきました。

 毎度、近くになると緊張するのよね。

 胃の透しでトラウマ植え付けられて以来、年一のイベントは憂鬱なのです。

 そうして当日を迎えました。

 奥さんからは、

「ね、顔が強張っとるよ。バリウム緊張しているの。怖いの?」

 と、嬉しそうに煽ってきます。

 え~。

 実は私、むかーし、発泡剤でリバースしまして、それからトラウマになって、しばらく胃透しの検査受けてなかったんですよ。結婚を機に奥さんの「受けなさい」の鶴の一声で、現実逃避から向き合うようになったのでした。

 で、誰の為に受けていると思っているんだと悪態をつきたいところですが、正直、そんな余裕もありません。

 車で約25分かけて病院に到着後、私は受付を終え、待合の椅子に腰をかけて待っていました。


 病院健診なので、いろんな職場から診断に来られます。

 後から来たお兄ちゃんが、受付の方とのやりとりで、


受付「夕食は何時に食べられましたか」

兄ちゃん「12時」

 その言葉に待合室は微妙な空気が流れます。

受付「・・・お昼じゃ、ないですよね」

兄ちゃん「うん、だって仕事が23時に終わったもん。仕方ないやん」

受付「そうでしたか、21時以降の食事だと検査で数値があがることもありますけど、今日、受けられますか」

兄ちゃん「うん」


 ほほう、男だね~。

 私はそう思いつつ、

 さては健康診断はじめてだったかな?

 それとも案内の紙を読んでない?

 いろんな妄想をしていしまいました・・・しかし何物にもとらわれない・・・それもまたアリだなとお兄ちゃんに、ちょっとだけ憧れたりしちゃって(笑)。


 続いて、問診表にノー記入のおじさんが、係の方に言われて後ろの台で記入しています。

 その一言が大きく、丸聞こえです。

「そんなん分からんし」

「こんなん書かやんと」

 と言った調子、記入後に係の方に問診表を渡すと、

「なんか分からんやったけん」

「あー、書けているじゃないですか、じゃあ、大病したことありますか?血圧は・・・薬を飲んでいる?そうですかー」

 と、うまい具合に尋問されておりました。

 係の方も大変だな~。


 病院での健康診断って待ち時間がかかりますよね~。

 そんな時は、奥さん、読書なんていかがでしょう。

 そんな訳で(どんな訳だ、笑)、バックに本をしのばせて、今回の健診に臨んだのでした。

 最後の難関、発泡剤とバリウムまでのお供にしませう。

 まずは身長、体重、胸囲、聴覚、視力、血圧から、血液検査へ。

 待合時間に本をぺらぺら。

 尿検査、心電図、肺のレントゲン。

 さ、決戦(胃透し)にいきますか(大げさ)。

 待合室の椅子に座り、緊張を紛らすには本を読むに限ります。

 助かるじぇい。


 だけどぉ、ドキドキムネムネやっぱり緊張します。

「山本さん」

 いよいよ名前を呼ばれると、私は緩慢な動きで本をバックに戻し、検査室へ入ります。

 服を着替えて先生と対面すると、シャカシャカと、バリウムが出来あがっておりますたい。

「じゃ、発泡剤とこれを(少量の水)」

「先生」

 私は先生の機先を制します。

「はい?」

「私、発泡剤は飲むのヘタクソなので、バリウムと一緒にちびちび飲んでいいですか」

 真剣な眼差しで訴えます。

「ああ、そうでしたか。では、頑張りましょうね」

「はい」

 右手に発泡剤、左手にはバリウム。

 これが俺流(笑)なのです。

「ごくり、ごくり」

「バリウムは検査にも使うので・・・」

 先生が飲み過ぎにNGをだされます。

(はい)

 こくりと頷きます。

 ちびちび。

 なんか、油断していると発泡剤が口の中ではじけだします・・・しかし無理矢理、バリウムで流し込むのです。

 しっかし、バリウムもドロドロでまずい事、この上なしです。

「はーい。辛いけど、頑張ってくださいね~」

(はい)

 こくり、こくり。

「はーいOKです。こっから検査に入ります。もう少し頑張りましょう」

 で、例の如く、ぐいんぐいん回って動く、台に乗せられ、先生の指示で右向いたり左向いたりと・・・。

「お疲れ様でした。げっぷしていいですよ」

「ありがとうございます」

 先生に頭をさげつつ感謝なのです。

今年も、なかなか手ごわい相手でした。


 で、オチなのですが・・・バリウム飲んだら、早めに出した方がいいのです。

 お腹の中に入れたままにしていると、固まってうんちがでなくなるんですよね~。

 今回、その日にあまりうんちの出がよくなくて(3回した)、夜中にいただいた下剤を飲んで寝ました。

 次の朝のうんちはぽろりだったので、ちょびっつ心配でした。

 で、職場でもよおした時、思いつきました。

 あ、和式便所でしようと、ここのトイレ和洋ありますので、需要の少ない和へGOっ!

 うん。

 ザ・ウンチング・スタイルっ。

 ふんばりがきくぞ~。

 これなら、快便に期待できる~。

 いくぞ~。

 我、宿便を祈願する者なり。我が身に宿りし芭莉宇無(バリウム)よ。今、オシリアナよりいでよ!

 ぷっすう~ばふっ!ぶりぶりぶりぶりぶりぶり~。

 こんもりっ。

 よっしゃああああっ!

 みっしょんこんぷりーと、なのでした。



 大変でした(笑)。

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― 新着の感想 ―
[一言] 全身麻酔で五回手術した経験から大学病院の先生に聞いたら会社等の健康診断は意味がないみたいです、ある程度進行した症状を見つけて、大学病院に行ってある程度の判断を求められる(命の選択)場合が多い…
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