⑥
「そろそろ痛んじゃうし食べないと」と昨日の朝買ったメロンパンを三つに分けて、イリスとリーリエにも渡す。
二人は見た事もない物を手渡されて警戒している。
「ここのパン屋は警戒しなきゃいけないモノも売ってるけど、メロンパンは警戒しなくても大丈夫だよ」と俺が率先してメロンパンを口に運ぶ。
うん、甘い。
この甘さはきっとこの世界ではない甘さだろう。
俺の真似をしてイリスとリーリエがメロンパンを口に運ぶ。
驚いた二人がこちらを見る。
「ジンが『違う世界から来た』と言うのは本当だったのか!」とイリス。
俺が散々説明したのは信じてなかったクセにメロンパン一つで信じちゃうのか!
「ジンの事を疑ってた訳じゃないけど、ジンの話には現実味がなかったからなー」とリーリエ。
「メロンパンのどこら辺に違う世界を感じたの?」
「異次元の『甘さ』だな。
以前に食べた人間の菓子ですらこの甘さには遠く及ばなかった」とイリス。
「菓子じゃないんだけど。
いや、おやつとして食べても良いのか」
「とにかく"ソレ"はこの世界の物ではない。
そして"ソレ"を包んでいる袋があるだろう?
その袋は紙で出来ているだろう?」
「そりゃ紙袋だし」
「この世界で紙を食べ物の袋にする、という発想はないのだ」
「何でまた?」
「この世界では紙と言えば、同じ重さの金と取引される、と言う話だ。
人間社会の事だから詳しくもわからないが、紙の材料になる『パルプ』はエルフと人間の取引の要だ。
パルプを人間は上手く栽培出来ないから、エルフから高価で買っている。
『パルプさえ人間が栽培出来るようになれば、人間はエルフの森を焼き尽くす』などと言われている。
そのくらい紙は人間にもエルフにも大切な物なのだ。
食べ物の袋にするなどこの世界では有り得ない。
つまり、ジンはこの世界の人間ではない」
「・・・でジンは元の世界に帰りたいのか?」
「わからない」
「わからない、とは?」
「俺がいた世界はとにかく安全だったんだよ。
一番の危険は『訳のわからんパンを食わされる事』だったんだ。
そういった危険のない生活が懐かしくない、と言ったら嘘になる。
食べ物、調味料のレパートリーも比べモノにならないくらい多い。
移動だって本当に楽チンだ。
こんな山道を何日もかけて歩く、しかも間にモンスターが出没する・・・なんて事はなかった。
でも・・・」
「でも?」
「元の世界にはイリスもリーリエもいない」
ふっ、決まったな・・・アレ?イリスがプイって向こう向いちゃったぞ?
わざとらしかったかな?
おーいイリスさんや、こっちを向いてくれー。
よく見るとイリスの耳が真っ赤に染まっている。
良かった、俺のクサい台詞に照れているだけみたいだ。
「それに『帰るか』『帰らないか』は今考える事じゃない。
いざ『帰れる』となった時に初めて考える事だと思う。
『帰れる方法』を探すのは『帰るため』じゃない。
『スタートラインに立つため』だ。
選択肢を得た時に初めて悩む権利があるんだ。
俺は今『帰り方』『俺がここに来た意味』『俺をここに呼んだ存在』を探っている。
その謎が解けた時に『帰る』か『この世界に残る』かを悩むかも知れない。
でも悩んだとしても一つだけ悩んでいない事がある」
「それは何?」
「イリスとリーリエと離れない」
ちょっと臭かったかな?
でもイリスも満更でもないみたいだし、リーリエも聞いてないのかな?って思ったけど尻尾が千切れるくらいにブンブン揺れていた。
朝食を食べる。
やっぱり調味料が足りない。
それに薄味だ。
食糧事情はこちらの世界は終わっている。
人間社会、ほかの集落はもう少しマシかも知れない。
そういう意味でも竜人の集落に行かなくては。
そして昨日話があった懐中時計を持ち込んだ地球人の話。
転移・・・って言うんだろうか?
彼のような人を探したい。
彼は地球に戻ったんだろうか?
この世界で生きているんだろうか?
この世界で死んだんだろうか?
とにかく知りたい事が多すぎる。
そして彼が持ち込んだ懐中時計、そんな竜人の集落にも地球人の痕跡があるかも知れない。
例えばイリスが紙袋にカルチャーショックを受けたように、竜人も地球人の何かにカルチャーショックを受けたかも知れない。
朝食が終わる。
「もっと美味しい朝飯を作るから!
だからアタイを捨てないで!」リーリエが俺に泣きついてくる。
なんだ、なんだ?
「どういう事?」とイリスに聞くと俺が食事中にずっと眉間にシワを寄せて難しい顔をしていたのをイリスもリーリエも気にやんでいたらしい。
挙げ句に俺は元の世界の『メロンパン』を自分達に食べさせた。
もしかしたら『これくらい作ってみせろ』という意味だったんじゃないか?と。
んな訳ない。
難しい顔していたのは考え事をしていたからだ。
メロンパンを食べさせたのは『自分一人だけで食べるのは気が引けるから』だ。
だいたい俺もメロンパンなんて作れない。
自分が作れないモノを偉そうに人に『作れ』なんて言えないし、言う気もない。
それに二人に見張りをやってもらってるんだから『料理くらい俺がやろうかな?』なんて考えてた。
料理をやろうと思ってたのに、寝坊して既に朝飯が出来てたからちょっと気まずかった。
『俺は役立たずだ、捨てられるかな?』なんて思ってたら突然『捨てないで!』と言われた。
後で聞いた話だが、普通見張りは強い者の仕事なので、リーダーが率先して行うらしい。
それ以外の仕事はその他の者が行う。
つまりリーダーの仕事は『群れを守る事』だ。
俺は『見張りの作法』を知らない。
だから見張りはメンバー任せだ。
そしてそれ以外の仕事もメンバー任せだ。
俺というリーダーは群れのために『何にもしていない』と言う事になる。
朝食の後、俺達は西の竜人の集落に向かって出発した。
かなり標高が高いせいか、かなり気温も低い。
かなり霧が濃くなってきた。
足元すら見えない。
心細くなりイリスとリーリエを呼ぶ。
「・・・・・」
呼び掛けに返事はない。
何度か呼び掛けて見る。
どうやら霧の中ではぐれたようだ。
参った。
俺一人だと道が全くわからない。
そして戦力としても全然足りない。
「山で遭難した時に動いちゃダメなんだよな、確か」
俺はうろ覚えの知識を総動員する。
動いちゃダメとなりゃ路肩に腰を下ろすしかない。
そうだ!
こういう場合、どうすれば良いが童話でみたわ!
パン屑を撒いて、それを道の目印にするんだ。
メロンパンがあったじゃない・・・今朝食べちゃったんだった!
しかもあれ、鳥にパン屑を食われて道の目印、わかんなくなっちゃうんだよな。
パン屑はダメだ、どうしよう?
ーーーーーーーーーーーーー
「『霧の中じゃ無闇に動かない』
そんなのは子供でも知ってる鉄則だろうが!」とイリス。
「そんな事は子供でも知ってる、と決めつけてジンに言わなかったのはアタイらのミスだよ。
ジンは別の世界から来たと言ってた。
だからアタイらの世界の常識が通じないってのは考えておくべきだった。
これはジンの落ち度じゃない。
アタイらの落ち度だよ」リーリエが柄にもなく冷静に言う。
リーリエは山道での行動に慣れている。
だから子供と一緒に行動する事だってあった。
だが、ジンに子供にするような注意をしなきゃいけない、なんて思わなかったのだ。
「イリス、ここを動くなよ?
アタイは霧の中、遭難者を探索する方法でジンを探す」
「そんな方法があるの?」
「何日も濃い霧が出た場合、遭難者の体力を考えて霧が晴れる前に捜索隊が組まれる事がある。
迷わないように、木に『←』って印をつけながら行動するのさ。
そうすれば本人は一度来た道はわかるし、他の捜索者も『どこを捜索しているか』がわかる。
遭難者も捜索者がどの道を通ったか、がわかるといった寸法さ。
ただこの方法には欠点もある」
「どんな欠点?」
「昔の捜索の印がそこら中に残っているのさ。
あと、捜索者が複数いた場合、誰の残した印か混乱しやすい。
だから印の横に記号を残すんだ」
リーリエは『←』の横に『✕』を書いた。
「問題は時々記号がカブる事だ。
そうなった時はもうお手上げだ」
「記号をもっと複雑にしたら?」
「複雑な記号を残しながら、素早く移動する事なんて不可能だ。
モタついてる間にも遭難者は衰弱していき、モンスターに襲われて命を落とす」
「古い誰かが付けた印を遭難者が辿ってしまう可能性は?」
「『新しい跡』と『古い跡』は普通に考えれば判別が容易だ。
ジンが『古い木に付けられた印』を辿るとは思えない」
ーーーーーーーーーー
「多分、これ、リーリエが残した『矢印』だよな!
俺って賢い!
この矢印を辿ればリーリエに会えるって寸法だ!」
俺は古い木に付けられた矢印を辿って数時間、あさっての方角へ突き進んでいた。
「しかしリーリエも遠くまで行き過ぎじゃねーか?
かなり元の場所から離れたと思うけど・・・」
かなり歩いていると看板があった。
「こ、これは!」俺は大袈裟に驚いて見せたが
「全く読めん」本音では意味が全くわからなかった。
しかし、ここには重大なヒントが隠されていたのだ。
以前、リーリエは言っていた。
『獣人には文字がない』と。
つまり文字の看板がある、と言う事は『この看板は獣人が残したモノじゃない。獣人の集落から遠く離れ過ぎている』と言う事だ。
そして看板の文字は竜人のモノだった。
竜人の集落はあと丸一日歩かなくてはたどり着かない予定だったが俺は偶然、竜人しか知らない近道を通って来たらしい。
俺が辿って来た矢印は遥か昔に獣人と竜人で交流があった時に、獣人が竜人に教えてもらった近道を示す矢印だった。
何故その近道が廃れたか?
今はそこまで険悪ではないが、単純明快な獣人と気難しい竜人は基本的に合わない。
だから過去に獣人と竜人は断絶した事があった。
その際に近道を利用する者はいなくなった。
それと、もう一つ理由がある。
その理由とは看板に竜人が書いた文字が関係ある。
『ここは死者の森。危険につき通り抜けを禁ずる』
そう看板には書いてある。
昔、近道が使われている時はアンデッドモンスターは現れなかった。
竜人と獣人にはほとんど危険はなかったのだ。
でも竜人の集落を目指すのは獣人だけじゃない。
特に人間は竜人の鱗を求めた。
人里から竜人の集落は遥か遠い。
森の中で人間が命を落とす。
命を落とした人間がアンデッド化して、次々と人間を襲う。
襲われた人々がアンデッド化する。
いつの間にか近道は『死者の森』と呼ばれるようになり、アンデッドモンスターの巣窟となった。
アンデッドモンスターはそんなに強くない。
むしろ弱い。
だが、獣人とは本当に相性が悪い。
なんせ直接攻撃が全く効かない。
直接攻撃以外に攻撃手段を持たない獣人としては、『アンデッドモンスターと会ったら逃げる』しか対抗策はない。
しかしその対抗策は有効だ。
素早い獣人と愚鈍なアンデッドモンスターでは追いかけっこにならない。
しかしアンデッドモンスターの数が多すぎる。
ここまで増えたら逃げる場所がない。
そんな場所を俺は矢印に従って突き進む。
地面から全身ガイコツがビデオの逆再生のように立ち上がる。
「うわぁ!ビックリさせるんじゃねぇ!
コノヤロウ!」
俺は咄嗟に鉄パイプを振る。
鉄パイプはガイコツにクリーンヒットする。
ガイコツはバラバラと崩れる。
「なんだコイツ、無茶苦茶弱いぞ!
ビビらせやがって!
観光地の土産物の意味不明なホネホネのキーホルダーみたいな見た目しやがって!」
相手が弱いとなれば、途端に態度が大きくなる。
俺は雑魚の典型みたいな男だ。
しょーがねーだろ、雑魚なんだから。
違うガイコツが目の前に現れる。
俺は学習する男だ。
今度はビビらない。
「オラ、食らえ!
必殺『ソーイングキット!』」
もちろんそんな必殺技は存在しないし、名前もその場の思いつきだ。
鉄パイプの一撃を食らったガイコツはバラバラと崩れ落ちる。
「フン!
『ソーイングニット』の前に敵は存在しない!」
微妙に必殺技の名前が変わっているが、気にしない。
また違うガイコツが立ち上がる。
「お前も『ソーイングハット』の刀の錆になりたいのか?」
刀なんて持ってない。
持っているのは鉄パイプだ。
何て言うか・・・気分の問題だ。
刀って言う方が格好良いじゃん?
俺はまたガイコツに鉄パイプを振り下ろす。
ガイコツがバラバラと崩れる。
「またつまらんモノを斬ってしまった・・・」
斬ってない。
殴っただけだ。
次は二体ガイコツが立ち上がる。
「俺の前にどれだけ現れても無駄だ・・・」
余裕をかましたのも一瞬だった。
次の瞬間、倒したはずのガイコツ三体が立ち上がった。
「え!?どういう事!?」
俺は急に弱気になった。
俺はガイコツ五体を無我夢中で殴った。
五体は再びバラバラと崩れた。
「はぁはぁ、やったか!」
俺は自分が死亡フラグを立てたことにすら気付いていないくらい余裕がない。
次の瞬間、新しいガイコツ三体と倒したはずの五体のガイコツが立ち上がる。
「もういやだぁ!
どうすりゃ良いんだよ!」
俺は悲鳴を上げる。
考えろ!考えろ!考えろ!考えろ!
は!気付いたら頭の中が『考えろ!』で一杯で他の事を考えてない!
そうしている間にもガイコツはどんどん増えていく。
いつの間にか囲まれて逃げ道が塞がれている!
頭の中でツンツン頭の新人弁護士が叫ぶ。
『こういう時は発想を逆転するんだ!』と。
ダメージが与えられないなら、回復させれば良いんじゃないか?
そういえば『アンデッドモンスターには神聖回復魔法が効果あるんだよ!』って小学校の時の同級生の長田くんが言ってた。
長田くんは突然『永田くん』に名字が変わったな。
「どうして名字が変わったの?」って俺が聞いたら「お父さんとお母さんが離婚したの」って寂しそうに答えたっけ?
・・・そんな話は今はどうでも良い!
問題は『アンデッドモンスターを倒すにはどうすりゃ良いか?』だよ。
離婚か?離婚すれば良いのか?
違う!頭が混乱している!
ガイコツに回復魔法をかけるんだよ!
ガイコツが無茶苦茶元気になったらどうするんだよ?
その時はその時だろ!
その時は他の魔法も試して見れば良い。
でも他の魔法、覚えたの後だったしMPの消費激しそうなんだよね。
これだけの敵に使って足りるかわかんないし、そもそも効くかどうかもわからない。
試すならMP消費が少ない回復魔法だよな。
・・・と言う訳でガイコツに向けて回復魔法を叩き込む。
「ヒーリング!」
魔法を使った途端、目の前のガイコツが灰になって消える。
効いてる!効いてるぞ!
俺は今まで泣きそうだったクセに急に強気になった。
「フハハハハハハ!
殺戮ショーの始まりだ!」
まるで悪役のセリフだ。
よく考えたら俺の魔法は『浄化』だ。
アンデッドを成仏させているはずなのに、言ってる事はまるでサイコパスだ。
「ヒーリング!
ヒーリング!
ヒーリング!
ヒーリング!」俺は次々に現れるガイコツを次々に浄化する。
周りが浄化されたガイコツの灰だらけになりもうガイコツが登場しなくなった時にファンファーレが鳴った。
『レベルが52になった!
"ちから"が272上がった!
"みのまもり"が288上がった!
"すばやさ"が234上がった!
"まりょく"が201上がった!
"かしこさ"が16上がった!
"かっこよさ"が9上がった!
"HP"が222上がった!
"MP"が188上がった!
"スキル"『やせ我慢』を覚えた!
"スキル"『オレオレ詐欺』を覚えた!
"スキル"『タヌキ寝入り』を覚えた!
"スキル"『虎の威を借る狐』を覚えた!
"スキル"『猿芝居』を覚えた!
"スキル"『食い逃げ』を覚えた!
"スキル"『男色』を覚えた!
"スキル"『金庫破り』を覚えた!
"スキル"『脱獄』を覚えた!
"神聖魔法"『エリアヒール』を覚えた!
"攻撃魔法"『サンダーアロー』を覚えた!』
そして大量の『マジックポーション』のドロップアイテムがあった。
これはきっと役に立ちそうだ!
何で『マジックポーション』ってわかったって?
頭の中のアナウンスが『マジックポーションを手に入れた!』って言ってたからだよ。
ゲームで"牢屋の鍵"開けるのってかなり便利だろうけど『脱獄』って人聞きが悪すぎるな。
あと『男色』って何だよ?
気になるけど使ったらダメな気がする。
そんな事を考えていると霧が晴れて来た。
おかしいな、木に刻んである矢印を辿ってここまで来たけどまだリーリエとは出会えない。
「止まれ!」
俺は突然、声をかけられる。
声をかけてきたのは俺より少し年上くらいの女性だ。
騎士みたいな出で立ちで重装備に槍を携えている。
「答えろ!貴様は何者だ!
何故ここにいる!?」
「『何者』と言われても・・・『何者でもない』としか答えようがないんだけど・・・」
敢えて言うなら学生だけど、この世界じゃ学校行ってないし身分なんてないもんなー。
「答えられないのは『疚しい事』があるからだ!」
何だよ、その決めつけは?
面倒臭いなー。
テキトーに答えるか。
頭の中でアナウンスが響く。
「スキル『二枚舌』を使った!」
「越後のちりめん問屋でございます」
咄嗟に口から出任せがついて出た。
「エチゴ!?それは一体どこだ!?
チリメンとは一体何だ!?」
ちりめんって一体何だろうね?
ちりめんじゃこの事?
ちりめんじゃこみたいなニッチな物に問屋があるの?
「何と申しましょうか?」
俺はモゴモゴと返事をはぐらかす。
答えられる訳がない。
答えなんてないんだから。
ここに来た理由?
ここがどこかもわかんないのに答えられる訳がなかろう?
「しかしお前が『エチゴ』から来たという事だけはわかった。
ここで待つが良い。
長老に意見を仰ぐ」
この世界に『エチゴ』なんてねーだろう?
大体俺、越後なんて行った事ないよ?
新潟の事だっけ?
越後製菓のせんべい食った事があるくらいしか関わりねーし。
速攻で嘘がバレそうだ。
俺がしばらく足止めされていると、長老らしき男が来た。
長老は白いゾロゾロとしたローブを身に纏っている。
何か『オビワン・ケノービ』って感じだ。
「フォースと共にあらんこと」
俺が深々と頭を下げながら言う。
「フォースと共にあらんこと」
長老が同じように頭を下げる。
ノッて来るんかい!
意味わかってるのかね?
俺はわからない。




